表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
退屈した魔王は勇者になる様です。  作者: ナミ73
5章:遠征編
60/64

54話:万死一生

遅れて申し訳ありません。

今回は戦闘によって突然のピンチが訪れたクロトの救出劇となります。

 〜人間界〜


 クロトとの通信が途絶えた事によって、船に戻っていた二人の間に焦燥が生じていた。


「嘘でしょ……? あのクロトが、まさか……」


 悲壮感漂う表情でフィリアが呟く。

 顔には諦めの色さえ浮かべ始めたが、『死』という言葉を口にしなかったのは、まだ完全には信じていないという証だ。


「呆然としている場合じゃないわ。助けに行かなきゃ!」


 フィリアとは対照的に、ハイネは弱音を吐く暇もなく即座に判断を下す。

 しかしその額には汗が薄く滲んでおり、彼女もまた不安を感じずにはいられない様子であった。


「……そうですね。取り乱してすみませんでした」


「ええ。なるべく離れないようにして、さっそく飛び込むわよ!」


 確実な作戦を立てる時間もなく、ハイネはそれだけを支持してフィリアと共に海中へと飛び込む。


(クロト……絶対に助けるから!)


 その心には既に一片の不安も迷いもなく、彼女はその意思にただ従って動くのみとなっていた。




 二人は各々の感覚を研ぎ澄ませて、クロトの姿を探索してゆく。

 海中に入ってから時間はさほど経っていないが、それでも一刻を争うこの事態に於いて何の進捗もないという現状は、二人の間に不安を覚えさせるのには充分であった。


 絶えず脳裏によぎる、クロトの『死』という想像(イメージ)

 それを何度も払拭しながら水を掻き分けていくと、フィリアが発動していた"生命感知"に一つの存在が引っ掛かる。


「んっ!」


 唐突に射し込んだ一つの明光に、思わずフィリアの口から声が漏れた。

 その声に反応して、前を泳いでいたハイネが振り向いた。


(もしかして、見つけたの!?)


 そんな問いかけを首を傾げて表現するハイネに対し、フィリアは頷いて肯定を示す。


 漸く見つけた手掛かりに、二人の顔が思わず綻んでしまいそうになるが、まだ安全と決まった訳ではない。

 思わず緩んでしまいそうになった表情を引き締め、その存在の元へと向かってゆく。


 二人の期待通り、水面から十数メートルほど沈んだ地点にクロトの姿はあった。

 しかしその瞳は完全に閉ざされており、水中に投げ出された四肢の様子からは生気というものを微塵も感じられない。


(けれど……"生命感知"に引っ掛かるということは、必ず生きているという証拠!)


 冷静に判断を下すフィリアだが、その思考に反して心は穏やかではなかった。

 なぜなら"生命感知"の反応が、徐々に弱まりつつあるのだから。


(とにかく船まで移動させるわ! 一緒に引き上げるわよ!)


 ハイネは目を合わせて指示を伝えるが、もはや今のフィリアには不要と言えるだろう。

 二人は咄嗟に動き出し、クロトの身体に触れる。




 船へと運ばれたクロトの身体はそのまま甲板の上に寝かされ、すぐに応急手当を受けることとなった。


「っ! なんて冷たいの……」


 海中に居る時は分かりにくかったが、いま触れてみるとクロトの体温が異常に低下している事がはっきりと感じ取れる。

 普段から白いその肌は更に血色が悪く見え、様子を窺うごとに死の予感は増してゆくばかりであった。


「まずいわ……呼吸どころか、心臓も止まってる……!」


 素早く容態の確認を終えたハイネは、思わしくない状況に表情を険しいものへと変える。

 発見までは迅速な対応だったとはいえ、それでも心臓が止まっているのであれば時間が掛かり過ぎたのだ。


「こうなったら心肺蘇生法しかないわ。胸骨圧迫は私が行うけれど、人工呼吸は……」


「……っ!」


 言葉を濁すハイネだが、フィリアはその意図を瞬時に察した。

 緊急時とはいえ、彼女にとって目の前でクロトと他人が接吻をする場面を見るのは躊躇われる。

 そんな自分の感情に対して、ハイネは配慮してくれたのだ。


「フィリアちゃん、お願い。この役目は私じゃ駄目だと思うから……」


「……わかりました」


 真摯な瞳を向けるハイネに、フィリアもまた深刻な表情で頷く。

 そのやり取りが終わると、気道確保の後すぐに胸骨圧迫は始められた。


(クロトと……人工呼吸……)


