FILE9・人を見た目で判断しない!
「・・・」
どうしていいのかもわからず、ただ黙々と手当てを続けた。
手に握り締めた手帳を見る。
どうしよう・・・
「う・・・」
そう思ったとき、黒渕・・・じゃなくて、椎名錬って人が目を開けた。
「ん?」
椎名錬って人はきょろきょろと辺りを見回し、私に気づいた。
「あ、おきたんだ」
私はそういって椎名錬って人を見下ろした。
「わ!」
椎名錬って人は飛び退き、そばにあった金属製の箱に頭をぶつけた。
それだけで終わればいいのだが、その上の金属製の箱が降ってきた。
「わややややや・・・!」
私は持ち前の反射神経で箱をかわしたが、もともと鈍いのか、それとも寝起きで頭が回らないのか、
椎名錬って人は、完璧にはこの下敷きになった。
「あの・・・ダイジョウブですが?」
私は遠慮気味に問いかけた。
「・・・あんた誰?」
椎名錬って人は私の問いには答えず、金属製の箱の山から這い出しながら、逆に質問してきた。
「もしかして、あいつらの仲間?」
「そんなわけないじゃん、助けてあげたのになに言ってるんすか?」
私ははぁ、とため息をついた。
「助けた?君が?僕を?」
椎名錬って人は疑問符がたくさんついたせりふを言ってから怪訝そうに私を見る。
「何?助けてあげたのは事実なんですけど」
「だって、僕が倒せなかった人を君が倒したなんてとても信じられ・・・」
私は立ち上がったばかりの椎名錬って人に向かって、前蹴りを軽ーくぶつけた。
「うわ!」
椎名錬って人は驚いたのと軽ーくぶつけた前蹴りの勢いで再び金属製の箱の中に落ちた。
「弱・・・」
私はぼそっとつぶやいた。
これじゃあ、あんな雑魚にやられるわけだな。
私は一人で納得していた。




