第二章 7つの命を巡る星座 第四話 歓迎会
翌日の夕方、虚無は、美術部に入部することにした。
美術部の顧問は、今日も急用でいなかったが…
副担任である愛姫先生のおかげで難なく入部に成功したのであった。
今日は、その新入部員の歓迎会だった。
歓迎会といっても、先輩部員が用意したジュースを飲み交わすだけの簡易的なものだったが…
虚無と先輩部員たちは、オレンジジュースの入った紙コップを手に持って…
「カンパ〜イ」と声をあげて、オレンジジュースを飲む。
そして、こうなる数分前に、時は遡る。
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茨愛姫
「はい、受け取ったよ」
「これで、君も美術部の部員だよ」
神境虚無
「はい!ありがとうございます」
虚無の目は、輝いていた。
そして、勢いよく腰を九十度に曲げてお礼を言う。
そして、虚無は、愛姫先生の案内で、美術部の教室に入る。
パンパン
愛姫が、手を軽く叩く。
茨愛姫
「はい、注目〜」
「今日からと言うか、昨日言ってた新入部員さんの入部届け貰ったから正式に入部が決まったよ〜」
自主練をしていた4人の先輩部員が、顔を見合わせる。
数秒後…
先輩部員
「えぇぇぇ!!」
「もう入るのぉぉ!?」
一人の先輩部員が、座ってた椅子から立ち上がり、虚無の手を両手で握って顔を近づけ、興奮気味に言って来る。
先輩部員
「あなた、絵が好きなのよね!」
「よかった…同士が増えたよ!!これで廃部にならなくて済む…」
虚無は、少しドン引きしてしまう。
他の先輩部員が、声を掛けて来た先輩部員を、虚無から引き離す。
茨愛姫
「はい、はい、そんな興奮しないの〜」
「さっさと、自己紹介しなぁ〜」
先輩部員
「あっ!はい!」
「私は…」
須貝緑
「須貝 緑!この美術部の部長をやってるの!」
「学年は、三年!」
緑髪の癖毛の強いロングヘアに、赤いバラのお花の髪飾りをつけた女子生徒が声を掛けて来る。
すると、隣にいた黄色のショートヘアの女子生徒が声を出す。
先輩部員
「私は…」
阿武野岬
「阿武野 岬です。ここの副部長です」
「学年は、三年です。そして、この子は…」
岬は、後ろでデッサンをしていた青色の癖毛が強いショートヘアの男子生徒の肩に片手を置き、もう片方で紹介するポーズをとる。
その男子生徒に目を向ければ、岬と顔がかなり似ている。
阿武野岬
「この子は、私の双子の弟の阿武野 海人」
阿武野海人
「よろしく」
阿武野岬
「この子の学年は、二年なの」
虚無の顔には?が浮かび上がる。
困惑している様だ。
阿武野海人
「僕と姉さんは、誕生日が一日違いなんだ」
「そのせいで、姉さんは3月31日生まれ、でも、僕は、4月1日生まれで学年が違うんだ」
神境虚無
「あ〜だから、学年が違うんだ」
阿武野海人
「学校によっては、双子で僕たちみたいなケースでも、一年くり上がりするところもあるみたい」
茨愛姫
「まぁ、この学校は、そんなことしないけどね〜」
須貝緑
「んじゃ、最後だよ〜」
教室の隅で、その様子を見ていた白髪で前髪で目を隠したロングストレートの女子生徒が、急に話しかけられた事によって肩をびくつくせていた。
先輩部員
「えっと…私は…」
大雪シロナ
「大雪 シロナです…」
「学年は、留年した二年生です…」
シロナと名乗った女子生徒は、モジモジといた。
かなり恥ずかしがり屋な印象を持った。
神境虚無
「私は、神境虚無です。学年は、今年入学した一年生です」
須貝緑
「ちょ〜う!いい子じゃん!!」
「先輩である私が、色々教えてあげるからねぇ〜!」
興奮した様に、虚無に抱きつき、頭をわしゃわしゃと撫でる。
虚無の顔に笑みが浮かび上がる。
こう言う経緯があったのちに、新入部員、虚無は、歓迎され、美術部に入部が決まった。
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こうして、簡易的な歓迎会を終えて、自主練を始める事になった。
虚無は、どの様な絵柄でも対応可能なために、まずは、虚無の実力を知るために、石膏像のデッサンを描いてもらった。
虚無は、30分ほどで、ある程度描き終わって描き終わった絵を見せる。
皆んなの目が、ポカーンとなる。
皆、虚無の実力が想像以上であり言葉が出ていなかった。
須貝緑
「待って、ここまで上手だとは思ってなかった…」
阿武野岬
「その言い方は、ないでしょう…」
須貝緑
「違う!違う!だって、予想してたのよ!」
「どんな絵が出来上がるのかな…って思ってたら、予想以上にすごいのが出来てるんだよ!?」
阿武野海人
「まぁ、確かに」
「僕が、世界一デッサン上手だと思ってたけど…世の中には上が沢山いるもんだな…」
バシッ
岬が、海人の頭を叩く。
阿武野岬
「流石に、自画自賛するわ!」
大雪シロナ
「あわわ…」
神境虚無
「えへへ、30分しか時間を掛けてないから…」
「まだ、描き終えてないし…それに、急いで描いちゃったから…下手だよ…」
そう、マイナスなことを言えば…
須貝緑
「そんなことはない!」
「それは、私が保証する!だから、そんな事は言わない!」
大雪シロナ
「そ、そうですよ!!」
シロナが、頑張って声を出す。
そして、部活動の時間も終わりが近づこうとしていた。
其処に、愛姫先生がやって来て、急いで帰る様に行った。
虚無も帰る直前に、愛姫先生にメールで一枚の絵を送ってから教室を後にした。
茨愛姫
「ふ〜ん、上手だね〜」
「相変わらず、騙すのが上手だね」
その言葉を、愛姫の視覚になる場所からしれっと聞いていた。
黒い髪色だが、毛先が赤い髪色をした男性教師の姿があった。
その教師の名は、「ワン・リーシャ」
学校の中でも、かなり厳しいと言われる2年生の担任だ。




