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57章 肩パン
当時「肩パン」というものが流行っていた。
何かというと、言葉通り肩を殴る(パンチする)ことである。
忍耐力を試すものなのか何なのか分からないが、殴るほうも殴られるほうも馴れ合いのようなものでった。
―だが俺の場合は違った。
奴らは俺の反応を楽しむためにわざと強くしたり弱くしたりするのだ。
まずは奴らの一人が急に弱く殴る。
俺が手で払いのけたりすると、俺の反応を見て笑い出す。
無視すると怒り、助走をつけて殴ってきたりする。
反応すると奴らは笑うので、俺は飛ばされそうになっても無視をする。
どんどんエスカレートして奴らは何度も殴ったりする。
(やめろ)
俺は声に出すことが出来なかった。
反応が情けないのか…
恐怖なのか…
まるで「いじめ」を受けているようで恥ずかしいのか…
理由はわからない。
だが俺は被害者仕草をすることが出来ず(被害者なのだが)
ただ黙って流すことしかできなかった。
せいぜい手で払おうとするくらいである。
しかしそうすると俺が反応したことを奴らは楽しむ。
俺を音のなるおもちゃか何かだと思っているようだった。
俺はおもちゃになりたくなかったから黙り続けていたのかもしれない…




