第二章 7つの命を巡る星座 第十三話 鏡に映るその者は…
鏡に、目を閉じている虚無が写っている。
様子を見るに眠っている。
だが、鏡の前に立つ存在は、起きている。
そっと、鏡に触れる。
バキッ
鏡にヒビが入る。
「触れた」だけでだ。
鏡の前に立つ存在は、鏡に映る虚無に答えを促す様に質問をする。
鏡の前に立つ存在
「お前は、まだ、俺を拒むのか?」
「ねぇ、!!いい加減に俺に身体を譲れ!そうすればお前も楽になれる!」
鏡に映る虚無は、答えない。
鏡の前に立つ存在
「お前は、ずっと苦しんでる!」
「いい加減、解放されたいとは思わないのか?」
「なぁ!答えろよ!」
声を荒らげる。
焦りなのか、それとも、怒りからくるものなのか定かではない。
でも、今、この者が、“ 心配 ”をしているのは、嫌でも分かる。
鏡の前に立つ存在
「お前は、辛いんだろ?苦しいんだろ?」
「じゃ、俺に変われよ!そうしたら、お前を苦しめるもの全てを壊してやるからよぉ!」
「お前が、苦しまない様に俺はしれやれる!」
月明かりが、鏡を照らす。
鏡の前に立つ存在は、虚無だ。
いや、普段の虚無とは明らかに違う。
目元は鋭く。普段は左目にもある光が消えていた。
それに、口調も…
姿は、虚無なのに…
中身だけが、違う。そう…違うのだ。明らかに
彼女を少ししか知らない人が見ても違和感に気がつくだろう。
ただ、この者も彼女を“ 心配 ”している事は明らかだ。
彼女は、諦めた様に鏡から手を離し、ベランダへと出る。
ベランダの床を月明かりが照らす。
絵の具で汚れた床が目に入る。
ベランダに、彼女が立ち空を見上げる。
マンションや高層ビルが目に入るが、それよりも目立つ大きな…7つの…
『“ 月 ”』
と、その周囲で輝く…13の…
『“ 生命星座 ”』
その2種以外に、空を輝かせるものは存在しなかった。
星が、『“ 生命星座 ”』を構成する星以外がないのだ。
今日は、七月の日
七月の日とは…
夜空に、7つの月が浮かび上がる日の事だ。
理由は、不明だ。
世界中の科学者が、この疑問を解こうとするが、分からない。
そう…
『“ “ 分からないのだ ” ”』




