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プロ・エピローグ

「間一髪でしたね、りん。まさか私も助けて頂けるなんて思ってもみませんでしたが」

「あなたがいなくなれば宮子先輩が悲しみます。……それに、私も。もう少し冷静に判断してから行動に移してもらいたかったのですが」

「そうも言っていられない事態に陥ってしまっているのですよ、私たちは。だから笹暮利世もあなたに指示を出すのが遅れたのです。……ほら、来ましたよ」

「何を言って――」



 世界は、気付かない間に変わっていく。



「……できた、できたよ! 『身体を活性化する』能力が完成したよ、りんちゃんのお父さん! これで後は怜奈ちゃんの意識の回復を待つだけだね!」

「良くやった。しかし、少々遅すぎたのかもしれないな」

「……え? それって一体どういうこと?」



 ほんの些細な変化が連なってやがて大きな波となり、世界は知らぬ間にその波に溺れてしまっているからだ。



「アンドロイド軍団の全部隊が未来区を覆う防国壁へと配置に就いた。見ていろマリア、これから世界が一変する」

「……そう。……それより、本当に約束してくれる? 絶対にこの戦いに彼らを呼ばないって。これは人間同士の争いだから、これ以上彼らを巻き込むわけにはいかない」

「分かっているさ。そんな展開など起こる前に世界は俺たちの物になる」



 そしてそれに気付くことができるのはほんの一握りの人間だけだ。しかし、それが幸福であるのかは本人にしか分からない。



「どうだァ、クラッキング。未来区の外に居る奴らを全部ショートさせられるかァ?」

「無茶言わないでくださいよ斑さん。可能な限り対処してみますが大した期待はしないでください」



 その世界は人によってはあまりにも残酷で、生きることすら絶望してしまう可能性があるからだ。



「岡崎社長、私は正しかったのでしょうか。あなたのおかげで私は生きる意味を見出すことができた。……しかし、その道はあまりにも険しすぎた」

「神野社長、能力者軍団の全部隊の配置が完了致しました」

「……ご苦労。ⅠSコーポレーションの残骸供が攻撃に入り次第迎撃に当たれ」



 しかし、その絶望の中にこそ一際輝く希望があることをその誰もが知っている。



「あなたは確か、怜奈お嬢様のお友達の……」

「……お久しぶりです、二田さん。夜分遅くに申し訳ありませんが怜奈の部屋を見せて頂けはもらえませんか?」



 だから残酷に変わって行く世界はこんなにも美しいのだ。

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