 至って真剣な空気なのだが、それでも意識すればするほどにハイネの胸骨圧迫が段々と遅く感じられた。

 実際は適切なタイミングで息を吹き込むだけの役目なのだが、相手がクロト……それも唇を直接重ね合わせての人工呼吸となると、フィリアの中ではそれほど簡単な問題では無いのだ。


(いや、考えちゃダメ! 息を吹き込むだけよ! 息を吹き込むだけ……)


 深呼吸をして落ち着きを取り戻そうとするフィリアだが、その心拍数が低下することは無い。


「あと三回よ! 準備して!」


 不意にハイネに声を掛けられ、更に緊張が高まる。


(うっ……来た!)


 緊張しながらも、ぎこちなくクロトの顔に自身の顔を近づけてゆく。

 それに伴って心臓の鼓動も跳ね上がり、その心境はもはや目を開けていられなくなるほど。


 続けて胸骨圧迫が一回、二回、三回と繰り返され……遂にその時が訪れた。


「フィリアちゃん、今よ!」


「は、はい!」


 ハイネの催促により、フィリアは覚悟を決めて顔の距離を一気に縮める。


(お願い……戻ってきて、クロト!)


 二人の唇が重なり合い、フィリアの息がクロトの身体に吹き込まれてゆく――




 ......................................................




