FILE23・作戦は重要です。
デパミチは、夜10:00までオープンしている。
つまり、その後取引が行われているわけだ。
問題は・・・
「どうやって、取引の時間までデパミチに残っているか・・・」
少林拳さんが私たちを見て問う。
「しかも、あの取っ手の近くでなければいけないんだよね、少林拳」
錬が、風船ガムを膨らましながら、珍しくまじめなことをつぶやく。
なんだかんだって、結局全部の状況を聞いてたみたいだ。
「専門店に隠れても、シャッターが下りて、出られなくなるからなぁ・・・」
少林拳さんが手をあごに当てて、考え込む。
「でも、それなら、取引に参加する人は、どうやってこの場に残っているんだよ、少林拳」
「絵画の取引だ。恐らくビップだろう。店の管理カードくらい、持っているはずさ」
「じゃあ、どうやって取引に参加する人は、取引のある日の情報を入手するんですか?」
「それは、ラジオだよ」
「ラジオ・・・?」
私と錬は顔を見合わせて首をかしげた。
「このデパートの提供で放送しているラジオ局が、幾つかある。その中のラジオ局のうち一つだけ、番組の中で、ある日にちだけ必ず【絵画】の言葉を三回言うという情報がある。しかも、その単語を三回言う日は、深夜にこの店から出てきたの人たちを目撃した日と完全に一致している」
「つまり、ラジオで絵画と三回言った日は、取引があるということだね」
錬の言葉に、少林拳さんがうなずいた。
「今日の昼の放送にも、絵画が三回言われた。だから、私たちはここに配置させられた」
「そのとおりだ」
「なら、取引に参加してる人に混じってやれば良いんじゃないの?」
少林拳さんは、錬の言葉に首を横に振る。
「それは無理だ。取引に参加する人は、必ずあるチケットを持参している」
へぇ、さすが国家機密事業。情報収集は徹底してるな。
私は違うところに感心してしまったが、錬はガムをかむことすら止めて真剣になっている。
錬・・・?
私はその様子がどうも気になったが、黙っておいた。
やっと錬もやる気になったんだし・・・。
私はそう思ったが、見当違いだったことに気づくのはもっとずっと後だった。




