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SPY・KIDS  作者: 奏良
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FILE3・好奇心

私は時々思う。


好奇心なんていらないって。


特に、今日は思った。


好奇心なんて、必要ないと・・・。


私は走りながら思った。

いつもは静かなはずの裏路地なのに、今日は妙に騒がしい。

どこからか、怒鳴り声が聞こえてくるのだ。

「・・・なん・・・ろ・・・が!」

走れば走るほど、声は近づくようだった。

そして、旧車工場、現ぼろぼろの廃棄所の中から聞こえてくるものだと気づいた。

私は頭の中の天秤に「学校と美歌の怒り顔」と「好奇心」を乗せた。

「好奇心」のほうの皿が、勢いよく下に降りる。

・・・。

私は好奇心に押されるまま、廃棄所の中へと進んだ。


「おい、立てよ!」

中での光景は、ひどいものだった。

傷だらけの黒縁めがねの男の人・・・いや、男の子だろうか・・・が、

四方をギャング系の男の人に囲まれ、汚らしい廃棄所の床に横たわっている。

「お前、あれなんだろ!秘密何たらかんたらで、俺たちのあれ探ってたんだろ!」

「な・・・んの話で・・・すか・・・?」

黒縁の男の人は、それでも尚質問に答えている。

きっと、しゃべっているだけで精一杯なのだろう。

私はその痛々しげな姿を積上げられた金属製の箱の隙間から見ていた。

「ふざけてんじゃねぇ!」

「や・・・やめ・・・」

私はその光景が、人事に思えなかった。

前にも言ったと思う、私の両親と兄は、酔っ払ったギャング系の男に刺殺されたと。

しかも、私の目の前で。

あの頃の悔しさと、悲しさ、父と母と兄の姿が、今現在にまさに重なって見えた。

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