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初めて使う力って扱うの大変だよな。やりすぎて親に怒られるゾ!

過去の話って無駄に伸ばすと飽きるよねって思うの私だけ?

美少女の力により、止まっていた時間が動き出した。


「渉!!!!美優!!!!」


「逃げてぇ!!!!」


叫ぶ父と母の声。


「おにぃ!」


「分かってる!」


後ろにいる大鬼に対して、後ろ蹴りを繰り出す。

と同時にいつの間にか飛んできたお姉さん?が膝蹴りを噛ましていた。


力を思いっきり入れた訳では無いのに、俺の後ろ蹴りで大鬼の腹を蹴り破り、お姉さん?の膝蹴りで大鬼の顔が吹き飛んでいた。


「あれ?君は少年だったよね?」


「そういうお姉様は、もう少し慎ましいお姿ではありませんでしたか?」

(そういうお姉さんは、もう少し身長も低くって少し胸がちいさくありませんでしたっけ?)


「おにぃ、デリカシー皆無じゃん…。」


「って、なにかしらこれ!?」

(ってなんだこれ!?)


「目線が高くなった気がしたけど、本当に身長伸びたのね…。そして、少年が少女に…。」


「目の前で起こった事象とノンデリ発言で、混乱してたけど、おにぃがおねぇになってる!」


「やめなさい、その言い方だと語弊が生まれるわ。それにしても貴女も随分と成長して…」

(やめて!その言い方だと語弊がうまれる!それにしても、我が妹よ、成長しずきだ…。)


「えっと…。渉と美優なのか…?」


「渉と美優よね…?」


「ええ、私はあなた方のご子息であっておりますわ。」

(そうだよ、俺は母さんたちの息子だよ)


「うん、パパ、ママ。美優だよ」


「そうか…。急に光出して姿が変わったから驚いたよ」


「そうね…。渉なんて口調も違うし」


「あら、私は普通に話してるだけですよ」

(え?普通に話してるけどなぁ)


「おにぃ…。口調変わってるよ…。」


「そうだね、すごく変わってるよ…。」


「お姉様、私、普通に話してるわ…。」

(お姉さん、俺、普通に話してるつもりなんだけど…。)


唐突に殺気を感じ、奥の方を見ると、酒呑童子が怒り心頭の様子でこちらに向かってきていた。


「あら、泥人形が一丁前に可愛らしい気配を漂わせて来ましたわね」

(お、酒呑童子が殺気を漂わせて来たな)


「なら、私が先手を打つか」


「お姉さん、おにぃの方向に吹き飛ばして!おにぃは飛んできた酒呑童子を空中に蹴り上げて!空中で私が仕留める!」


「了解」

とお姉さんがいい、


「了解したわ。可愛い妹の頼みですもの。役目を努めさせていただきますわ」

(了解!妹の頼みだ!しっかりやってやるぜ!)


お姉さんが酒呑童子の方向へぶっ飛んだ


「あら、ノーモーションでこの加速力。流石です、お姉様」

(ノーモーションでこんなに飛ぶのか!?凄い!お姉さん!)


即座に酒呑童子の背後を取るお姉さん。

「反応が遅いね」


酒呑童子が振り返ろうとした瞬間、お姉さんの蹴りが酒呑童子にヒットし、こちらに飛んできた。

防御が間に合わなかったようだ。


「来ましたわね、ふっ!」

飛んできた酒呑童子を寸分たがわず上に蹴り上げた。

酒呑童子が空中へ蹴り挙げられると、美優が待ってたかのように酒呑童子の上に乗った。


「さすが、お姉さんとおにぃ!これで消え去れ!」

美優は、無数の触手を召喚し、酒呑童子を貫いた。

そのとき、普段の俺なら気づかないことをこの状態だと気づくようだ…。

空中で貫かれる酒呑童子。貫かれるってことは、下にいる俺達には、酒呑童子の血が降りかかるわけで…。


遠くにいたお姉さんは無事だが、俺と両親は降り注ぐ血に濡れた…。


「あっ!?ごめーん!!!」


「美優…。もう少し倒し方を考えてちょうだい…。」

(美優…。もう少し周りを見てくれ…。)


「ええ…。美優…出来れば私たちのことも考慮してくれると嬉しいわ…。」


「はぁい…。」


気がついたら近くまでお姉さんもやってきた。

「家族から聞いてた話なのですが、制圧部隊が建てた避難民キャンプがあるので、そこまで向かいましょう」


「ええ、そうね。」

(そうですね。)


「私が先頭を行くから、おば様たちを妹ちゃんが守って。少年は、後方で警戒を」


「はい!」


「ええ、分かりましたわ。お姉様」

(了解です!お姉さん!)


