第二章 7つの命を巡る星座 第十話 未治の夢
月明かりから照らされるこの場所は、廃城の一番上にある塔から、その月を見ている。
月は赤かった。
月を見ているのは、“ 神鏡虚無 ”に似た誰かだ。
目つきが、虚無と違って鋭かった。
そして、左目にあった光が、今は消えていた。
誰かが、話しかけようとするが、声ができない。
虚無らしき人が、誰かがいる方向を向く。
そして、狂気的な笑みを浮かべ、また、月を見上げる。
虚無らしき人
「ハッハ…俺は何を言っているんだろうな」
「虚無が無意識に俺を操ってるのかもな…」
少し悲しい顔をした。
虚無らしき人
「救いなんて求めてない…」
「俺の“ 生命星座 ”は、“ 鏡死 ”…結局は、死ぬんだよなぁ〜」
また、虚無らしき人が、誰かの方向を見る。
虚無らしき人
「いいね。君たちは死なないんだ」
「君たちは、いいね。本当に…」
誰かは、鏡にいた。
眠っているかのように、写っている。
鏡には、一人が写っていた。
写っているのは、“ 一ノ瀬才 ”だ。
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写っているのは、“ 五十嵐楓牙 ”だ。
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写っているのは、“ 鍛治万象 ”だ。
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写っているのは、“ 新島美紗都 ”だ。
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写っているのは、“ 蓬莱時 ”だ。
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写っているのは、“ 目黒録 ”だ。
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バキッ
と音がなりながら、鏡の中に写っている人が変わる。
理由は、知らない。
虚無らしき人の顔に、ヒビが入る。
鏡のガラスが割れている様な形で割れている。
「歪な夢だ」
誰かが、そう言った。
「君は、何を描いていたの?」
誰かが、そう言った。
「君を信じても、君の、運命は信じていいの?」
誰かが、そう言った。
「君は、18歳まで生きられないんだよ!」
「苦しくないの?もっと、生きたくないの?」
女の声だった。
まるで、「君がいなきゃ、私は…私は…」そう言ってるかの様に聞こえる。
誰かが、物陰から這い出てくる。
??
「……もう少しで、文化祭だ」
「私の娘を傷つけるな」
虚無らしき人
「「私の娘を傷付けるな?」……フッ…」
「娘?君の?君は、虚無の創造物のくせに…よく言える…」
誰かが、無言になる。
黒いロングストレート、片目には眼帯、紫色の瞳が映る。
別に怒っている訳じゃない。
ただ、自身の役職を侮辱された気分だった。
??
「ただ、私は、私の役職を果たしているだけだ」
「無神家の名において、命令を果たすだけだ」
虚無らしき人
「フッ、笑えるね」
「でも、それくらいしなきゃ、君達も俺の…虚無の気持ちがわかるんじゃない?」
??
「“縛られた人生 ”であり、“ 決められた運命 ”」
虚無らしき人
「嗚呼、悔しいねぇ…」
「なんで、“ 虚無 ”なんだろうね」




