69章 「いい子」
俺は中学の頃の給食の時間が嫌いだ。
班で机を合わせる。向かいに奴らが来る。
女の奴らが、俺が見てもいないのに見られたと騒いだり泣いたりするので
俺は食べて即昼休みまで机に伏せていた。
それで俺は無視されて放っておかれる…はずだった…
しばらくそうしていたある給食の時間。
奴らが
「ぼく君が盗み聞きしている」
と言い出した。
こっちは聞きたくもない。
奴らはこうして何もないところに火を付ける。
それでも腹立たしいが、もっと嫌なことが増えた。
クラスの奴らがそれに乗るのだ。
奴らに入りたくない。もちろん俺の味方などしたくない。
―そこでクラスの奴らはこっそり机の下で俺の足を踏むのだ。
足を蹴るのだ。
俺は暴行などしていない。そう言いたげのように…
正面から誹謗中傷や暴行をされた方がマシ、とはもちろん言わない。
されるのが嫌に決まっている。
しかしこうした「いい子」達が「いい子の」まま奴らのような行為をする事に耐えられなかった。
きっとそいつらは「いい子」のまま高校に行き
「いい子」のまま大学生になり
「いい子」なので結婚したり運転免許や家を手に入れるのだろう。
そして幸せに一生暮らすのだろう。
―何もしていない俺が「悪い子」で
裏で暴行や誹謗中傷をするこいつらが「いい子」。
俺は神の存在を疑った。




