入学式ってワクワクが最初に来るけど、途中でつまらなくなるよね?
入学式始まらないわ
俺の青春が始まる神大高等学校の異界化事件から時が経ち、とうとう入学式の日になった。
俺は鏡の前で身だしなみを確認していた。
あまり清潔感ないのもよくないって、我が女神に言われたのだ。
「よし、髪型よし、服装よし、忘れ物なし!」
「おにぃ!もうそろそろ行く時間じゃない?」
時刻を見るともうそろそろ行かなくては。
「渉〜、お母さんたちもあとから行くからね〜」
「あいよー」
カバンを持ち、家から出た。
が、目の前の空間が歪みだし、2人の女性が現れた。
「おはようございます。渉さん、どちらにいかれるのですか?」
と、黒髪の女性
「よう、おはようさん、渉、お…私達も元の世界に戻りてぇんだ。なんか進捗ねーのか?」
と金髪の女性
黒髪の女性は、見た目はクールな文学系美人といった様相で、知的な印象が強い。そして、胸がとてつもなく大きい。
金髪の女性は、ザ・ギャルといった様相で勝気な印象だ。こちらは出るところが出るモデル体型であり、父親が好きそうな服装をしてる。
「おはよう、ヒフミさん、輝子さん(てるこさん)。今から、入学式なんだ。元の世界に戻る方法はまだ見つかってない。アザトースさんも探してくれてるからもうしわけないですが、待ってください。」
「そうなのですね、ご入学おめでとうございます。」
「お、新たな門出だな、めでてぇ。」
「ありがとうございます」
「そうか、まだ、見つかってねーのか。元の世界に戻っても収監されて、人間共のくだらねぇ実験に付き合わされるだけだろうが、お…私の事を気にかけてくれた奴がいるんだ。そいつに迷惑はかけたくねーから早く戻らねーと」
「そうですね、私にも待っていてくださるお方がいます。あの時の事故は、故意的なものでは無いとこの姿になって落ち着いたことにより理解しました。怒り狂った私に対して、ずっと語りかけてくれた大切な方。早くお会いしたいのです」
ヒフミさんと、輝子さんはこの世界の人ではない。
異世界の人なのだが、実は人間でもないという。
彼女たちは、異世界では人智を超えた超常的物質、事象、存在なのだという。
異世界では収容されてたらしく、ある日普段ならありえないが目の前が暗転したという。そして、視界がクリアになった時に人間の姿でここに居たという。
とある時空の狭間の解体時に、倒れてた2人を保護したのが出会いのきっかけであった。
最初は警戒してこちらに攻撃をしてたが、何度か制圧することにより落ち着きを取り戻し何があったか教えてくれた。
人間という姿を取ったことにより、考えるという事をすることになり、元の居場所へと戻りたいという願いが生まれた。
色々会話していく中で、この世界が自分たちのいた世界でないと分かり、元の世界にもどる方法を一緒に探すことになったのだ。
2人の名前は偽名であり、真名があるにはあるのだが、彼女たちの元の世界では、識別名的なのでカテゴライズされてるぽく人の名前に向かなかったために、マイエンジェルが命名したのが「ヒフミ」と「輝子」なのだ。
「そういえば、最近お見かけしませんでしたが何をなさってたのですか?」
「渉さんにお話したことがあると思うのですが、この世界に私たち(わたくしたち)の存在を冒涜するような虫酸の走る気配がより存在感を放つように感じまして、調査しておりました」
「ある程度、エリアを絞れたんだがお…私たちの存在を感じると気配が消えて場所の特定が出来ずにいたってところだ」
「俺の方でも監視しておきます」
「お願いいたします。もうそろそろ我慢の限界なので、潰したいのです」
ヒフミさんはホホホと笑っているが殺気がとてつもない。
輝子さんが俺の耳に顔を寄せて小声で話しかけてきた。
「ヒフミは、あーみえて辛抱強くはないから出来るだけ早く見つけてくれ…。私が言うのもあれだが怖ぇ」
「わかりました…。優先事項として仲間内で話しておきます…。」
「頼む…。私の平穏のために…。」
ヒフミさん
登場の仕方から察せると思うが、この世界の人ではない。名前の由来は、彼女の真名から文字って語呂のいいほかの組み合わせの結果であったりする。
