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退屈した魔王は勇者になる様です。  作者: ナミ73
4章:魔法学校編
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39話:自室にて

今回も遅くなってしまい申し訳ありません。

久々にクロトのステータスについて書こうと思ったのですが、新スキルを考案するのに非常に時間が掛かってしまいました。



 ~人間界~


 魔法学校での一日を終え、俺とフィリアは王城へと帰ってきた。


 俺達は昨日と同じく自室に帰り、備え付けの椅子に腰掛けてハイネが訪れるのを待つ。


「ふぅ、午後からの授業は少し難易度が高かったわね。まだついていけないレベルじゃないけれど」


 椅子に座った事で一息ついたフィリアが、今日の感想を述べた。


「そうだな。しかしまだ難易度としては簡単な範囲だ。これから更に難しくなっていくだろうから、授業には遅れないように心掛けなければならないだろう」


 実際には、午前中の授業も午後からの授業も難易度は変わらない様に感じたのだが。

 俺にとっては欠伸が出そうな程に簡単な内容だったからな。


「はー……魔法を覚えるっていうのも簡単じゃないわね。幼い頃はお伽噺の影響で、魔法の杖の一振りで簡単に扱えるものかと思いこんでいたのに……」


 お伽噺、か。

 確か人間界にある子供向けの絵本には、とんがり帽子とローブを羽織った可愛らしい魔法使いの少女が自由自在に魔法を操るという内容が多く存在するとは知っているが……流石にそれが出来れば、俺だって大量の魔導書を読み漁るなんて面倒な作業はしていないだろう。

 そんな簡単に魔法が扱える事自体、それもまた色々な問題に繋がるからな。


「恐らくお伽噺の魔法使いも、しっかり魔法の勉強をしてあの領域に至ったんだろう」


「そうかも知れないわね……私もあんな風に自由自在に魔法を使えるようになりたいわ」


 そんな何気ない会話を交わしていると、不意に玄関の扉からコンコンと小気味の良いノックの音が聞こえた。

 俺とフィリアは、既に聞き慣れたこのノック音だけで、誰何するまでもなく扉の向こうにいる人物が判る。


「はい、今開けます」


 俺はノックに返事をして扉に近づき、その扉を開いた。

 案の定、扉の前に立っている人物はハイネであった。


「お疲れ様! 今日の学校での一日はどうだったかしら?」


 いつも通り、満面の笑みと明るい声量でハイネは問いかける。


「今日は三人の知らない男子生徒に突然絡まれました」


「えっ、まさか喧嘩!? その後はどうなったの?」


 驚愕した表情でハイネが問い掛ける。

 まぁ、喧嘩というのもあながち間違いでは無いな。

 だが実際は、ハイネが心配している様な面倒事という訳でも無かったが。


「どうも何も……魔法練習所の裏に連れていかれた後に殴りかかって来たので、怪我させない程度に返り討ちにしましたが」


「あぁ、確かに……クロト君相手なら、そりゃあそうなるわね」


 俺の返答に、ハイネは苦笑いを浮かべて納得する。

 それはフィリアと同様に、三人に対する呆れの様な感情であった。


「あれ……? 喧嘩って、一応戦闘という事にはなるのかしら?」


 フィリアは唐突に何かに気づいたという様子で呟いた。

 確かに喧嘩も戦闘と言えるかもしれないが……何を言いたいのだろうか?

 ん? 戦闘?


「そうか……経験値の事か!」


 俺が思い至った事を告げると、フィリアが頷いた。

 どうやらご名答だった様だな。

 あの喧嘩が戦闘である以上、少なくとも経験値が手に入っている筈だ。

 つまり、レベルが上がっている可能性があるという事になる。


「とは言っても、アンタのレベルじゃ不良生徒三人と喧嘩で勝ったぐらいで大した経験値にならなそうだけどね」


 フィリアが如何にも興味無さげな様子で、ため息混じりに呟く。

 しかし、可能性の話が出てきた以上、確認せずにはいられない。


「待ってくれ。一応確認する」


【ステータス】

 名前:クロト=ルミナ

 種族:人間

 武器:剣(二本)

 属性:闇

 レベル:295

 攻撃力:240

 防御力:190

 俊敏性:190

 魔力:230


通常能力(ノーマルスキル)

 魔力操作(5) 詠唱短縮(5)

 闇属性耐性(5) 無属性耐性(3) 熱耐性(4) 物理耐性(5)

 魔力感知(3) 電磁波感知(2) 熱源感知(3) 生命感知(3)

 属性強化(5) 身体強化(4) 視力強化(3) 聴力強化(3) 筋力強化(3)

 肉体再生(3) 回復促進(4) 

