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孤独な少女は世界の子 ー星々は世界を見ているー  作者: 偽善の仮面
第一章 星々はまだ見ていない
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第一章 星々はまだ見ていない 第五話 才能の子を知るため

 

 

チュンチュン

 

スズメの鳴き声が聞こえる。

校門を通ると、強い風が吹き、桜の花びらが舞う。

 

 

神鏡虚無

「わっ…!」

 

 

虚無は、身体をとっさに小さくする。

そんな事をしていれば、後ろから、聞き馴染んだ声が聞こえた。

 

 

五十嵐楓牙

「よっ!昨日ぶりだなぁ?虚無」

 

神鏡虚無

「あっ、五十嵐さん。おはようございます…」

 

五十嵐楓牙

「朝から元気がないなぁ?もっと元気になれよぉ~?」

 

神鏡虚無

「……ッッ…」

 

 

怯えている虚無に対して、楓牙はズカズカと話しかける。

其処に…

 

 

???

「五十嵐さん、神鏡さんは困っております」

 

五十嵐楓牙

「ア“?なんだよ?」

「真面目野郎」

 

神鏡虚無

「あっ、一ノ瀬さん。おはようございます…」

 

 

楓牙と才の間には、火花が散る。

そのせいで、余計に縮こまってしまう虚無

 

 

其処に、一台の黒の高級車が、校門の前で停車する。

運転席から、執事の様なお爺さんが出てくると、後部座席のある席の扉を開けると日傘をさして、校門を通り向けようとして、バチバチと一発触発の雰囲気の場所で立ち止まる。

 

 

新島美紗都

「おはようございます」

「貴方たち、何をしているのです?神鏡さんが、泣きそうな顔をしておりますわ」

 


2人が、虚無の方を見る。

虚無は、涙目でめっちゃ縮こまっていた。

 

2人の顔が、ポカーンとなる。

 

 

五十嵐楓牙

「オメェ…なんで涙目なんだよ」

 

新島美紗都

「はぁ…全く貴方たちは…」

「神鏡さん、教室に向かいますよ」

 

 

そう言って、美紗都は虚無の手を取って教室へと向かう。

その様子を、教室の窓から見ていた録

 

 

一ノ瀬才

「彼女の前で、喧嘩をするべきではなかったですね」

「後で、謝らなければ…」

 

五十嵐楓牙

「それは、そうだな」

 

 

その様子を、2階にある一年一組の教室の窓から見ていた録の姿があった。

 

 

_______________________

 

 

一方、一年一組の教室では…

 

机の上にうつ伏せになって眠る時の姿


バンッ!

 

勢いよく扉が開く。

そちらを見れば、万象が立っていた。

 

 

鍛治万象

「おっはよぉございま~す!!!!!!」

 

 

学校中に響き渡りそうな大きい声で、挨拶をする。

時は、その声の大きさのせいで、飛び起きてしまう。

 

 

蓬莱時

「むにゃ!?ふにゃ…」

 

 

そして、また、眠ってしまう。

 

録は、耳を塞ぐ。

耳がキーンとなっており、その場に少し硬直してしまっている。

 

 

其処に…

 

 

新島美紗都

「朝からうるさいですわ」

「元気な事は、いいですが…少し声の大きさを抑えてください」

 

鍛治万象

「えぇ!?なんでだぁ!?」

 

 

万象の視線が、美紗都の後ろにいる虚無に移る。

まだ、少し涙目の虚無が映る。

 

 

鍛治万象

「どうしたんだ!?」

「誰かに、泣かされたのか?誰だ?俺がとっちめてやるから!」

 

新島美紗都

「うるさいですわ。それでは、威嚇となりますわ」

「今は、ソッとさせておいてあげてくださいまし。今は、落ち着く為にもです」

 

鍛治万象

「す、すまん…」

「虚無、すまんな」

 

神鏡虚無

「だ、大丈夫だよ…」

(ハァ…怖かった。でも、美紗都さんは、とっても優しい人です。嬉しい)

 

 

虚無は、自分の机の上にうつ伏せになる。

美紗都も自分の机に行く。万象も「チラッ…チラッ…」と視線を虚無に送る。

 

 

其処に、バチバチと火花を散らした才と楓牙が入って来た。

才は、すぐに喧嘩を辞めにしようとしたが、楓牙は突っかかって来る。

 

それを見た録が、楓牙の腕を掴んで一緒に教室を後にする。

 

 

才は、ため息を吐いて、美紗都の方へ歩いて行く。

 

 

一ノ瀬才

「おはようございます。新島さん」

 

新島美紗都

「どうされましたの?」

 

一ノ瀬才

「先程は、神鏡さんを退避させて頂き感謝致します」

「彼女は、まだ傷ついていますか?」

 

新島美紗都

「えぇ、少し負担が掛かる事がありましたの」

「今は、ソッとさせてあげてください」

 

一ノ瀬才

「はい、分かりました」

 

 

そうして、才は自分の席に向かう。

 

 

_______________________

 

 

隣りの教室では…

楓牙が、腕を振り払う。

 

 

五十嵐楓牙

「なんだよ!」

 

