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孤独な少女は世界の子 ー星々は世界を見ているー  作者: 偽善の仮面
第一章 星々はまだ見ていない
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第一章 星々はまだ見ていない 第二話 自己紹介

 

 

コツコツ…

 

 

教卓に担任の和魔が立つ。

 

 

陰陽和魔

「改めて言おう。皆、入学おめでとう」

「それでは、今から渡すプリントをちゃんと見る様に」

「校則や時間割りなどが書かれてある」

 

一ノ瀬才

「はい、承知致しました」

 

 

和魔が、人数分のプリントを渡す。

そして、皆はプリントを見始めるが、楓牙は軽く目を通しただけで、プリントで遊ぶ。

時は、渡されても上を見てボーッとしている。

 

その様子を見て、和魔は、頭を抱えていた。

 

 

陰陽和魔

「プリントは、一通り見たな」

「それでは、今から教材を渡す。各自、名前を書いておく様に」

 

 

そう言って、国語の教材、数学の教材、理科の教材、社会の教材、英語の教材

他にも情報や技術、道徳などの教材を次々に渡される。

 

皆、名前を各自、書き始める。

 

 

陰陽和魔

「……名前は、書き終わったな」

「それでは、次の授業は、自己紹介をする。授業開始から15分は、自己紹介を考える時間を与えよう」

「では、10分休憩を開始する」

 

 

それと、同時に「キ~コ~カ~コ~ン」とチャイムが鳴る。

和魔は、教室を後にする。

 

まず最初に、席を立ったのは楓牙だった。

 

 

五十嵐楓牙

「ハァ~めんどっくせぇ~」

「誰が、行きたくてこんな学校に行くのやら、俺には理解出来ないね」

 

一ノ瀬才

「そう言う発言は、控えるべきだ」

「此処を何処だと思っている。此処は、都立六星能力専門高等学校だぞ」

 

五十嵐楓牙

「だからなんだい?」

「お前みたいな真面目ちゃんに、構っているほど俺は暇じゃないんでねぇ~」

「さいなら~」

 

一ノ瀬才

「待ちなさい!」

「ハァ…なんなんだアイツは。規律を守らないとは、学校の理念とは真逆の存在だ」

 

 

そう言って楓牙は、その場を後にする。

地面から5cmほど足を浮かせて、空気を歩くかの様に

 

その様子を呆れて見ることしか出来ない才

 

其処に…

 

 

鍛治万象

「まぁ、アイツにもアイツなりの考え方があるんじゃねぇか?」

「一概に責めるのは良くねぇぜ?」

 

一ノ瀬才

「にしても、あの態度はなんなのです。不真面目極まりない」

 

新島美紗都

「それは、わたくしも同意しますわ」

「ですが、万象さんの考えも一理あるとは思いますが、態度だけ見れば飛んだ捻くれ者ですわ」

 

「貴方もそう思いますよね?蓬莱時さん」

 

蓬莱時

「……何?」

 

一ノ瀬才

「ハァ…この教室には、問題児が多すぎる」

「私の通っていた小中一貫校の方がまだ規律が守られていた…」

 

 

そう頭に、手を乗せて答える。

 

 

少し離れた席では、虚無がバックからスケッチブックを取り出し、鉛筆だけで、先ほどの喧嘩の風景を鮮明に書き記していた。


それは、それは、精密に書かれており、天井の蛍光灯からの光りで反射する才のメガネや楓牙の煽り散らかす顔

万象の優しく宥める顔、美紗都の見下す様な表情、時の間抜け顔、録の真顔で自身を見る顔

 

全て正確に、そして、忠実に

 

シワ一つ正確に丁寧に書かれてある。

 

 

______________________

 

 

地面の上を歩く様に、学校中を歩く。

そして、ある部屋の前に止まる。

 

少しだけ、扉が開いていた。それを盗み聞きする楓牙

 

 

???

「お前のとこに、無能な異能力者が来たらしいな」

 

陰陽和魔

「嗚呼、“ 絵を上手に書く能力 ”らしい」

 

???