 戦利品増加(4) 遠視(3) 暗視(3) 威圧(2) 隠密(4) 隠蔽(3) 鑑定(2) 潜水(3) 高速移動(5) 跳躍(4) 収納(5) 索敵(3) 生命感知(3)


固有能力(オンリースキル)

 索敵標識(エネミーマーカー) 第二知能(セカンドブレイン) 万物融合化(マルチフュージョン) 能力複製(スキルコピー) 思念伝達(テレパシー) 虚心坦懐


上位能力(ユニークスキル)

 一刀両断



 ふむふむ。

 通常能力(ノーマルスキル)が三十、固有能力(オンリースキル)が六つ、上位能力(ユニークスキル)が一つか。

 察しはついたかも知れないが、それぞれの通常能力(ノーマルスキル)に付いている括弧の中の数値はスキルのレベルを表している。


 レベルが五に上がった収納スキルでは、何と自分の体重の五倍の物体が収納出来る様になった。

 相変わらず気体と液体は収納不可能だが、それでも実用性が圧倒的に向上したのは明らかであろう。


 俺に喧嘩を吹っ掛けてきた三人からは、無属性耐性、電磁波感知、紫外線感知、遠視、暗視、潜水、威圧、隠蔽、鑑定の九つのスキルが複製(コピー)する事が出来た。


 鑑定スキルは、物体の性質や用途、価値などが数値化されて判る様になるスキルだ。

 生物に対して使用すれば、種族やレベル等を暴く事が可能という便利なスキルである……が、それに関しては龍精眼(ドラゴニア・アイズ)の方が上位互換と言えるだろう。


 隠蔽スキルは、前述の鑑定スキル等によって自身のステータスが暴かれる事を防ぐ事が出来る効果だ。

 意図的にステータスの一部のみを隠す事も可能で、知られたくないスキルを隠蔽して他のステータスは公開する……という使い方も可能である。


 他のスキルについては比較的わかりやすいものが多いので、特に説明は要らないだろう。

 というか、レベルもやはり上昇しているな。


「確か、入団式の時は通常能力(ノーマルスキル)が九つだったかしら?」


 フィリアが一ヶ月前の入団式の事を思い出しながら問い掛けた。


「あぁ。だが今は三十に増えたぞ」


 俺が何気なく返答すると、フィリアとハイネの二人は開いた口が塞がらないとばかりに、唖然とした表情を浮かべて静止していた。


「「……えっ?」」


 そして漸くの絶句を経て、二人が同時に口にした言葉は、そんな情けない一言であった。

 どうやら余りの衝撃に、現実を受け入れる事に対する拒絶反応が起こったらしい。


「全く、アンタは……魔法も上級魔法まで使えるようになって、更にスキルの数も自重しないのかしら?」


 最早、呆れ果てて唾棄する様にフィリアは言い放った。

 まぁ、確かに能力複製(スキルコピー)の効果でスキルの増え方が異常なのは認めるが。


「そう言われても……魔王を倒す為には、入手出来るモノは極力入手しなければならないから仕方が無いだろう」


 俺は弁解しつつも、フィリアの刺すような視線に何となく気まずさを覚え、反射的に目線を逸らした。


「……まぁ、アンタは規格外だから仕方ないわね」


 フィリアはそれ以上の追求を無駄だと判断し、ため息をついて諦めた様だ。


「一ヶ月前から強かったのに、今では更に腕を上げて、まだ伸び代があるんだから末恐ろしいわね……」


 ハイネはそう言いながら苦笑いを浮かべる。

 二人からみれば当然の感想なのだろうが、魔王と対峙する為にも、まだまだ伸び代が必要不可欠なのだ。


 奴が現在、どれ程の力を蓄えているのかは判らないが……少なくとも今の俺の戦力が、一年後の奴に届くとは到底有り得まい。

 豊富なスキルと魔法を習得する事は、奴と対峙する為の最低条件なのだ。

 中途半端な実力で再び奴の前に立つ事は、自殺行為も甚だしいであろう。


「まぁ二人とも、とにかく伸び代があるなら出来るだけ伸ばさなくちゃね。じゃあ私は仕事があるから、また明日も学校での出来事を聞かせて頂戴ね?」


 ハイネはそう言って会話を締め括った。

 会話が終わって早々仕事に向かおうとするあたり、いつも通りの忙しい様子である。


「はい、勿論です」

「頑張ります!」


 ほぼ同時のタイミングで俺とフィリアが返答し、ハイネは頷き「ええ、頑張ってね」と言い残して扉を閉めた。


「……さて、じゃあ今日も明日に備えて早めに就寝出来るようにしておこう」


 俺はフィリアの方を向き、ハイネとの会話から話題を切り替えた。

 明日まで特にやる事も無いので、今の内にしっかりと身体と頭を休めて万全の状態を調える事が最善であろう。


