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SPY・KIDS  作者: 奏良
33/44

FILE32・敵の確信は、打ち砕くのみ

「・・・フ・・・フフフフ・・・」

不意に将捕が笑い出した。

「お、おい、将捕・・・どうしたんだ?」

「いいや、なんでもないさ、手乞(でこい)

支配人・・・手乞も怪訝な顔をしている。

将捕の笑い声はまだ続いている。

私は沈黙を守った。

「いくら私たちを倒しても、あの餓鬼は戻ってこないさ」

「どういうことよ・・・?」

私は静かに聞いた。

「どういうことだろうね」

将捕がクククっと笑った。

そこまで言われてはっとする。

あいつらを倒したら、錬の居場所が特定できない・・・。

「さて、われわれを倒すかな?」

「・・・」

言葉に詰まった。

こいつらを倒さないと、錬を助けられない。

でも、こいつらを倒しても、錬を助けられない。

どうすれば・・・。

「フフ・・・それでは、われわれは行こうか。どっちにしたって、あの貧弱スパイもそろそろ限界だろう。われわれがじかに手を下すことなんてないさ」

将捕がクククっと笑った。

じゃあ、錬は何か危険なところに・・・。

そして、思い出す。

錬は、こいつらと会話をしていたじゃないか。

つまり・・・

私はにやりと笑う。

「錬のこと、貧弱なんて言ったの、後悔させてやるよ」

「え・・・?」

手乞が一歩身を引く。

将捕も怪訝な顔をしていた。

「錬は、馬鹿で弱くてだめだめだけど、あんたの変装、見破ったんだからね」

私は一歩間合いをつめる。

「そっちがその気なら・・・」

将捕が顔に手を当てた。

べりべりと音を立てて、特殊名句と思しきマスクがはがれていく。

少林拳さんの顔の下から現れたのは、20代と思われる男の笑い顔だった。

「俺は、昔ちょっとなの知れた武道家だったんだ。ちょっとやそっとのことじゃやられない」

手乞が将捕の陰に隠れる。

私は体勢を低くとった。

「手加減はしないよ」

そういって将捕が高めに構える。

「してもらわなくても、結構よ!」

将捕が一気に間合いをつめてきた。

「さて、その言葉、後悔に変えてやろうか?」

「こっちの台詞ね」

足が高々と伸びてくる。

私は手を突き出した。

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