「無能だな。この学校の実績にすらならん」

「イラストレーターごときで、稼げるはずがないし、実績になったとしても差が知れる」

 

「皆、それ相応の実績を持って入学してくる。なのにアイツは、ウェブコンテストで数回優勝しただけ」

「実績にもならん」

 

陰陽和魔

「嗚呼、そうだな」

「私にも、あの能力で食っていけないだろう」

 

???

「あんな無能、入学させなければよかったのに」

「この学校に無能は、いらねぇんだよ」

 

陰陽和魔

「……そろそろ授業が始まるな」

「教室に向かうぞ」

 

???

「ア“ア”ァ“~ダル…」

「教師なんてやってらんねぇよ。マジで」

 

陰陽和魔

「生徒に見られない様にしてください。ワン先生」

 

ワン・リーシャ

「ハッハッ、気をつけるさ」

 

 

そう言って、2人は部屋を出ようと扉へと向かう。

その話を、盗み聞きしていた楓牙は、慌てて身体を風にして、速攻で教室へと逃げていく。

 

 

_____________________

 

 

教室では、既に2分前チャイムがなっており、各々、自分の席に座っていた。

其処に、少し強めの風が吹き楓牙の席に、風になっていた楓牙が、机の上に足を乗せて座っていた。

 

 

一ノ瀬才

「何処行ってたんですか?」

 

五十嵐楓牙

「職員室前」

「で、こん中に、絵を描く能力を持ってる奴って誰?」

 

一ノ瀬才

「何故、其処まで行ってるんですか…」

「それと、貴方の問いに答えるなら、私ではないです」

 

鍛治万象

「俺ではない!俺は、刃物を作る能力だ」

 

新島美紗都

「わたくしでもないですわ」

「となると、其処の3人の誰か…もしくは他のクラスなのでは?」

 

五十嵐楓牙

「いや、確実にこの教室にいる」

 

鍛治万象

「そんなに自信があるのか?」

 

五十嵐楓牙

「まぁ~なぁ~」

  

 

その会話を、下を向き、机の下で手を強く握って聞いている虚無

相変わらずボーっとしている時

この教室に入ってから、一切、表情を変えていない録

 

そんな所で、チャイムが鳴る。

 

 

それと同時に、和魔先生が入って来る。

 

 

陰陽和魔

「授業の時間だ。姿勢をだ正せ」

「これから、授業を始める。礼」

 

 

楓牙と時以外は、礼をする。

 

 

陰陽和魔

「この時間は、自己紹介に当てる」

「今から、15分の間、自己紹介文を考えてもらう」

 

「一応、紙を渡しておこう。其処に、紹介文を書け」

 

 

そう言えば、簡易的に書かれた例が書かれたプリントを各自に渡す。

その時に、楓牙がしれっと虚無を見る。

 

ちょうど虚無は、和魔先生からプリントを頂いている最中だったが、和魔先生の視線は、かなり鋭かった。

虚無は、視線を逸らしていた。

 

 

それを一番後ろの席にいた録の目には、鮮明に写っており、それは脳内へと保管されていった。

 

 

相変わらず、楓牙と時は何もしない。

皆、鉛筆やシャーペンを使って、紙に自己紹介文を書いていた。

 

 

ピピ!ピピ!ピピ!

 

 

タイマーの音が鳴る。

 

 

陰陽和魔

「時間だ。ペンを置け」

「では、出席番号順に、教卓に来て自己紹介をしろ」

 

「それでは、出席番号1番の才から始めろ」

 

一ノ瀬才

「承知致しました」

 

 

才は、立ち上がると教卓へ向かい口を開く。

 

 

一ノ瀬才

「皆さん、こんにちは。私の名は、一ノ瀬才です。以後お見知りおきを」

「私は才能型の異能力者であり、能力名は、真実を見抜く能力です。要するに私には隠し事が通じませんので」

「お気をつけを…」

 

「好きな事は、読書と能力歴史学です。」

「ご清聴ありがとうございます」

 

 

そう言って、一礼をして自分の席へと戻る。

周りからは、拍手の音が聞こえる。

 

 

陰陽和魔

「いい自己紹介だ。次、楓牙」

 

五十嵐楓牙

「はぁ~い」

 

 

