80章 クラスTシャツ
中学の頃、クラスTシャツを作る文化があった。
クラスの人の名前を羅列したシャツを業者に発注し、
皆で着て写真を撮る、というのが流行っていた。
教室で写真を撮り、黒板にも名前を書きハートで囲ったりしていた。
うちのクラスでもあった。
ただ、俺には作るという話は誰にも回してこなかった。
―そして案の定である。
届いたシャツに俺の名前はなかった。
こういったものは学校が主導でやるものだと思っていたので、省かれた事に驚いた。
奴らに差別されるのではなく学校でするのかと。
教師も許したのかと。
しかし金も徴収されていないので(他の奴がされていたかも知らない)
俺は特に文句を言う権利はなかった。
そもそも別にその「輪」に入りたくもないので
ふーん、省られたんだ。またか。
としか思わなかった。
どういう経路で全員頼んでいたのか知らないが
今なら裁判を起こせば勝てたのかな、と10年ほど前に思った。
というかいくらでも勝てそうに思った。
しかし奴らのことを考えると吐き気がする。
奴らと再び対面したらおそらくその場で気を失うだろう。
自分の弱さに悲しくなった。
特に引っ越しなどはしていないが、35歳の今でも奴らに遭遇しないのは奇跡だと思う。
もし今後遭遇したら…考えたくもない。




