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孤独な少女は世界の子 ー星々は世界を見ているー  作者: 偽善の仮面
第二章 7つの命を巡る星座
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第二章 7つの命を巡る星座 第十四話 お礼

 

 

虚無が足を挫いて治ってから数日が経とうとしていた。

 

今日は、休日の土曜日だ。

そして、あるボロっちいアパートの玄関扉前に3人の人影があった。


その3人の人影は、助けてくれた才と楓牙、それと助け舟を出してくれた時だ。

 

虚無は、その3人にお礼にと家に呼んだ。

今の時刻は、お昼の11時59分

 

 

______________

 

 

少し時間を遡ろう。

ここは、虚無が住んでいるアパートの近くにある公園だ。

 

3人は、ここで落ち合い虚無のアパートへと向かうことにしていたのであった。

 

そして、才は、合流地点に集合時間の10分前から待機しており、楓牙も5分前には来ていた。

時は…集合時間の1分前にはなんとか来る事には成功した。

 

其々、藍色のコートを身に纏う才、

黒の革服に白いシャツとボロボロ系ジーンズを履いている楓牙、

だらしない白い長袖、短めのスカートの姿の時

 

各々、個性が出ている私服姿だった。

 

だが、時は、ものすごく眠そうにしており、才の肩に頭を置いて眠っている。

 

 

五十嵐楓牙

「おぉ〜!?浮気か?」

 

一ノ瀬才

「なっ!何を言ってるんですか!君は!」

 

 

才は、顔を真っ赤にして答える。

 

そして、時刻は12時に近づこうとしていた。

肩を揺すっても時は目を覚まそうとしない。

 

仕方なく才は、時をおぶって虚無の住むアパートに向かった。

 

12時になり、楓牙が虚無の部屋のチャイムを押す。

ドタバタと音が、聞こえてから玄関の扉が開く。

 

其処には、緑のパーカーに、短めのスカートを黒いタイツを身に付けた私服姿の虚無が出迎えてくれる。

 

手の指には、絆創膏が貼られている。血が少し滲んでいるところもあった。

 

そして、虚無が3人を家の中に迎えると同時に、時が目を覚ます。

 

 

蓬莱時

「んへ?あれ、ここどこ?」

 

神鏡虚無

「あっ、おはよ。時ちゃん!」

 

 

虚無が、可愛らしい笑顔を時に向ける。

その笑顔に、ドキッと胸が高鳴るのを覚えた才と…楓牙だった。

 

3人は、虚無が用意してくれた机の上に座って待っていると、虚無がせっせと料理を運んで来る。

ケチャップでみんなの好きなキャラクターが描かれたオムハヤシライスに、味噌汁、サラダ、デザートに小さなアイスのパフェが並べられた。

 

その腕前に、驚きを隠せない才と楓牙

 

時は、虚無が持って来るキャラ弁を見ていたので、それほど驚いていなかった。

 

が(・)!

 

自分の好きなキャラが描かれていたので、食べ様にも食べれずに、そわそわしながら何枚もの写真を撮って、そのうちの数枚を美紗都にメールで送っていた。

 

そして、すぐに返事がつく。

 

 

______________

 

 

メール上のやり取り…

 

 

新島美紗都

「あ、あ、あああ、あわわ!」

「ちょっと、今どこにいるのですか!今すぐにわたくしもお伺いさせてくださいまし!」

 

蓬莱時

「虚無ちゃん家」

 

新島美紗都

「行かせてくださいまし!」

「と言うか、行きますから、お待ちになっていなさい!」

 

 

______________

 

 

そのやり取りを虚無に見せる。

 

 

神鏡虚無

「あっ、いいよ」

「でも、ご飯はないからお菓子だけになっちゃうけど…」

 

蓬莱時

「送ったらね」

 

美紗都とのメール

「いいですわ!虚無様の手料理が食べれるなら!!」

 

神鏡虚無

「えっ、美紗都ちゃんって裏で、私の事「様」呼びしてんの!?」

 

蓬莱時

「えっ、うん。そうだよ」

 

五十嵐楓牙

「ゴホッ、ゴホッ…」

「あのお嬢様、あんな虚無バカになってたのかよ…」

 

一ノ瀬才

「意外です」

 

五十嵐楓牙

「ほんとだよなぁー」

「いつの間に、美紗都をメロメロにしてたんだよ…」

 

神鏡虚無

「知らないよ…」

 

そう、弱気になっていた。

 

 

______________

 

 

それから、数十分後…

 

皆んなが、食事を食べ終えたくらいで、外から「キキー」と車が急停車する音が聞こえる。

そして、チャイムがなって、虚無が出ると…

 

其処には…

 

少し汗をかいている美紗都がいたのであった。

 

 

新島美紗都

「よかったですわ!」


神鏡虚無

「美紗都ちゃん、ほんとに来たんだ…」

「嬉しい!!」

 

