59章 登録
―これは奴らに携帯に噛みつかれた話の少し前…
携帯電話を買ってもらった。
当時はガラケーが普及しだしたころで、俺は流行りから少し遅くなったが買ってもらった。
とはいえ親以外の連絡先はなかった。しかし皆持っていたので欲しいという子供のような理由はあった。
当時はゲームやアプリがないことはなかったが、月額で500円~1000円くらいかかり
(今どきは安く感じるかもしれないが「課金」自体が恐ろしいことだった)
誰が歌っているのか分からないカバー曲の着うたを聞くなどしていた。
―みんなが持っているという理由で俺も学校に携帯を持ち歩いていた。
そして俺は後悔した。
奴らにこれが見つかったらどうなるか…
いたずら電話を掛けられてしまうのではないか。
呼び出しを受けるのではないか…と。
しかし、それですらまだ俺は「甘かった」。
奴らは俺の番号を「悪用」したのだ。
俺から携帯を奪う。
暗証番号を暴力で聞き出す。
そして得た電話番号とメールアドレスを…
あらゆる有害サイトに片っ端から登録したのだ。
俺のもとに鳴りやまないメール。
鳴りやまない電話。
そして…止まらない請求。
当時は俺以外にも被害者がおり、少しニュースになったそうだ。
しかし、時代が時代だったので少しのニュースで終わってしまった。
35歳の令和の今ならどうだっただろうか。奴らを法で裁けなかったのか。
…今でも少し時代を悔やむ。




