39章 腰パン
当時腰パンというものが流行っていた。
ズボンをぎりぎりまで下げることである。
非常に歩きづらく不良のするものなので俺は好きではない。
しかしズボンをしっかり上げているもの。服をちゃんとしまっているものはダサいと言われていた。
―俺は奴らにズボンを無理やり限界まで下げさせられていた。
「きもいから上げんなや」
と言う。
とても歩きづらく、ズボンがずり落ちないようによたよたした歩き方になる。
それを見て奴らが笑う。
そしてついに女子の前で―
奴らが俺のズボンを一気に下した。
俺の下着を見て泣く女子。その女子をかばって俺に怒鳴る女子。
泣きたいのはこっちだ。
怒鳴りたいのはこっちだ。
そして俺は「女子の前で露出をした」ということで個別指導を受ける羽目になった。
奴らからは口止めをされていた。
しかし俺が露出したなんて言えない…!
退学…?
補導…?
逮捕…?
もう親を悲しませたくない。
俺はなんとか
「偶然落ちてしまった」
と言い続けるしかなかった。
「腰パンなんてみっともない事やってるからだろう」
と生徒指導の教師に怒られる。
俺だってみっともない事だと思っている。
結句親は呼ばれなかったが、奴らに
「女子の前で露出をした変態」
という口実を与え、関係ないクラスの奴らからも「正義の注意」を受け続けることになった。




