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SPY・KIDS  作者: 奏良
29/44

FILE28・きっかけ

「悠、よく聞いてよ?」

錬は、そういって話し始めた。

「あの少林拳は、偽者だ」

「は?」

私は突然の発言に驚きを隠せない。

「な・・・なんで?」

「おかしいな、と思ったのは、本物の少林拳なら、体験工作員を絶対重役になんてしない。

それだけ、あいつは慎重な人間なんだ。体験工作員って、前にすごい失敗して、工作所潰しかけたことある奴がいてね、それから、少林拳はどんな人間であろうと体験工作員は信用していないんだ。それから、偽少林拳の行動を見ていたら、他にもおかしな行動があった」

「・・・」

「あいつは、少林拳って呼ばれると、どんな状況でも名前を訂正する。でも、偽少林拳は、訂正回数が真少林拳より、ありえないぐらい少なかった。

偽少林拳の電話、盗聴したことと、真少林拳に電話をかけたことが、確実な証拠。

偽少林拳の真の名は、将捕だ」

将捕・・・

私はその名前を頭で繰り返しながら、すごく驚いていた。

だだっこ錬も、やっぱり工作員なんだ。

ちゃんと、見るところは見てる。

錬を見る目が変わった瞬間だった。

「だから、部屋をいったん出て、麻薬の所持者まいたら、もう一度部屋に戻ってきてくれ」

私はその言葉にうなずいた。


私はさっき走った階段を駆け下りていた。

もちろん、足音を殺して。

「体験工作員。飛来悠」

不意に呼び止められた。

驚き振り返ると、そこには、まいたはずの男が立っていた。

「俺のことをまけるとでも思っているのか?」

「・・・」

それは、さっきのおびえたような声ではない。

私は、自然体のまま立っていた。

ここで騒ぎを起せば、錬の作戦に支障が出るかもしれない。

そう思ったら、思わず思考停止になってしまった。

「おとなしく、俺に従え」

男の手が伸びてくる。

十分かわせるが、私はいい事を思いつき、そのまま直立していた。

手が首に届く。

すさまじい握力のようで、すぐに息が苦しくなった。

でも、ボクシングの練習と比べれば、全く楽なものだ。

私はその手をつかんで、ねじった。

「ぎゃ!」

男が悲鳴を上げて手首を見る。

「残念でした」

私はそういいきって、手首を握った。

捻挫までは行かないが、少々痛みが続くかもしれない。

そう思いながら、再び歩き出す。

悠・・・

不意に錬の声が聞こえた。

聞こえた、というより、心に響いたというのが正しいだろう。

「・・・錬が危ない」

私はとっさにそう感じ、足音を殺したまま歩を早めた。

待ってな、錬!

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