FILE37・目覚めと特別部隊
「・・・う・・・ゆう・・・悠!」
「ん・・・?」
だんだん視界がはっきりしてくる。
「よかった・・・目が覚めたんだね・・・」
「あれ・・・錬・・・」
私はどこかのベッドに寝かされていた。
「目が覚めたか」
見知らぬ声に振り向くと、救急箱を持った男の人が立っている。
「あ、この人は、工作員救助部隊Aランクの大野渉。通称わたるン。悠の救護をしてもらったんだ」
「あ・・・どうも、ありがとうございました」
私は慌てて起き上がろうとしたが、体は言うことを聞かなかった。
「無理はしなくてもいい。切れている血管をふさぎ、傷は縫った。近いうちに救護部隊をまた呼んで抜糸をしてもらうといい」
「すいません」
「いや、部隊としての任務を遂行しただけだ」
そう言って、大野さんは錬の肩をぽんとたたいた。
「無理はさせるな。それから、おまえも疲れてるときはちゃんと休めよ」
「わかった。じゃあ、わたるンもがんばってね」
「その呼び名は止めろ」
大野さんは、部屋のドアを開けて外へ出た。
「はぁ・・・」
錬が隣のベッドに座る。
「錬、ゴメン」
「何が?」
「いや、錬だって、酸欠で大変だったのに、私のほうが倒れちゃって・・・」
「全然、僕もう平気だし」
私はそう言って笑っている錬の顔を見て安心した。
「そういえば、工作所って救護部隊なんてあったんだ・・・」
「あるよ。あと、情報部隊ってのもある。いろんな情報源から情報を収集するんだ。
言われれば、本部だって特別部隊だよね。指令塔みたいな・・・」
「ってか、錬とかみたいな人と、特別部隊って、格付けの仕方違うんだ・・・階級とランク・・・」
「そこはついちゃダメだよ」
そんな会話をしていて、私はポケットの中身を思い出した。
「あ、これ・・・」
怪我をしていない右腕を必死で伸ばし、私は錬に将捕の携帯電話を差し出す。
「何これ?」
「将捕の携帯。電話の相手の番号とか、わかるかもしれない」
「え・・・将捕の・・・?」
錬が携帯電話を受け取ったのを確認して、深い眠りについた。




