FILE13・「ダイジョウブ」と「黒」
「あ、はい、R772です。あ・・・結果報告じゃなくて・・・」
錬が早速電話をかけ始めた。
R772は、錬のコードナンバーだろう。
「いや、実は・・・はい・・・で、とても強くて・・・あ、いいわけじゃないんです」
私は命の危機を感じながら、錬の早く動く口を見ていた。
「ほんとに、はい、身元調べても結構ですよ・・・で、はい、あ、ホントですか!どうもすみません、はい、はい、じゃあまた報告しまーす」
私は錬に詰め寄った。
「ダイジョウブだよ、仮工作員指定にしてくれるってさ」
「よかった・・・でも、国際国家の癖に、そんなに簡単に仮工作員にしてもいいの?」
「いや、そんなことないよ。悠は例外」
「は?例外?」
「悠は超強くて怖いからね、きっと口調で僕の言いたいことが分かったんだと思うよ」
「・・・まぁいいや、とりあえずは一件落着だからね」
「うん」
錬は楽しそうにうなずいた。
これから仕事が増えるって言うのに、そんなに楽しんでいてダイジョウブだろうか?
私はものすごく不安になった。
「・・・そうか」
「はい」
山沢は結果報告をし、上司の馴玄の返事を待った。
「まさかそんな秘密兵器がいたとわな・・・スパイも侮れない・・・」
「団体Aはどういたしましょうか?そろそろここに泣き言でも言いに来るのでは?」
「処分」
「はい」
山沢は恭しくうなずいて部屋を出た。
・・・もうすぐだ・・・もうすぐ・・・
山沢は唇をかみ締めた。
もうすぐ、全部終わるんだ・・・