舐め腐った様な声でそう言って、教卓の上に座る。

和魔先生は、頭に手を置き、青筋を立てる。

 

 

五十嵐楓牙

「俺は、五十嵐楓牙。風を操ることが出来る異能力者だ」

「系統は、自然型だ。まぁ、その他は、真面目ほど価値を見出そうとして失敗するこの世界をぶっ潰せるといいね」

「って、ありがとうございます~」

 

 

そうして、自分の席へと戻る。

そして、また拍手が起こる。

 

 

陰陽和魔

「ハァ…もう少し才を見習ってくれ…」

「次、万象」

 

鍛治万象

「はい!」

 

 

勢いよく立ち上がり教卓へつくと、大きな声で自己紹介を始める。

 

 

鍛治万象

「俺の名前は、鍛治万象!よろしくな!」

「俺は、田舎と都会の真ん中くらいの場所で生まれたんだ!」

「あっ、後、俺は、錬金術型の刃物を作る能力の異能力者だ!包丁から刀まで刃物ならなんでも作れる!」

 

「まぁ、体力は消費するが刃物以外の物でも作れなくはないぞ!」

「ご清聴ありがとうございました!」

 

 

大きな拍手が起こり、万象は席に戻る。

 

 

陰陽和魔

「少し声の音量を抑えてくれ…」

「次、虚無」

 

神鏡虚無

「はい…」

 

 

オドオドしながら、教卓の前に立つ。

 

 

神鏡虚無

「えっと…私の名前は…神鏡……虚無です…」

「系統は、才能型の異能力者です。そして、能力名は、絵を上手に描く能力です」

 

「ご清聴ありがとうございました…」

 

 

そして、速攻で自分の席へ戻る。

拍手は、起こったが和魔先生だけが拍手をしていなかった。

 

それに、気づく生徒陣

楓牙の視線は、虚無にがっちり固定されていた。

 

それに、しれっと気づいている録だった。

 

 

陰陽和魔

「……次、美紗都」

 

新島美紗都

「承知致しました」

 

 

美紗都が、優雅に立ち上げり教卓に立ち上がり、話し出す。

 

 

新島美紗都

「Bonjour.」

「私の名前は、新島美紗都と申します。以後お見知りおきを」

「わたくしは、現代型の異能力者です。能力名は、言語が分かる能力ですの」

 

「これは、古代の言語を含めた全ての言語が分かる能力であり、それ聞く、読む、書くのこの三つが出来る能力です」

「わたくしは、“ 正徳(しょうとく) ”と言う老舗大企業の娘ですの。お困りの時はいつでも頼って下さいまし」

「ご清聴ありがとうございました」

 

 

優雅に、髪を靡かせ席に戻る。

 

 

陰陽和魔

「素晴らしい自己紹介だ。次は時」

「ゴッホン…時!」

 

蓬莱時

「あっ、は~い」

 

 

時が、ホワホワとした口調で言えば、立ち上がり教卓へ向かう。

 

 

蓬莱時

「名前、時。系統、時空型。能力名、未来を見る能力」

「上限は、5分から10分固定。それじゃ、おやすみ」

 

鍛治万象

「おいおい、寝るな!寝るな!」

 

陰陽和魔

「ハァ…寝てしまった」

「問題児多すぎだろ…」

 

 

と小声で言う。

そうして、時は、立った状態でその場に寝る。

 

 

陰陽和魔

「ハァ…まぁ、いい」

「最後、録」

 

 

無言で立ち上がり、教卓に立つ。

 

 

目黒録

「目黒録。終わり」

 

一ノ瀬才

「能力の説明はないのか?」

 

目黒録

「能力は、嫌いだから」

 

陰陽和魔

「目黒録。系統は、記録型であり、能力名も見たのも全てを覚える能力だ」

 

鍛治万象

「へぇ~勉強とかに嬉しい能力だな」

 

 

和魔先生が、目黒録の紹介を代わりにしている間に、自分の席に戻る。

 

 

陰陽和魔

「皆、自己紹介が終わった」

「皆、素晴らしい自己紹介が出来ていたと思う。一部を除いて」

 

 

その視線は、楓牙や眠っている時などでは無く

虚無へと向かっていた。

 


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