 身体に感じる衝撃と自身の名を呼ぶ誰かの声……そして唇に伝わる未知の感覚によって、暗闇を彷徨っていた意識が強制的に現実へと戻される。


 ゆっくりと瞼を開いて覚醒した俺の目に光が射し込むと同時、至近距離にフィリアの顔が映りこむ。

 胸部には誰かの手の感覚があり、一定の上下運動を繰り返していた。

 どうやら俺は船の上で横になり、応急手当を受けているようだ。


「っ! ゲホッ!」


「きゃあ!?」


 目の前にいるフィリアの名を呼ぼうと息をした瞬間、激しい息苦しさを感じて()せ返る。

 咳をする度に、口からは大量の水が吐き出された。

 恐らく溺れた時に海水が肺へと侵入したのだろう。


 呼吸ができるようになってから再び顔を上げると、目に映るのは呆然とした様子で甲板にへたり込むフィリアとハイネの姿。


「あ……あぁ……」


 目尻に涙を浮かべるフィリアの口から、言葉にならない声が漏れる。

 よほど言葉に表し難い感情を覚えているのだろう。


「クロト! 生き返った……良かったあ……」


 そのまま有無を言わさず俺の身体に抱きつき、腕に込める力を強めながら嗚咽を漏らす。

 死の淵から蘇生した直後で身体が言うことを聞かず、抵抗は不可能であった。


「クロト君……! 本当に……本当に心配したんだから!」


 同じく涙を流しながら、優しく俺の身体を抱き締めるハイネ。

 俺が意識を失っている間、二人は余りにも人命救助に必死だったのだろう。


 因みに二人も水着姿のままなので、露出した肌が惜しげも無く密着している。

 しかし二人から心地よい温もりを感じるのは、決して俺の体温が低下している事だけが原因ではないだろう。


「フィリア……ハイネさん……」


 ようやく出すことができた声で、改めて二人の名を呼ぶ。

 まだ意識が朦朧としているため、柔和な表情を作ることはできなかった。


「全く……本当に不死身ね、アンタは」


 俺の言葉に反応してフィリアが呆れたように台詞を吐くが、その表情には笑みがこぼれている。


 そして、ふと右腕に怪我を負っていたことを思い出して視線を向けると、出血はおろか鮫の歯型まで完全に消え去っていた。

 いつの間にか"肉体再生"や"回復促進"によって修復されていたようだ。


「すまない。フィリアを不安にさせてしまったな」


「べっ……別に不安なんかじゃ……」


 段々と意識がはっきりしてきたので、今度こそはしっかりと笑みを作って謝った。

 謝るとは言っても感謝の言葉に近いのだが、あまり素直に受け取らないところがフィリアらしい。


「ハイネさんにも、お手数かけてすみませんでした」


「お礼なんていいのよ。クロト君が生き返っただけで充分だもの」


 顔の向きを変えてハイネの方にも声を掛けた。

 彼女もまた、いつも通りの態度と笑顔だ。

 そんな二人の様子を見ると、俺は本当に生きているのだという実感が湧いてくるものだ。


 いつまでも寝ているのも不格好なので、ゆっくりと体を起こしながら立ち上がる。


「ちょっ……もう立てるの!?」


「ああ、二人のお陰で随分と回復したよ」


 驚いた顔で問い掛けるフィリアに、俺は平然とした態度で言葉を返す。

 試しに歩いてみたり腕を回したりするが、どうやら体調の不具合は無さそうだ。


「どんな構造してるのよ……アンタの身体は」


 呆れと安堵が半分ずつの溜め息を吐きだしてフィリアが呟く。

 確かに自分でも、人間の枠を大きく外れた回復力だとは自覚しているが。


「それにしても、今回は手強い相手だったわね」


「そうですね。私は結局、大して活躍できませんでしたけれど……」


 自身の評価を行い、がっくりと項垂れるフィリア。

 大事な場面で慎重さを欠いてしまったと反省しているのだろう。


「……ん? 手強い敵って……まさか」


 何かを懸念しているのか、フィリアがこちらを見ながら何故か疑惑の目を向ける。


「アンタ、今のステータスは?」


 なるほど、そういう事か。

 C〜Bランクの屍喰植物(グール・プラント)とは違って、溟渤鮫(トリトンシャーク)はSランクの怪物。

 当然、戦闘で勝利した際に得られる経験値も段違いとなる。

 恐らく彼女が心配しているのは、また前回の依頼のように俺一人だけステータスの上昇が著しいのではないかという事だ。


「少し待ってくれ。確認してみる」


 俺自身も気になる情報なので、早速慣れた動作でステータス表を展開し、そこに並ぶ文字列に素早く目を通してゆく。



【ステータス】

 名前:クロト=ルミナ

 種族:人間

 武器:剣(二本)

 属性:闇

 レベル:700

 攻撃力:650

 防御力:560

 俊敏性:680

 魔力:540


通常能力(ノーマルスキル)

 魔力操作(5) 魔力消費量減少(5) 詠唱短縮(5) 魔力回復(5)

 闇属性耐性(5) 無属性耐性(5) 水属性耐性(5) 氷属性耐性(5) 熱耐性(5) 低温耐性(5) 電撃耐性(5) 物理耐性(5)

 魔力感知(5) 電磁波感知(5) 熱源感知(5) 生命感知(5)

 属性強化(5) 身体強化(5) 視力強化(5) 聴力強化(5) 筋力強化(5) 防御力強化(5)

 肉体再生(5) 回復促進(5) 

 戦利品増加(5) 魅惑(チャーム)(4) 反逆斬(4) 空破斬(3) 格闘術(3) 鬼人化(3) 空間把握(3) 軟体(3) 器用(3) 不屈(3) 遠視(3) 暗視(4) 威圧(4) 隠密(4) 隠蔽(3) 鑑定(3) 潜水(4) 高速移動(5) 跳躍(5) 収納(5) 索敵(5)


固有能力(オンリースキル)

