74章 檻
当時、スポーツなどもできる大きなゲームセンターが出来始め、流行っていた。
俺は奴らにそこに連れていかれた。
奴らの「遊び」はめちゃくちゃだった。
ボウリングスペースではボールを床に投げつけ、
お菓子を救うUFOキャッチャーのような道具は思い切り揺らし、
メダルゲームには俺から奪った10円玉などを入れ詰まらせていた。
こいつらと一緒だと思われたくなかった。
ただ、周りの客も奴らと似たようなものだったのか、誰も気にかけたり通報はしなかった。
その施設の奥のほうにはバスケのコートなどがあった。
「バスケをやろうぜ」
奴らが言う。そして奴らは勝手に始める。
…がすぐに飽きたようだった。
そしてボールを俺に投げ始める。
俺は避ける。
「おい!」
奴らが怒鳴り、俺は大きい怒鳴り声が嫌で歯を食いしばり目を伏せた。
そして次はわざと当たった。
何度も当てられても俺は黙った。
そのうち奴らは体当たりやドロップキックや肩パンをするようになった。
俺は踏ん張るも吹き飛ぶ。
バスケのコートは暗い室内で金網で区切られていた。
まるで檻だった。
金網に跳ね返されるたび大きい音と笑い声が響く。
そのうちギャラリーができ始める。外から丸見えなのだから。
しかし誰も注意しない。
笑いもしない。
通報もしない。
ただ見ているだけ。
動物園で特に感想もなく見て回る奴らのようだった。
俺は奴らのストレス解消だか何だかわからず
周りの奴も何を思って見ているのか分からず
ただ一人で「俺はみじめだ…」と思っていた。
時代がもし今なら…スマホで動画でも回されていたのだろうか。