「そうね、でも私は少し魔法の予習をするわ。今のままだといずれ授業に遅れを取ってしまいそうだからね」


 どうやらフィリアは、魔法学校の予想以上の教育水準に少しながら焦燥感を覚えている様だ。

 入学早々、勉強熱心なのは偉いな。


「そうか、折角だから俺も勉強の手伝いをするよ。解らない箇所があれば聞いてくれ」


「あら、そう? 悪いわね」


 フィリアは椅子に腰掛け、鞄から魔導書(グリモワール)と布製の筆箱を取り出して机の上に置き、最低限度の勉強用具を揃えた。

 更に、取り出した魔導書(グリモワール)のページをぺらぺらと捲っていき、中級魔法の項目を開く。


「まだ簡単な部類の中級魔法までしか扱えないから、もっと難しくて実践的な魔法を扱える様になりたいの」


 フィリアは恐らく自分では解読出来ないのであろう、ページに書いてある複雑な魔法式を指差した。

 俺はその動作から、ここを教えて欲しい、という事を言葉にせず示唆しているのだという意図を汲み取る。


「分かった、先ずこの魔法は――」


 そして、この先の授業の予習を含めた俺とフィリアの勉強会(?)が開かれた。


 こうして一体一で魔法の勉強を教えていると、騎士団の入団試験前にミキと勉強会をしていた時の事を思い出す。

 しかしフィリアは、魔法の基礎はほぼ完璧に理解している為、あの時のミキ以上に理解や飲み込みは早い様だ。


 ついでに闇魔法についても教えておきたい心境ではあるが、難易度が高すぎる為に闇属性の者以外が使っても実用的ではないので止めておこう。


 結局その日は、食事や身支度以外の時は就寝前までフィリアに勉強を教える事になった。



 ......................................................



 翌朝、俺達が登校を済ませた後の魔法学校の特別学習クラスにて。


「ふぁ……眠いわね……」


 俺の隣の席で、フィリアが手で口を覆いつつ欠伸をして身体の気だるさを訴える。


 フィリアは昨日、俺に勉強を教えられて次々に魔法を覚えた事によって、段々と魔法に対する勉強意欲が増していき、最終的には遅い時間まで就寝時刻が伸ばされたのである。


 一応、その甲斐あって魔導書の内容の理解は数段階深まったのだが……俺的にはこれほど不健康な勉強リズムは肯定できない。

 これからはフィリアに勉強を教える事になっても、時間だけは程々に抑えることにしよう。


「どうしたの? 昨日はよく寝付けなかったのかな?」


「……まぁ、そんなところね」


 少し心配そうな表情を浮かべるアイラの言葉をフィリアが肯定する。

 正直に言えば勉強をしていた為の夜更かしが原因なのだが、その事実は影での努力として他人には伏せておきたいのだろう。


 と言うか、フィリアの夜更かしに付き合ったせいで俺にも睡魔が襲ってきている。


 この教室にマーリンが来て朝のHR(ホームルーム)を行うまでに、まだ三十分以上の時間的余裕がある。

 これだけ早い時間だと、俺達三人以外に登校しているクラスメイトは誰一人いない。

 有効に使えば、充分な仮眠が取れる筈だ。


「俺も眠いから少し睡眠を取る事にするよ。悪いけど、HR(ホームルーム)直前になっても起きなかったら起こしてくれないか?」


 俺はアイラにそう告げて机に突っ伏した。

 ほぼ正確な体内時計があるので、寝過ぎるという事は余程無いとは思うが、保険は幾ら掛けても困らないからな。


「じゃあ私もお願い出来るかしら? 流石にこのままだと授業中に寝ちゃいそうだから……」


 目を閉じているので表情は窺えないが、申し訳なさそうな口調でフィリアがアイラに頼んでいる会話が聞こえる。


「あはは……何だか、二人ともお疲れさんなのかな? まぁ、起こしてあげるからゆっくりお休み!」


 そんな気前の良いアイラの言葉を聞き、俺は少しの眠りについた。


 因みに第二知能(セカンドブレイン)に命令すれば寝ている間にも耳に入ってきた情報は全て記憶されるのだが、そんな学習方法は十中八九マーリンに怒られそうなので、授業中はしっかりと起きて真面目に聞くことを決めたのは言うまでもないだろう。

スキル欄の表示を変えてみましたが、こちらの方が見やすいでしょうか?

毎回、ステータスの数値は大雑把に決めてあるので、細かい部分はあまり気にせず読み進めて頂けると幸いです。

次話を書き終わったら、ディザスターとリミア視点でのストーリーを進めていこうと考えています。

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