ヒフミさんは、これでも元の姿よりかは辛抱強くなったらしいがそれでも限界を迎えるととてつもない速さで首を折ってくるのだ。
これは人智を超えた存在故の異能らしい。
落ち着いてる時は、人懐っこい笑みを浮かべて色んな人と交流をしており、本人の元の気質なのか、ホイホイとナンパについて行ってるのを見かけたりした。
その度に、ヒフミさんを引っ張って逃げたりするのだが、本人がほわほわしてるからか「大丈夫ですよ〜」としか言わないのだ。
輝子さん
ヒフミさんと同じく、この世界の人ではない。
名前の由来は、真名から文字って女の子ぽくした結果。
輝子さん曰く、真名を聞き取れなかっただけでしょとのこと。
輝子さんは、元の姿よりかは落ち着いてるらしいが極度の恥ずかしがり屋で顔を見られたら、その相手を殺すまで追いかけ回すほどの恥ずかしがり屋だったという。(本人談)
写真に写った顔を見られたという所まで感知できるらしくその写真を見た人さえ殺してたのだという。
今は人型でギャルという様相になってから気にしなくなったのだが、元の姿の顔はやっぱ見られたくないらしくこの世界にいると思われる自分の元の姿の奴を早めに抹殺したいと思ってるとの事。ただ、偽物の顔を見たからといってこの世界の人を殺すつもりはないらしく、あくまで無断で元の姿を使ってることにイラついてるらしい。
ちなみに、最初一人称が俺だったのだが、女性らしくないとマイエンジェルがご立腹になり異能をフルに使ったお話(折檻)がトラウマとなり、私っていうように矯正中なのだ。
輝子さんは、空間に作用する異能と怪力の異能を持つ。
輝子さんは、どんな距離にいようが目的の人物の目の前に移動してくる。また、どんな重量あるものでも軽々と持ち上げるほどの怪力であるのだ。
そしてありがたいことに2人の能力は怪異に有効で彼女たちも怪異狩りの手伝いをしてくれてる。
ヒフミさんが腕時計を確認し
「あ、渉さん。引き止めてしまい申し訳ございません。時間が危ないかと思われるので、学校に行ってください」
「あ、すまねぇ。時間気にしてなかった。気をつけて行ってこいよ」
「あ、本当だ。では、失礼します!」
ヒフミさんと輝子さんは手を振って見送ってくれた。
まだ少し余裕はあるが、早く着くにこしたことはない。
俺は急いで神大高等学校へと向かった。
ーヒフミサイド
「行きましたね」
「ああ」
「神大高等学校。おそらくあの周辺でしょうね。あれがいるのは」
ヒフミが冷えた声で淡々と言う。
「そうだな、渉と真由が通う学校に潜んでる可能性があるのか」
「ええ、この手の弱者は、姑息な手を使うものです。渉さんや、真由さんには対処が難しい場面も出るでしょうし」
「ああ、そうだな」
「渉さんか真由さんが起点となり、出てきた時は、私たちでヤリましょうか」
「そうだな。元の世界に戻るための方法として、アザトースから聞いた可能性…。私たちの皮を被ってる奴がいるせいで元の世界に戻れない」
「それも1つの原因だとは思いますが、他にもあるでしょう。数多の人智を超えた存在、物質、事象がある中、私たちが意識を持って人の体を得てるのには意味があるはずです。アザトースさんの観測の結果、私たちの世界を含めてこの世界に情報を盗られてる世界は例外なく時間が止まってるとのことですし」
「そうだったな、元の世界に戻りたい。という願いは本心だがその前にこの世界の異常を止めなければ、異世界諸共未来はない」
「ですね、少なくとも私たちの世界で迷惑をおかけしてる部分を解決するまでは帰れませんね」
「ああ。私は監視を続ける。やつはどうも私の能力の劣化ぽいしな」
「それをいうなら、私たちのでしょう。私と輝子さんの2人の皮を使ってるようですし」
ヒフミと輝子は、虫酸の走る存在というのがどういうものでどういった存在なのか知ってる。
お世話になってる渉たちに迷惑をかけたくないっていう理由と単純に皮を被ってる偽物に負けないため渉たちの邪魔をしたくないっていう理由もあり意図的に隠していた。
「できれば接触される前に潰しておきたいですね」
