↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/14

光

 結婚式の3日前のアリステアの部屋。

 

 庭の木々の影が緑の切り絵のように映る窓。乱反射するガラスから入る朝の陽光が、部屋の隅々まで明るく白く光り輝かせている。

 

 天使の飾りがついた輝く鏡に映る私は…アリステア·エルヴェリア18才。

 白い肌に、母に似た顔とクセのあるブロンド。何より目立つのは、透き通るようなエメラルドグリーン色の左目と輝くサファイアブルー色の右目だ。

 湖の碧と森の緑の瞳と言われている…。

 

 私の後ろ、鏡の中に映る部屋は、薄いラベンダー色の小花柄の壁紙。花束の飾りがついたシャンデリアと、猫足の花柄ソファに座る可愛いぬいぐるみ達と花飾りがついたレースの天蓋ベッド。

 全てを…大好きだったお父様が、私のためにしつらえてくれた大好きな私の部屋。

 その大好きだったお父様は、1年前に病気で亡くなってしまって…(虚無)

 お父様が亡くなると、優しかったお母様の性格も…別人のように冷たく変わってしまった。


「失礼します」

 ノックの後に入ってきたのは、侍女のエミィ。私より少し年上で、栗色に近いストレートの髪。水に濡れてもストレートの髪…。

 エミィは私の専属の侍女で、他の侍女達も優しいけれど、特別に気があっていた(個人感想)


「お嬢様。今日もルドルフ殿下から朝の花束が届いていますけど…どういたしましょうか?お部屋にお持ちしましょうか?」

 名前を聞いただけで、心臓が恐怖でキュッと縮む感じがする。

 大体、同じ城にいるのに…朝から届けてこないでよ。手渡されるのも鳥肌レベルだけど。

「いいえ。隣の部屋に置いておいて」

 お父様が作ってくれた部屋に、殿下からの贈り物なんて置きたくない。

 5年前、いきなり現れて結婚を申し込まれた…(ため息)

 両親も年齢差のこと(15歳差)や、ルドルフ殿下の噂で難色を示していた。だけど、国益を考えれば断わり切れるはずもない。

 グズグ延ばしてはいたけれど…。

 2年前にお父様が病気で倒れてからは、一気に結婚話がまとまって…。

 今年になって…お父様の1年の喪が明けた来週に挙式になった。

 お母様が変わってしまった…。


 エミィ達に朝の身支度を手伝ってもらっている時に、1人の侍女がぼんやりしていて具合いが悪いのかと心配になった。

「どうしたの?体調が悪いの?無理はしないで休んでいた方がいいわよ」

 髪を梳かしていたエミィがすかさず、小声で答えた。

「アリス様。彼女はルミエールから来た騎士団のレッド様が気になっているんです。私はカナン様の方が好ましいと思いますけど…」 

 言って、エミィの手が一瞬止まった。多分に私への遠慮からだろう…私への配慮なんていらないのに…。

「レッド様やカナン様って…どんな方達なの?」

 単なる好奇心。

 手に入らない乙女心への好奇心。

「レッド様は背が高くて濃いブロンドで、優しい方らしいですよ。カナン様は金髪で、明るく良く笑う方です」

 エミィったら気のない感じで話すけど、レッド様は噂話の話で、カナン様の事は良く見てるって内容の話ね。


 じゃあ、私の部屋の下を通って行く騎士団の方達。時々、聞こえてくる笑い声や、会話の中の「レッド様」笑顔が印象的な「レッド様」は、彼女達が話す人達の事。

 今まで知らなかった温もりが心を覆い、激しく温かく包み込まれていく気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。