目黒録

「虚無さんの前では、才さんと喧嘩するのはやめて」

「君も虚無さんの事心配してるんでしょ?」

 

五十嵐楓牙

「気付いていたのかよ」

「嗚呼、だが…済まなかった。気をつけるよ」

 

目黒録

「うん、でも、謝るのは虚無さんにしてね」

「今は、ソッとさせてあげて欲しい。少し疲れているみたいだから」

 

五十嵐楓牙

「分かった」

 

 

そうして、教室へと戻る。

 

 

_______________________

 

 

一年一組の教室

 

眠っていた時が、眠そうに目を覚ます。

 

 

蓬莱時

「……きょむ~」

「泣き止んだ方がいいよ~?5分後に先生くるの~」

 

 

虚無は、ビクッと身体を震わせるとハンカチを使って涙を拭う。

才は、自身の席から誰にも悟られない様に虚無に視線を送る。

 

 

其処に、録と楓牙が戻って来る。

 

 

五十嵐楓牙

「なんだよ?この空気」

 

新島美紗都

「あと、3分後に先生が来ます」

 

 

楓牙と録の間に、微妙な空気が流れる。

2人が、席につく。

 

相変わらず、楓牙は机に足を置く。

 

 

才の顔は、かなりピキピキとしていた。

それを見た万象が、楓牙に小声で注意する。

 

 

鍛治万象

「お~い、楓牙~」

「才が、怒ってるぞ~その格好やめとけよ」

 

五十嵐楓牙

「別に~どうでもいいんだよ~」

「勝手に怒らせとけばいいんだよ~真面目野郎にはね」

 

 

才の顔は、怒りマークが出ていた。

 

 

教室の扉が開く。

黒髪のオールバックに近いショートヘアーの男性が、名簿を持って入って来る。

 

 

陰陽和魔

「……おはよう。今日は、身体測定をする」

「ホームルームを始める。起立。おはようございます」

 

和魔以外

「おはようございます!(!! / … )」

 

陰陽和魔

「席につけ、では、出席を確認する」

「出席番号1番、一ノ瀬才」

 

一ノ瀬才

「はい」

 

陰陽和魔

「嗚呼、いい返事だ」

「出席番号2番、五十嵐楓牙」

 

五十嵐楓牙

「はい、は~い、せんせぃ~いますよ~」

「こんな朝っぱらから学校に来たくないっすわぁ~」

 

陰陽和魔

「静かにしろ。返事だけでいい」

「出席番号3番、鍛治万象」

 

鍛治万象

「はい!」

 

陰陽和魔

「いい返事だな」

「出席番号4番、神境虚無」

 

神境虚無

「はい…」

 

陰陽和魔

「……………………」

「出席番号5番、新島美紗都」

 

新島美紗都

「はい」

 

陰陽和魔

「礼儀正しいな」

「出席番号6番、蓬莱時」

 

蓬莱時

「フガッ…」

 

陰陽和魔

「ハァ…」

「出席番号7番、目黒録」

 

目黒録

「……はい」

 

陰陽和魔

「全員、出席しているな」

「では、男女別に整列をしろ」

 

 

そう言って、出席番号順に並ぶ。

そして、先生のあとを追う様に歩くと保健室の前まで案内される。

 

一番最初に、名前を呼ばれたのは才だった。

 

保健室の中に入れば、ベッドが3台、体重計の取り付けられた身長計など保険室にありそうな普通の保健室だった。

 

 

目の前には、怠そうな表情、乱れた服、灰色のボロボロでボサボサの長い髪の女性がいた。

才は、内心…

 

「保健室は、清潔であるべき場所なのに、こんなダラシのない格好をしたのが、保健教師なんですか…」

 

と、かなりドン引きしていた。

 

 

茨愛姫

「こんにちは…私は、茨 愛姫(いばら だいあな)」

 

 

保健教師は、めんどくさそうに挨拶をする。

才も、名前のインパクトに押されていたが、愛姫(だいあな)に挨拶をする。


 

一ノ瀬才

「こんにちは、私は、一年一組の一ノ瀬才です」

 

茨愛姫

「そう。んじゃ、上履き脱いで、そこの体重計付きの身長計に乗って」

 

一ノ瀬才

「分かりました」

 

 

愛姫(だいあな)は、体重計の電源を入れて、身長計の測りを上に上げて、才を台の上に乗せると、身長を測る。

 

 

茨愛姫

「……身長は、170cmちょうど。体重は63kg、標準だね」

「次、視力検査するから、そこの白いテープの先に足を合わせて、これを持って」

 

一ノ瀬才

「はい」

 

 

そして視力検査も済み。

次は楓牙の番となる。

 

 

楓牙は、宙に浮きながら入ってくる。

 

 

茨愛姫

「君か、次は…問題児の楓牙くん」

 

五十嵐楓牙

「なんだ。知ってんだ?」

 

茨愛姫

「まぁね。んで、アタシは、茨愛姫(いばら だいあな)」

 

五十嵐楓牙

「ぷぅ、アハハ、キラキラネーム」

「オメェの親、どう言う意図でそんな名前を付けたんだよ…」

 

 