「ああ、この世界の人間からすると相手しきれねーだろうが私たちからすると虫と変わらんしな」
「虫と言っても、めんどくさい害虫ですけどね」
「渉と真由の学校生活の邪魔さえしなけりゃいいがな」
「邪魔した時は…ね?」
年頃の女の子の会話としては、物騒であるが聞いてるものは誰もいない。
2人はサッサと終わらせて渉たちの手伝いをしようと考えてた。
後ろからドアの開く音が聞こえた。
結構話し込んでたらしい。
「あ、ヒフミさん!輝子さん!おはよう!」
美優が出てきた。
抱きついてくる美優を受け止めて
「美優さん、おはようございます」
先程の殺気が嘘のように消え、ほわほわした感じで挨拶する。
「おう、おはようさん。美優」
輝子も気さくに挨拶する。
「あ、いつも渉と美優がお世話になっております」
と神崎家のご両親が挨拶してくる。
「いえいえ、こちらこそお世話になっております」
「2人はどうしてここに?」
「用事が終わってここら辺に来てたから、顔を出しにきたの」
「ああ、ちょうど渉とも会ったからな。ついでに美優にも顔を出そうかと」
「久しぶりに会えて嬉しいな!そうだ!一緒におにぃの入学式に来ない?」
「もし、お時間あるのでしたらどうしでしょう?」
「お誘いありがとうございます。ただ、申し訳ございません。これからまた用事がありまして…。」
「すまんな。少し時間が出来たから顔を出しにきたんだ。またこれから行かねーと」
「お忙しそうですもんね、無理言ってごめんなさい」
「近いうちに顔出すから、その時に様子を教えてくれ」
「うん!」
「では、また」
神崎家を見送った。
「…入学式に襲うってありますかね…。」
「異能持ちやヴァルキュリアス使用者…。霊力持ちが大量に集まる瞬間を狙う可能性はあるな」
「監視しましょうか」
「そうだな」
空間の歪みを発生させ、消えた。
ー渉サイド
「おお…。ここにいるの全員霊力持ちか…」
到着早々、案内されたホールには、大勢の新入生や教師陣、また制圧部隊の人たちがいる。
壇上で見覚えのある人が、教師陣に囲まれながらも打ち合わせをしていた。
「あれは、生徒会長か」
神大高等学校の異界化事件の際に、出会った少女。
綺麗な外見で、生徒会長と呼ばれてたのは覚えてる。
「お、目の付け所いいね!」
急に肩を組まれて、驚いて後ろを見た。
「誰だ?」
「あ、すまねぇ。俺は海馬 健人。よろしくな!お前は?」
「俺は神崎 渉」
「渉!よろしくな!」
なんともまぁフレンドリー…。
これが陽キャか
「で、目の付け所がいいって?」
「ああ、近衛会長に熱い視線送ってたじゃねーか」
「そんな見てたか?」
「ああ」
「そんな見てたかぁ?」
そんな熱い視線を送ってたつもりは無いが…。
ふと生徒会長と目が合った。
あれ?こっちに手を振ってくれてね?
「あれ?知り合いなのか?」
「いや?」
「こっちに手を振ってくれてるじゃねーか」
反応しないのは失礼だと思い、こちらも手を振った。
生徒会長はふふと笑い、また打ち合わせに戻った。
「やっぱ生徒会長はいいねぇ」
「そうなのか?」
「え?近衛会長知らんの?」
「詳しくは」
「いいか、この学校の生徒会長は、近衛 美紅。容姿端麗、文武両道、誰にも平等に接してくれることからファンクラブがあるぐらい大人気なんだ。そんなもんだからよく告白されてる場面も見る」
「大変そうだな、生徒会長」
「まぁな。告白のせいで昼休み丸々潰れて食べ損ねたっていう逸話もあるぐらいだ」
「はっ!?それで?」
「あまりにも可哀想に思った担任がな、生徒会長は出席したということにして、お昼食べてていいっていう特例ができた。その後、昼休みの告白禁止の通達が出た」
「妥当だな」
「ああ、そのぐらい人気のある方なのさ」
「そんなにモテると同性に嫌われそうだが?」
「その告白してくる中に女子生徒もいる」
「すげぇ」
本気で尊敬した。生徒会長は、聖人君子なのだろう。
馬鹿な話で盛り上がっていると人が集まりだして来ており、とうとう入学式が始まるのであった。
どこかでこの世界観の用語集的な話の回作ります。
無駄に設定作ったせいで説明回みたいなの作らないと…。