 索敵標識(エネミーマーカー) 第二知能(セカンドブレイン) 万物融合化(マルチフュージョン) 能力複製(スキルコピー) 思念伝達(テレパシー) 虚心坦懐 無病息災 幸運


上位能力(ユニークスキル)

 一刀両断 堅忍不抜 窮鼠嚙猫 千里眼


未知能力(アンノウンスキル)

 起死回生(リサスィテーション)



 ……予想を遥かに超える数値だな。

 何しろ、魔物を一体倒しただけでレベルが300も上昇しているのだから。


 そしてスキルの数は大して増えていないものの、殆どの通常能力(ノーマルスキル)の熟練度が5に達しており、更には前世の俺ですら見たこともない『未知能力(アンノウンスキル)』という項目まで存在している。

 説明を開くと、どうやら天文学的確率で獲得できる破格の性能を持つスキルであるらしい。


 今回手に入れた"起死回生(リサスィテーション)"は、窮地にいるほど戦闘勝利後に手に入る経験値が指数関数的に増加する効果を持っているようだ。

 今回は死の瀬戸際に立っていたので、急激なレベルの上昇はこのスキルの影響が大きいのだろう。


 そして新たな上位能力(ユニークスキル)"千里眼"の効果は、名の通りに千里先の光景……どころか、世界全体を視ることが可能になるという。

 ただし尋常ではないほどの集中力が必要で、常人には千里を見渡すまでの効果は発揮できないようだ。


 そこまで素早く目を通したところで、フィリアに声を掛けられる。


「どうだったの? アンタの事だから100ぐらい上昇しても特に驚きはないわね」


「それってクロト君の場合だとレベル500になるじゃない……。そんな数値、聞いたことすら無いわよ」


 俺のレベルについて二人が多めに見積もりながら予想するが、やはり大きく的外れ。

 流石にこれほどの上昇をするとは自分自身でも想像しなかったので当然なのだが。


「言いづらいですが……正解は700です」


 気まずく告げた瞬間、二人が呆然とした表情のまま硬直する。

 予め断っておいても、やはり動揺を抑えられない数値のようだ。


「え……えぇ!? 一体何をどうしたらそんな値になるのよ!?」


「あら? なんだか目眩が……」


 硬直が解けたと思ったら、さっそく目を見開いて問い詰めるフィリアと、衝撃の事実に拒絶反応を示すハイネ。

 概ね予想通りの反応であった。


「はぁ……もういい加減、突っ込むのも疲れるわ」


 色々と追及したい気持ちもあるだろうが、面倒になりそうだと判断したのか、フィリアは溜め息を吐いて諦める。

 細かく説明すると面倒なので、その判断は俺にとっても有難い。


「とにかく、こうして無事に任務を遂行できたのだから良かったわ。私達の役目は終えたし、依頼人に伝えて船蔵まで送ってもらいましょう!」


 終わり良ければすべて良し、と言わんばかりに調子を取り戻したハイネが話を切り替える。

 因みに"思念伝達(テレパシー)"を適用している相手はハイネとフィリアだけなので、操舵室に居る依頼人には俺達の現状が殆ど伝わっていない。


「二人は休んでてちょうだい。特にクロト君は安静にしていなきゃダメよ」


 俺達への気配りも欠かさず、ハイネは依頼人に話をつけるべく早足で船内へ向かってゆく。



 ......................................................



