FILE18・第∞会 変装しましょう大会
「錬、お金ある?」
「あるけど何で?もしかして、休憩?」
私は錬が出してきた封筒をひったくった。
「そんなわけないでしょ。私たち、結構目立つから」
「何だ、違うのか・・・」
錬は、私にお金入りの封筒を取られたのと、休憩じゃなかったので、落ち込んだ様子だった。
私はそんな錬に構うことなく、たくさんある洋服のコーナーへ行った。
「洋服?悠、洋服持ってたじゃん」
「うるさい。黙れ」
私はぶつぶつ文句を言う錬にきっぱり言うと、洋服のコーナーへ入っていく。
「だから〜、洋服なんていらないじゃ〜ん」
「だ・か・ら、私たち、結構目立ってるの。わかる?」
はぁ、とため息をついて錬を見る。
「さっきのやくざ、まだ、うちら狙ってるんだからね。
それに、あんたがいくつの恨みをかってるかもわかんないし・・・」
錬は納得したようにうなずいた(納得するってことは、恨みをかってる心当たりがあるんだろうな・・・)。
「だから、変装するの」
「変装?」
私は錬の質問に答えずに普段自分が着ないような女物の服や、黒髪のカツラやさまざまのメイク道具、最後に男もののキャップ帽子を買った。
そして、片方の紙袋を錬に渡し、更衣室に押し込んだ。
「は・・・?!」
更衣室の中から、錬の叫び声が聞こえたが、私は聞こえないふり。
店の人が不審な顔をしていたので、私は他人のふりも同時にしていた。
「・・・」
更衣室のカーテンが開く。
私はその錬の姿を見て、思わず驚きの声をあげた。
「似合ってるよ!」
ミニスカにレギンスやらシャツやら・・・とにかく女物の服を着た錬がかつらをかぶって出てくる。
「・・・」
錬が恨みがましげな顔で私を見ているが、視線をそらしてカバー。
「さて、後は化粧だね」
私は完全に楽しんでいた。
もう、変装のことなんて考えてない。
単純に、楽しんでいた。
私は長い髪を結い、帽子をかぶって隠した。
「さて、行きますか」
私は化粧品の袋を右手に、不満顔の錬の腕を左手につかみ、店を出た(また錬の腕がきしんでいたのが聞こえたけど、気にしない)。




