66章 ホイッスル
部活はバレー部だった。
審判をベンチ外の者や後輩で持ち回りでやる。
俺は試合に出られず、ベンチにも3年間入れず、後輩にも
「お前がやれ」
と言われるので審判の回数が多かった。
俺は審判をやるのが嫌だった。
イン、アウト、ネットタッチ等俺がジャッジをすると
「おい、なんでだよ!ふざけんなよ!」
と毎回詰め寄せてくるからだ。
そこでしぶしぶ言われたとおりに覆すと
「お前ふざけんなよ!」
と相手側が怒鳴ってくる。
なのでどうしようもなく、聞かないこともある。
奴らは舌打ちしたり
「使えねぇ…」
と悪態をついたりする。
―そんなある日の部活中、また審判をやらされた。
―俺のホイッスルがない。
奴らの一人がニヤニヤしていた。隠したのだろう。
俺は先輩や奴らに
「笛が隠されています」
と伝えた。
切れだす奴ら。
俺に笛を貸したくないので探させる。
そのうちへらへらと隠したやつ奴が
「わりぃわりぃ俺だ」
と白状する。
しかしなんとそいつはそれで済んだ。
そして俺に全員の矛先が向き
「早く試合やれや」
と目を見開いて顔を近づけ恫喝してくる。
その日の部活はいつも以上に最悪だった。
そして帰りに笛を隠したやつに
「おめぇのせいだろうが」
と腹を殴られた。
俺が何をしたのか。どうすればよかったのか。