涙目になるレベルで、楓牙は爆笑する。

 

 

茨愛姫

「嗚呼、どう言う意図でつけたんだろうな」

「まぁ、いいや。ほら、そこに上履き脱いで立って」

 

五十嵐楓牙

「はい、はい」

 

そうして、身長を測る。

 

 

茨愛姫

「身長は、173cm、体重は65kg。平均」

 

 

そうして、視力検査も済み、次は、万象の番になる。 

 

 

鍛治万象

「おはようございます!先生!」

 

茨愛姫

「……うるっさ、まさか、朝の怒号みたいな挨拶したの君?」

 

鍛治万象

「多分?」

 

茨愛姫

「迷惑極まりねぇ…」

「まぁ、いいわ。アタシは、茨愛姫(いばら だいあな)」

 

鍛治万象

「ぷぅ…ヤベッ、笑っちゃダメ…」

 

 

万象は、口元を押さえながら無理矢理笑いを抑え込もうとする。

 

 

茨愛姫

「別に、笑ってくれてもいいよ。名前なんてどうでもいい」

「ほら、身長体重測るから、上履き脱いで」

 

鍛治万象

「はい!」

 

 

体重計の上に乗って、身長も一緒に測る。

 

 

茨愛姫

「……身長は、169.9cm。体重は、60kg…ちょっと痩せてるね」

 

鍛治万象

「マジか!?」

 

茨愛姫

「ご飯の量、少し増やしてもいいかもね」

 

鍛治万象

「分かりました!」

 

 

万象も視力検査を終える。

 

次に入って来たのは、録だった。

 

 

茨愛姫

「どうも、アタシは、茨 愛姫(いばら だいあな)」

 

目黒録

「…………」

 

茨愛姫

「笑わないんだね」

 

目黒録

「はい、あまり面白いとは思えません」

 

茨愛姫

「そっか、じゃ、身体検査行うな」

 

目黒録

「はい」

 

 

録は、上履きを脱いで体重計の上に乗る。

 

 

茨愛姫

「身長170.1cm、体重は59kg。ちょっと痩せすぎ」

「もうちょい、ご飯食いな」

 

目黒録

「はい、分かりました」

 

 

録は、視力検査を終えて、次は女子生徒の番になった。

 

入って来たのは、虚無だった。

 

 

神境虚無

「よろしくお願いします…」

 

茨愛姫

「嗚呼、よろしく。私は、茨愛姫(いばら だいあな)だ」

 

神境虚無

「よろしくお願いします。愛姫(だいあな)先生」

 

茨愛姫

「ふ~ん、んじゃ、はかろっか」

 

神境虚無

「はい」

 

 

そうして、身長と体重を測る。

 

 

茨愛姫

「身長は153cm。体重は46kg」

「お前、ちゃんと飯食ってる?一日に三食」

 

神境虚無

「……基本的に、一日二食。酷い時は、食事を摂らない日もあります」

 

茨愛姫

「そう。毎日、何かしら食べなさい」

「いいね?」

 

神境虚無

「はい…」

 

 

そうして、視力検査も終えて、次の人の番になった。

 

入って来たのは、美紗都だった。

 

 

新島美紗都

「おはようございます。先生」

 

茨愛姫

「おはよう。私は、茨 愛姫(いばら だいあな)だ。んまぁ、よろしく」

 

新島美紗都

「……ぷっ…」

 

 

美紗都は、咄嗟に口元を抑える。

 

 

新島美紗都

「申し訳ございません」

 

茨愛姫

「別にいい。さぁ、測るよ」

 

 

愛姫(だいあな)は、上履きを脱ぐ様に指示をして体重や身体を測る。

 

 

茨愛姫

「身長は156cmで、体重は53kg。うん、普通」

「にしても、肌綺麗だね。羨ましいよ」

 

新島美紗都

「これでも、幼少期からお肌のお手入れをしていますの」

 

茨愛姫

「へぇ~暇な時に教えてくれると嬉しい~」

 

新島美紗都

「分かりましたわ」

 

 

そうして、視力検査を終えて次の人の番になる。

 

コクッコクッとしながら、眠り掛けながら時が入って来る。

 

 

茨愛姫

「おはよ。検査あるから寝ないでね~」

「それで、アタシは、茨愛姫(いばら だいあな)だ。よろしく」

 

蓬莱時 

「そう。おやすみ」

 

茨愛姫

「はい、はい、寝ない寝ない」

「さぁ、上履き脱いで、そこに立って」

 

蓬莱時

「はい…」

 

茨愛姫

「えっと、身体は158.3cm、体重は54.9kg。んまぁ、普通」

「ほら、視力検査するよ」

 

蓬莱時

「はい…眠い…」

 

 

そう言って、時も視力検査を終えて部屋を出る。

一年一組は、そのあと、体力検査や聴力検査などをして、一日を終えた。

 

 

_____________________

 

 

学校の屋上で…

 

誰かが、屋上でタバコを吸っている。

夕焼けが、学校から見える街を照らす。

 

 

そこには、灰色のボサボサでボロボロの長い髪が風に靡いていた。

 

 

「あ~あ、つまらないや」

 

 

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