67章 ポール
中学の頃、俺はバレー部だった。
バレー部は体育館で基本やるが、その際にネットを立てなければいけない。
体育館の床には穴とそれをふさぐ金属があり、それをめくり穴にポールを入れて立てる。
ポールやネットなどは体育館内の倉庫にある。
ポールはとても重く、一人では床を引きずってしまうので、二人以上で運ばなければいけなかった。
―ある日、奴らが俺を体育館に寝せた。
そして二人がポールを抱えやってくる。
―まさか。
俺の予感は半分的中した。
奴らは俺の上にゆっくりポールを置き転がし始めた。
俺の予想では上から手を放し落とす…というものだったが
流石に死ぬと思ったのだろう。
しかし転がされるだけでもものすごく痛い。
胸が締め付けられ息ができなくなる。
腹の上に乗っているときはうめき声も出る。
奴らの行動理由は全て分かっている。
俺の反応を見せ楽しむことだ。
だから俺は声や痛みをこらえ黙り続ける。
奴らはだんだん不機嫌になり
「お前死ねや」
となぜか俺に文句を言う。
そしてー奴らはやった。
ポールを俺の手の指の上に落としたのだ。
「ぐ…ああああ…!」
流石に声が出る。
奴らはそれに満足したのかポールを立てに戻る。
突き指のような症状になり、俺はしばらく指が辛かった。
痛むたびに奴らを反射で思い出してしまうのが嫌だった。
35歳の今でも深爪をしたり、指をぶつけると奴らがよぎる。
奴らを思い出すトリガーが山のようにある。
もう思い出したくない。辛い。




