光
私にとっては命がけの話だった。
…誰もが黙っていた。
私が話し終わったのを見届けた。
…であろう…団長が言葉を選びながらも、ゆっくりと返事を返してくれた。
「先程も言った通り、私達は中立の立場です。アリステア嬢が公主の死に疑念があるなら調査しなければなりません。とにかく、ここにいては危険です。ご要望通りにレッドにルミエール国まで送らせましょう」
ルミエール国と聞いて驚いた。
「レッド様」と聞いて、動揺。を悟られないように平静を取り繕った。
「いいえ。ルミエール国までなんて…ここから出れればいいので途中の街までお願いします」
(ルミエール国なんてとんでもない。敵陣じゃないの…!あっ!もしかして、ルミエールの牢屋まで送りましょうね…って事?)
私がモヤモヤと考えていたのが知れたのか、団長は更に優しく言葉を繋げてくれた。
「何か不安に考えておられるみたいですが、エルヴェリア国はルミエール国にとって最重要な国です。そしてアリステア嬢は公主様の血を引く公女様です。我々は何があってもお守り致します」
つまり、ルミエールのためにエルヴェリアを守る。と、云う事なのね。
「わかりました。お願いします」
団長は頷いた後に、「レッド様」と回りの騎士様達に合図を送った。
「さぁ、誰かに気づかれない内に馬車にお乗り下さい」
いつの間にか、近くに馬車が待機していた。
「あの、エミィも…」
「急いで」
団長の呼びかけにエミィも馬車まで走り込み、最後に「レッド様」が馬車に乗ると、馬車は勢い走り出した。
城は、骨組みを揺れ動く赤い炎に任せ、黒い夜空に黒煙を吹き上げている。
風を切り、徐々に遠くなる城。
エミィも感慨深そうに窓の外を走る景色を観ている。
馬車の中には、私と「レッド様」とエミィ。
無言で窓の外を眺める「レッド様」
「あの、巻き込んでしまって…申し訳ございません。これ以上ご迷惑はかけれませんので、やはり私達の事は、その辺で降ろして頂ければと…」
キリッとこっちに振り向き「レッド様」は言った。
「迷惑などと二度と言わないで下さい。お二人ともにルミエール国の大事なお客様です。何か失礼があれば遠慮なく言って下さい」
言った後の「レッド様」の笑顔が美しい…。
「レッド様…」
「様は外して下さい。レッドとお呼び下さい」