 それからまた暫く船に揺られ、特に何事もなく再び元の船蔵へと戻ってきた。


 俺達よりも少し遅れて船を降りた依頼人が、頭を下げて礼を告げる。


「今回はあの怪物を討伐してくれて本当に助かった! これで仕事も再開できるし、何より渦に巻き込まれた仲間たちの無念もきっと晴らされたよ!」


 その表情は、全ての不安が解消されたかのような清々しい笑顔だった。

 亡くなった者達が還ってくることは無いが、それでも俺達の行動は依頼人の心のつかえを取ることが出来たのであろう。


「役に立てたようで良かったわ。それじゃあ仕事も終わったし、私達は帰るわね」


 そう言い残し、手を振りながら背中を向けて颯爽とその場を去ろうとするハイネだが、その背中に依頼人は声を掛ける。


「帰るって……水着のままでいいのかい?」


「……はっ! わ、忘れてたわ!」


 少し格好つけたようだが、注意不足によって締りのない空気になってしまったな。

 無意識のうちにハイネに釣られて帰ろうとしていたフィリアもハッとした様子で赤面しているが、ここは気づいていないフリをすべきだろう。




 着替えが終わった後で今度こそ俺達は依頼人に別れを告げ、魔導駆動車で帰路についた。

 色々と不祥事があったせいで疲弊しているのか、二人は行きの時よりも深く座席に腰掛けて楽な姿勢をとっている。


「うーん……せっかく買った水着、これからしばらく使う機会がないと思うと勿体無いわね」


 車内の小窓から外を眺めていたフィリアが、ぽつりと呟いた。

 その呟きにハイネが反応して答える。


「そうでもないんじゃないかしら? もう少し経ったら、魔法学校で水泳の授業がある筈よ」


 確かに魔法学校の時間割には、かなり低い割合で体育の教科も存在しているが……その情報は初耳だな。

 しかしハイネも元々は魔法学校に通っていたので、嘘は言っていないだろう。

 まだ目にしたことはないが、水泳があるということは校舎内にプールも用意されているのだろうか。


「そうなんですか!? でも、水泳でビキニを着る人の割合って低そう……」


「大丈夫よ〜。フィリアちゃんはスタイル良いからね!」


「そ、そういう問題じゃ……」


 恐らくフィリアは少数派の人間として注目を浴びることを嫌がっているのだろうが、ハイネは別の問題だと思い込んでいるらしい。


「そう思うわよね? クロト君!」


 さり気なく無視を決め込んでいた俺に、ハイネが唐突に話題を振ってきた。


「まあ、フィリアのスタイルの良さは俺が保証するよ。だから無理に周囲に合わせなくていいんじゃないか?」


「そ……そうかしら? アンタがそう言うなら、この水着のままで良いかしら」


 適当に返答したつもりだったが、フィリアを納得させる程度の効果はあったようだな。

 別に俺にとっては、ビキニだろうと何であろうと構わない問題ではあるのだが。


「それにしても羨ましいわね。私も学生時代に戻って青春をやり直したいわぁ」


「その青春というものは分かりかねますが……そのようなものを満喫している暇はありませんよ」


 どの道、残り一年も無いうちに魔王と対峙しなければならないのだ。

 必要のないものに長々と時間を浪費することはできない。


「いいや、私から見れば二人とも既に青春を満喫しているみたいだけれど?」


 よく分からないが、ハイネはニヤニヤと怪しげな笑みを浮かべながら俺とフィリアを見つめる。


「いっ……一体なんのことですか?」


 フィリアが問い掛けつつも、何故か顔を紅潮させてハイネから目線を逸らす。


「フフッ。さぁ、なにかしらね?」


 対するハイネは素直に質問には答えず、わざとらしく茶化した。


「もう! ちゃんと答えて下さいよ!」


 満足のいかない回答に、フィリアが憤慨して抗議する。

 それでもハイネの飄々とした態度は変わらず、結局はハッキリとした答えは返ってこないままだ。


 そんな下らないやり取りを交わしながら、俺達はこの暇な時間を潰してゆく。

 少しばかり平和ボケしているようだが、それでもこの弛緩した空気は悪くない。


 つい最近まで自分は死にかけていた事など忘れてしまうほど穏やかな時間に心地良さを感じつつ、やがて俺は知らない内に深い眠りにつくのであった。

経験値のインフレ半端ないですね……。

因みに、溟渤鮫(トリトンシャーク)のSランクというのは、集団戦闘を想定しての評価なので、単独戦闘ではSSランクほどになるかと思います。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