新島美紗都

「!…」

 

 

虚無がまた、可愛らしい笑顔を美紗都に見せる。

その笑顔を見た美紗都は、口元を手で押さえ必死に、「尊い」と言う言葉を出さない様我慢している様にも見えた。

 

そして、虚無の案内で皆んなが座っているテーブルまで行くと

 

 

五十嵐楓牙

「おっ、本当に来たよ」

「虚無に心を射抜かれたお嬢様」

 

新島美紗都

「ななななななんですって!」

「虚無さ、ちゃんに射抜かれたは認めますけど!お嬢様ではないですわ!」

 

一ノ瀬才

「普通、逆なのでは?」

 

新島美紗都

「あっ…」

「アバババ…虚無様の前で、「虚無様に射抜かれた」って言っちゃった…//」

 

  

美紗都は、顔を真っ赤にし顔を手で覆ってものすご〜く恥ずかしがっている。

 

 

蓬莱時

「ねぇ、美紗都ちゃん、完全に「様」って言ってるよ」

 

新島美紗都

「あっ…」

「何をやっているんですか!!わたくしはぁぁぁ!!」

 

 

美紗都が、テーブルに突っ伏してしまう。

才と楓牙は、学校内と私生活のあまりの差に仰天していた。

 

特に、才は驚いていた。

「虚無さんに、それほどの魅力があるのか」

と、だが、虚無の食事を食べた後の才は、美紗都の考えが、なんとなくわかる気がしていたのだ。

 

一方、楓牙は…

「虚無って結構家庭的なんだなぁーこれじゃ、彼氏になりてぇ奴が沢山いそうだな」

「毎日、昼飯だけは食ってねぇから、頼もうかなぁ〜」

と考えていた。

 

実際、虚無の手料理はとても美味しかった。

普段から人の手料理なんてもんをあまり食べて来なかった。

 

母親の手料理すらまともに食べた事の楓牙にとって、虚無の手料理は絶品だと思っていたので、その様な考えが出てきたのだろう。

 

そして、楓牙は、虚無を見てると心の奥底がポカポカしている気がしていた。

 

それから、団欒としていると虚無が、徐に立ち上がりキッチンの方へ向かった。

5人が、不思議がっていると冷蔵庫からクッキーを取り出す。

 

 

神鏡虚無

「はい!皆んなが、来る事は知ってたからお菓子を作ってたの」

「それで、少し冷やしすぎちゃったかもだけど…食べて欲しいなって…」

 

 

虚無が、持って来たトレイには、色々な形や色、キャラクターのクッキーが載ったお皿を持って来る。

美紗都は、目をキラキラに輝かせ、丁重に扱う様にクッキーを持ち上げる。

  

 

蓬莱時

「まだ、作ってたの〜!?」

「もう、お腹いっぱいだから食べられないよ〜」

 

神鏡虚無

「あっ、ちょっと量多かったかな?」

 

蓬莱時

「うん、でも、美味しかったから満足」

「クッキーは、家で食べるから持ち帰っていい?」

 

神鏡虚無

「うん、いいよ」

「時ちゃんには、鍛治さんや目黒さんにも渡して貰えると助かるの」

 

蓬莱時

「わかった」

 

神鏡虚無

「ありがとう!」

 

 

虚無が、眩い笑顔を見せる。

美紗都は、「尊い」と思っている様な推しを目の前にして歓喜しているファンにも見えなくはない嬉しさが出ている様だ。

 

才と楓牙の心の中では、“何(・)故(・)か(・) ”心の奥底がポカポカする感覚が鮮明に感じとれていた。

 

時は、内心少しニヤニヤしていた。

理由は、才と楓牙の5分先の心の未来を軽く見たからだ。

 

楓牙は、これが恋心である事に気づていた。

才に関しては、まだ、恋心である事には気づいていなかった。

 

才は、初恋をまだしてないから、余計に分かりづらかったのだろ。

 

 

そうして、5人は、わちゃわちゃしながら楽しい時間を過ごし、夕焼けが顔を出す時間となった。

 

 

一ノ瀬才

「そろそろ帰ります」

「これ以上は、ご迷惑になるでしょうから」

 

五十嵐楓牙

「そうだな〜」

 

 

そう言って来ると、楓牙が虚無に近付いて来て、耳元で囁く。

 

 

五十嵐楓牙

「オメェの飯は、絶品だな」

「だからよぉ、金渡すっから学校の日だけでいいから俺の分の弁当作ってくんねぇか?」

 

 

耳元で囁かれる事に慣れていなかったのか、虚無は、顔を真っ赤にしていた。

虚無は、コクッと頷く。

 

楓牙は、満足したかの様に、玄関へと向かった。

 

そして、4人は、玄関の扉を開けて各々、家へと帰って行った。

 

 


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