FILE41・作戦はカレーと共に
「でさぁ・・・」
翌日。
残り物のカレーをさらに入れていた悠に、錬が不満そうな声を上げた。
「何?」
「何で、僕がまた女装なの?」
悠にばっちり化粧をされた錬が、口をへの字に曲げた。
「そりゃ、正体隠すためでしょう?この間と化粧も変えてあるから、絶対ばれない」
自身満々で答える悠だが、錬は不機嫌そうにカレー皿を受け取る。
「まぁ、上手くいけば問題ないじゃない?」
「・・・」
納得していないようだけれども、渋々というようにカレーをほうばる。
「で、どうやって忍び込むんだったっけ?」
階級一の工作員が体験工作員に作戦を聞いた。
「ん」
悠はそれだけ言うと、A4サイズの紙を渡す。
「んーと・・・」
錬はカレーを食べる手を休めず、内容を読み返した。
「OK」
読み終える頃には、山盛りだったカレーがなくなっていた。
「じゃ、行こうか」
「うん」
錬の頭の中には、すでに自分が女装をしていることは消えている。
悠は錬の口の端についたカレーを拭い取り、立ち上がった。
「私は間違っていない」
馴玄はその台詞を何度も繰り返した。
自分は間違ってはいない。
だから、大丈夫だ。
「そうです・・・あなたは間違っていない」
山沢は馴玄の言葉を復唱する。
「間違ってない」
そして、山沢の目が怪しく光を放った。
「だから・・・自信を持ってください」
「あぁ、そうだな」
馴玄は山沢に笑ってみせる。
山沢の異変には、一つ足りとも気付かない。
「では、私はこれで」
笑みを浮かべた山沢もその場を離れた。
「クククク・・・」
自然に笑いが高笑いに変わっていく。
「そう・・・あんたは間違っていない・・・そのまま、突き進んじまえ・・・」
そして・・・
「死んじまえ・・・クククク・・・クハハハハハ・・・」
山沢は狂ったように笑いつづけた。
久しぶりの更新です
ここのところ、別の小説ばかり手をつけていたので、これからはこっちにも手を伸ばしていきたいと思います。




