第一章 星々はまだ見ていない 第十一話 肖像画
翌日のお昼休みに入った頃
虚無は、一人、屋上に来ていた。
だが、虚無は屋上の出入り口の視覚になる場所に縮こまっていたスマホを開いていた。
スマホの画面には、「偽物の仮面」のSNSの画面が開いてあった。
そして、メッセージが届いていた。
内容は…
「こんにちは。お忙しい中、誠に申し訳ございません。」
「私は、老舗大企業正徳を運営している新島夫婦の執事です。」
「今回は、お嬢様の肖像画を描いて貰いたく、ご連絡をさせて頂きました。」
と書かれてあり、虚無は目が飛び出そうなほど驚いていた。
神鏡虚無
「はわわわ…」
「こんな依頼受けれるほど、私の絵は上手じゃないんだよ…」
虚無は、ゆっくり返事の言葉を書く。
「すみません。私は、肖像画という物に触れた事がありません。」
「それに、私がお嬢様を美しく描けるかなんて、保証出来ません。」
「その為、依頼はお断りさせてください。」
と、返事を書いて送信した。
返事は、5分もせずに届いた。
返事
「それは、実に残念ですが、こちらもあまり譲れません。」
「それと、依頼の肖像画については、貴方の絵柄で描いて貰いたいのです。」
「お嬢様は、貴方の絵をとても気に入っております。その為、今回、この様なご依頼をさせてもらいました。」
「何卒ご検討をよろしくお願いします。」
と書かれてあった。
虚無は、頭を抱えてしまう。
相手方は、諦める気は更々ない様だ。
ガチャ
屋上の出入り口が開く音がした。
虚無は、急いでスマホの電源を切った。
それは、自分の正体がバレそうだからだ。その様な事は、絶対に会ってはならない。
足音が、虚無のいる方に近付いてくる。
虚無が、ビクビク震えていると…
やって来たのは、時だった。
時は、少し寝ぼけている。
蓬莱時
「虚無ちゃん、そろそろお昼休み終わるよ」
「今日は、掃除の時間も無いから一緒に、学校の近くの駄菓子屋に行こ」
神鏡虚無
「えっ、あっ…」
時が、虚無の背中に回ると、背中を押して屋上を後にする。
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教室では、既に美紗都や楓牙が帰りの準備をしていた。
虚無も時に背中を押して席まで案内すると、才が自分自身の席で能力歴史学のドイツ語版をスラスラ読んでいた。
才が、2人が来たことに気付き、顔を上げる。
一ノ瀬才
「どうか、されましたか?」
神鏡虚無
「えっと…」
蓬莱時
「私と虚無ちゃんの相談に付き合って〜」
一ノ瀬才
「?…分かりました」
才は、少し訝しんでいたが、快く承諾した。
そして、帰りの挨拶も終わり、才、虚無、時の3人は、近場の駄菓子屋にやって来た。
駄菓子屋の外には、ベンチがあった。
3人は、駄菓子屋で軽くお菓子を買ってそのベンチに座る。
蓬莱時
「ねぇ、才くん」
一ノ瀬才
「なんですか?」
蓬莱時
「虚無ちゃんの事どう思うの?」
一ノ瀬才
「えっ?」
「……まぁ、大切なクラスメイトですよ。それに、とってもお優しい方…ですかね」
神鏡虚無
「そ…そんな…其処まで言わなくても…」
一ノ瀬才
「いえ、それくらい言っても過言ではありません」
「出会ってから、3週間ほど経ちましたが、貴方はとてもお優しい方です」
虚無は、顔を真っ赤にして両手で顔を隠している。
かなり恥ずかしそうであり、褒められ慣れてないと言うのが丸わかりだった。
そして、時が口を開く。
蓬莱時
「ねぇ、虚無ちゃん」
神鏡虚無
「なんですか?蓬莱さん」
蓬莱時
「‘ 偽物の仮面 ’って知ってる?」
神鏡虚無
「し…知らない!そんな人知らない!!」
一ノ瀬才
「知ってますね」
神鏡虚無
「知らない!!ほんとに知らないもん!」
一ノ瀬才
「蓬莱さんは、「偽物の仮面、知ってる?」と聞いています。でも、貴方は「人」だと当てています」
神鏡虚無
「うぐっ…」
一ノ瀬才
「それに、私の“真実を見抜く能力”です」
「私には、嘘は通じませんよ」
神鏡虚無
「うぐっ…」
蓬莱時
「まぁ、未来視してる時にスマホの画面を見えちゃったし」
神鏡虚無
「えっ…」
蓬莱時
「“ 偽物の仮面 ”なんでしょ?」
時は、下を向いてしまう。
才は、少しだけ驚いていた。だが、それと同時に納得していた。
蓬莱時
「別に言いふらす気はないよ」
「でも、お仕事の依頼受けてもいいんじゃない?」
一ノ瀬才
「私もいいと思いますよ」
「学校側に報告は、必要ですが…あの先生の態度では…」
蓬莱時
「学校側は、多分ダメだから、やっちゃいな!」
「責められた時は、私たちも一緒に怒られてあげるし!」
一ノ瀬才
「そうですよ」
神鏡虚無
「はい!私、この仕事の依頼受けてみる!」