キャンプ地まで、進行を開始した。

途中途中、怪異があらゆる所から襲ってくるが、お姉さんが蹴り飛ばし、顔を吹き飛ばす。俺が後ろから来る怪異に対して、冷気を浴びせて凍らせた。


最初は、蹴り殺していたのだが、何度目かの襲撃で、冷気を操れることに気づき、この攻撃方法に切り替えてた。


キャンプに到達する頃には、力を使い果たしたのか元の姿にみんなが戻っていた。


「生存者がまだいたのか!よかった!はやくこちらへ!」

部隊の人の案内の元、やっと安全地帯に来られた…。


やっと休めると言ったところで、遠くにいた少女がお姉さんに気づいたようで、こちらに走ってきた。


「お姉ちゃん!よかった!生きてた!」


「ごめんね、心配かけたわね」


話を聞くと、お姉さん達も避難のため、逃げ回っており、途中崩れ落ちた電柱で家族とお姉さんが分断された。

避難キャンプ地へ合流するということで、それぞれが別れ、移動してたところにちょうど俺たちが襲われてるところに出くわしたというのだ。


「そうだ。あのときがあのときで、自己紹介してなかったね。私は神代(かみしろ) 由佳(ゆか)。この子は、神代(かみしろ) 真由(まゆ)。よろしくね」


「よろしくおねがいします」


「俺たちもまだでしたね。俺は神崎 渉といいます。」


「私は、神崎 美優。よろしくね!」


自己紹介していると、奥から男女のペアが出てきた。


「由佳!よかった!生きてたんだな!」


「由佳!心配したわよ!」


お姉さんの両親らしく、お姉さんと力強くハグをしていた。


「パパ、ママ。心配させてごめんね。でも、生きてここまでこれたよ!」


お姉さんの両親は、お姉さんの安否をすごく気にされてたらしくお姉さんが無事で本当に良かったと思った。

その後、俺たちの両親とお姉さんのご家族が挨拶をし、当面の間、共に過ごすこととなった。


夜が更けて、周りが寝静まったころ、お姉さんと俺と美優はこっそりテントから抜け出して、人目のつかない空き地へと集合した。


「お姉さんと美優のところは大丈夫でしたか?」


「ええ、バレずに抜けれたよ」


「おにぃ、大丈夫だよ」


「よし、お姉さんおねがいします!」


お姉さんは、少女から受け取っていた笛を鳴らした。


『おお、やっと呼ばれた。渡した力でギリギリここまで来れたんだね』

目の前に少女が現れた。


「はい、そうです」


『そかそか、よかったよ』


「ありがとうございます。お陰でここまで来れました」


『私からのお願いを話したいんだけど、そこにいるのは誰かな?』


少女が指さす方を見ると、真由さんがいた。


「真由!どうしてここに?」


「お姉ちゃんが抜け出したのが気になって着いてきたの」


「私は大丈夫だから、戻りなさい」


「嫌だ!お姉ちゃんは私が守る!私が引き受けるからお姉ちゃんを解放して!」


「真由…。」


真由さんは、お姉さんのことが心配なんだろう。

あんな事があった後では、気持ちはわかる。


『まぁまぁ、人手が多いと助かるからこのまま話すね』


「ごめんなさい、お願いします」


『お願い事を言う前に、この世界に起きてることを話すね』


「おう」


『この世界にはね、滅亡の危機が迫ってるの』


「はっ!?」


『続けるね、原因はハッキリしていて、この世界と異世界(パラレルワールド)が交わってしまったことで、異世界の情報が流れ込んでしまいこの世界が処理しきれず崩壊しかけてるの』


「異世界?」

とお姉さん。


「異世界って、あらゆる可能性、あらゆる選択肢その中から選ばれなかった先の世界が複数存在し、各世界は他の世界を認知出来ないと記憶してますが、その異世界?」

と真由さんが聞いた。


『そうその異世界!異世界は存在するんだよね。その証拠となるのが私たちってわけ』


「どういうことです?」


『私たちは、異世界では旧神、旧支配者と呼ばれる者なの。居るところは様々なんで、私も探そうとも思わないとどこにいるか知らないんだけどね』


「旧神?旧支配者?聞いたことがない…。美優は知ってる?」


横に首を振る美優。

お姉さんや真由さんに聞くが、知らないらしい。


『それはそう。この世界で、私たちは存在どころか認知さえされてないんだから』


「そんなことある!?」


『そういうものだと思って。続けるね。私たちは、この世界の特異性もあり、無理に干渉することもしたくないので、意識的に認知しないようにしてたんだけど、突然強制的にこの世界を認知することになってしまったんだ』


あまりにもスケールが大きい話になってきたな。


『私たちは焦った。稀有な世界を私たちという存在の情報で壊しかねないから。そこで私たちは、協力するという形を取りこの事象の原因の追求と対処法を探すことになった。』


なるほど。だから、この少女がここにいるのか。


『原因が、時空の狭間という物がこの世界と異世界を無理矢理繋げて情報を流してるってことがわかった。時空の狭間を消すことで、流れてきた異世界の情報を消しされることもわかった。』


