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SPY・KIDS  作者: 奏良
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FILE15・スパイになったわけ

店内はがやがやと騒がしい。

私たちはデパミチですることもなくたたずんでいる。

「ねぇ、何で夜の取引なのに、真昼間から来る必要があるの?」

私は一番気になっていることを錬に聞いた。

「・・・下見の為じゃないか」

返事が少し送れたところをみると、どうやら何も考えずに来たらしい。

はぁ、とため息をついて、私は店内を見回した。

「で、取引って、どこで行われてるの?」

「知らない」

「は?」

「そこは自分で調べるのがプロなんだ」

・・・。

何も考えずにただ目的の場所へ集合することの、どこがプロなんだ・・・。

私は頭が痛かった。

「とりあえず、向こうの喫茶店で何か食べてようか」

「おごってくれんの?」

「いや、仕事の費用で落とす」

よく考えれば、こんな会話をしている時点で私たちはお気楽そのものだ。

取引現場を押さえ、麻薬のその裏を調べることなんて、私も錬も忘れていた。

正直に言えば、二人ともデパミチで何して遊ぼうかしか考えていない。

錬なんて、ルンルンで喫茶店を目指している。

まぁ、夜まで時間があるんだし、ちょっとぐらい。

そう思って私も錬の後を追った。


「はい、コーヒー」

錬が、私の分のコーヒーと自分の分のオレンジジュースを持って私の正面に座った。

「ありがとう」

私はミルクも砂糖も入れずに口につけた。

その様子を妙な顔をしてみる錬。

「・・・何?」

「ブラックで飲むの?」

「うん」

「・・・」

錬は自分のオレンジジュースをぶくぶくしている。

まるで近所の子供みたいな仕草だ。

「飲む?」

「・・・いい」

錬はふてくされて答えた。

「そういえば、何で錬はスパイになったわけ?」

私は聞いた。

「うん、僕孤児院出身なんだ」

「孤児院?」

・・・私と同じ。

家族がいないんだ。

「SFとかダイスキで、国際こっきゃ・・・国家機密工作員の検定試験があるって聞いて、飛びついたんだ。

スパイは孤児じゃないとできないからね。家族を捨てることになるから。

勘でテスト受けたら、見事に正解してて、入れてもらえた。

今階級星一で、最年少スパイだよ」

そういって錬は胸を張る。

勘・・・バカだ、予想以上のバカだ・・・

私は少し聞いたことを後悔したが、孤児院出ということにすごく驚いていた。

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