25/41
24章 リコーダー
俺は朝誰もいない教室でリコーダーの練習をしていた。
俺は音楽が好きだ。
将来はゲームクリエイターや作曲家や絵師やプログラマーやシナリオライターになりたかった。
なので本気でやっていた。
奴らの一人が入ってきた。テスト前だからお互い部活がないはずだが。
後ろに奴の彼女のような女がいた。
なるほど。そういうことか。
誰も来る前に教室でいちゃいちゃしたかったわけか。
みっともない。だらしない。
そして奴は俺に威嚇するように、女に見せつけるように
「ピーピーうるせんだよ!」とリコーダーを弾き飛ばし俺の腹を殴った。
信じられない。女の前だから強気なのか。
「えーぼく君かわいそうだよ~」と女が言うが口は笑っていた。
「お前朝からピーピーうるせえんだよ!」奴はリコーダーを蹴り飛ばす。
俺の音楽まで、また好きなものまで馬鹿にされ否定された。
俺よりも体格が小さいのできっと殴り合いすれば勝てるのだろう。
しかし俺の体は動けなかった。
俺は黙って廊下に転がっていったリコーダーを拾いに行き
奴に踏まれたリコーダーを口につけたくなく…それは何度洗ってもダメで…捨てた。