「なら、後は時空の狭間を消すだけでは?」


『それがそうともいかなくてね。1つの時空の狭間を消し去ったんだけど、異世界の私たちが時空の狭間に干渉できないようにされちゃってね。原因が、異世界から流れた情報である【聖杯】が邪魔するとは思わなくてね、私たちだけで解決ができなくなったの』


「なるほど…。」


聖杯。

万物の願いを叶える盃。燃料となる魂を満タンになるまで蓄えさせることで、願いを成就させるというイカれた遺物である。


『困り果てた私たちは、現地の人類に力を与えることで事件の解決を図ることにしたの』


「その選定基準は?」


『私との親和性の高い人』


「それはまた何故?」


『私たちは、人類が観測しえない領域の存在であるが故に知性のある生き物が、私たちを認知すると拒絶反応から正気度を失うんだよね。認識外からの敵対生物って思われるからね。それで不特定多数と接触すると正気を失って戻って来れなくなる人を増産する可能性があって、世界を守りたいのに、真逆のことをする羽目になるから人を選んでるってわけ』


初会合の時のあの、正気度が減る感じの理由がそういうことか


「あれ?っていうことはここにいる俺たちは…」


『私との親和性が高くて適材ってこと!』


「だから、助けてくれたのか?」


『それはたまたま。現地民を見殺しにはできなくてね。たまたま見つけて、たまたま助けて、たまたま力を貸したら、たまたま親和性高かったってだけ!』


「あっ、はい」


『偶然ってあるんだね!』


「お願いって言うのは、時空の狭間を消すことですか?」


『そう。時空の狭間を消せば、この世界に存在しえない情報が消えて、私たちも元の認識の状態に戻せる!ついでに怪異の皮を剥がして、元の生物の状態に戻せる!』


「怪異はこの世界のものではないのです?」


『違う。怪異も異世界のものだよ。といっても、この世界に出てくる怪異は全て皮だけの偽物なんだけどね』


「信じられません…。怪異はあのようなものという認識でしたが」


『時空の狭間が消え次第、おいおい話すよ。』


「分かりました」


『で、お願いを叶えてくれる?』


「おう!」


「はい!」


「微力ながら、私も手伝います」


「ええ、もちろん」


『ありがとう。ついでで申し訳ないんだけど、探し神もお願いしたくて』


「探し神?」


『うん、この世界の記憶の書庫の管理者が行方不明ぽいんだ。この世界の記憶の書庫の管理者とコンタクト取りたかったんだけど行方不明でね。私が何故か緊急時の管理者になってしまったのもあって早めに引き継ぎしたいんだ』


「わかった。時空の狭間の対処と同時に探すよ」


『恩に着るよ。さて、もうそろそろ夜も開けそうだ。力を与えるよ』


今度は、真由さんを含めた四人に力を与えてくれた。


『時空の狭間は全部で65個あることが分かってる。そして、そのうち5個を私たちが壊した。残り60個お願いね!』


「「「「了解!」」」」


『20個壊した辺りでまた呼んでくれると嬉しいな!』


「わかったわ」

と、お姉さんが言った。


『君たち3人に与えた力は先程と一緒。新しい君は操作系。あらゆる生物を操れるよ!でも、やりすぎると凄いことになるから注意ね…。』


「わかった」

と真由さん。


『では、またね!』

そういって少女はまた消えた。

消えた空間を眺めていると


「お姉ちゃん…。夢じゃないよね…。」


「そうね、これはれっきとした現実ね」


「まずは時空の狭間20個の破壊を目指そう!」


「でも、時空の狭間ってどんな形なの?」


「「「あっ…。」」」


『それにつきましては、私がサポートします』


「誰?」


『私は、主様よりあなた方のサポートの命を受けましたtaulu(タ・ウル)と申します。』


飛び出す俺とお姉さんのスマホ。勝手に喋りだした。

普通に恐怖である。


「貴方を信じて大丈夫なの?」


『お任せ下さい。時空の狭間を感知次第報告いたします。』


「あの少女が遣わしてくれたと信じよう。俺達には、時空の狭間がどういったものか分からないし、タイミング的にもあの少女がなにかしたと思う」


「そうね、よろしくtaulu」


『その前に、我が主を少女呼びとは見過ごせません』


「と言われても、俺達、名前を聞いてないんだ」


『主様…。自己紹介抜けてましたね…。』


「えっと、その…。」


『申し訳ございません。これは我が主の過失です。我が主の名をお伝えしておきます。真名は人類では発言できないため、異世界で伝わっている名になる事をご容赦ください』


「わかった。俺達を助けてくれたあの子の名を教えてくれ」


『我が主は、宇宙の原初であり万物の王。通名、魔王と呼ばれる方…その名を』


思った以上の肩書きと物々しい言い方に絶句していた。

あの軽い感じの美少女がそんな危ない肩書きのやつだったとは…。


『アザトース』


こうして、俺たちは街の復旧を見ながら、臨時学校に通い、与えられた力を持って怪異と戦ったり、制御を間違えたり、学校生活で誤って殺気を立てた結果、友達消えたり何なりとした。

そして、現在へと至る。


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