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退屈した魔王は勇者になる様です。  作者: ナミ73
2章:セインガルド騎士団入団編
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12話:入団試験(筆記試験編)

やっと始まる入団試験。

今回はいつもより短めです。

見直しなどはあまりしていないのでどこかに誤字等があるかもしれません!


筆記試験の説明において、わかりにくそうな点や、可笑しい点があったので少し文章を追加・変更しました。

感想の方で間違いの指摘があったので訂正しました。

他にも改善すべき点に気づいた方は感想欄にて教えて頂けると幸いです。


 〜人間界〜


 受付を済ませた俺とフィリアは現在、普段兵士達が利用する為に設けられた休憩室で筆記試験の開始を待っていた。


 会場に設けられた休憩室は他にも数箇所あり、参加者全員がここの休憩室で待機している訳では無く、休憩室自体もかなり広いので、大勢の参加者で部屋が暑苦しくなる事も無い。


 受験者は受付の際に自身の受験番号を言い渡される。

 休憩室はその受験番号によって、一室につき百五十人ずつに分けられている。


 偶然にも俺とフィリアの受験番号の数字は近かったので、休憩室と筆記試験の受験会場は同じ部屋だった。


 ちなみに俺の受験番号は百番で、フィリアは百十番というキリの良い数字だった。


 試験開始まで特にやる事も無いので、暇を潰すべくフィリアと会話をしていた。


 「………ふぅん、じゃあ貴方は国外から来た旅人で、入国の為に騎士団試験を受けるって事なのね」


 俺が国外からの旅人である事や、セインガルド王国入国への経緯を話すと、フィリアが頷きながら俺の話を聞いていた。


「まぁ、その通りだな。

 ところで、この試験の受験者は大体どれ程の強さなんだ?」


 見た所、屈強な戦士といった体格の良い者が多いが……何しろ見た目だけで強さの判断は出来ない。

 一見か弱そうに見えて、実際は強力な力を持つ個体だったという事も、魔族生命体には良くある話だ。

 俺の身近な例で言うと、リミアが当てはまるな。


「そうね……実力不足な人も多いけれど、中にはAランク冒険者並の受験者もいるわ。

 Aランク冒険者が三人いれば竜人(ハーフドラゴン)を一体討伐できるかしら。

 それでも私は引けを取るつもりは無いけれどね」


 ……Aランク冒険者について、俺に強そうなイメージを付けようとした話なのだろうが、竜人(ハーフドラゴン)を例に出したのが失敗だったな。

 その話によると、俺が少なくともAランク冒険者の何倍か強い事になるしな。

 そんな奴らに引けを取らないという程度の心構えでいるフィリアは、悪いがそれ程期待できる相手にはならなそうだ。


 まぁ、それでも受験者の中ではAランク冒険者並の戦闘力を持つ受験者が上位に入るという事になるのだろう。

 となれば、実際にフィリアがそれ相当に強いのであれば、フィリアもまた受験者の中ではかなりの上位には入れるのだろう。

 ……俺が負ける要素は無いだろうが。


 「……そうか、前にも言っていた通り、相当な自信があるんだな。しかし、それでも俺は君に負ける気は無いよ」


 「へぇ、貴方の方も大した自信ね。

 じゃあさっさと筆記試験を終わらせて対戦を楽しみにするとしましょうか」


 「あぁ、そうだな」


 そうは返事をしたものの、俺にとっては楽しみにもならない試合になりそうだ。

 まぁ、本題は俺が対戦を楽しむのではなく、フィリアに俺の実力を証明する事なのだが。

 そもそも試験に合格すれば、俺としては満足なのだ。


 そんな会話を暫くの間続けていると、


《筆記試験会場集合の予定時刻となりました。

 本試験の受験者は各受験会場へと移動して下さい》


 という連絡の音声が、休憩室に設置された通信用魔水晶を通じて聞こえた。


 休憩室の壁に掛けられた時計を見ると、

 現在の時刻が丁度、午前の九時四十五分である事を示していた。

 筆記試験の開始は午前十時。

 集合時刻は九時五十分で、余裕を持って試験を開始するために設定されたものだろう。


 「もうこんな時間なのね。

 皆会場に向かっているし、私達も行きましょうか」


 同じ休憩室にいた受験者の内、何人かは既に会場に向かった様だ。

 フィリアの言った通り、他の受験者と同様、俺達もすぐに試験会場に向かう事にした。



  ......................................................



 全員が試験会場の部屋に集合し、各々の席に着いてから監督員によって試験の説明をされ、受験者全員に筆記試験の用紙が配られてから試験が始まった。


 当然筆記用具の持参が必須になるのだが、最初にこの王宮を訪れてから図書館に向かう前、必要な筆記用具は買い揃えておいたのだ。

 当然それらの筆記用具は収納スキルにて全て保管し、試験前に取り出しておいた。


 収納スキルを使えば、試験中にメモ用紙などを取り出して不正行為を働く事も容易……ではなく、会場の部屋には試験中のスキルや魔法の類の使用を探知する機能が仕組まれており、あらかじめ試験に認められた物を会場に入る前に取り出してく必要があったので不可能だった。

 もともと不正行為を働く気は一切無かったが。


 当然ながら、試験中にスキルや魔法の類を探知された時点で如何なる理由があろうと失格と見なされる。

 入国検査の厳しさが、ここでも現れている様であった。


 筆記試験の開始が十時で、終了時刻は十一時。

 つまり丁度一時間の試験という事になる。


 現在は、筆記試験が開始されてから三十分が経過している。


 問題の内容としては、言語学、数学、生物学、医学、薬学等、兵士として必要な知識に纏わる内容の教科が六種類であった。


 話に聞いた通り、魔法理論に関する内容もあったのだが、これは魔法学校への推薦入学の可能性を考慮した適正テストの様なものであり、入団試験の合格には影響しないとの事だった。

 その為、魔法理論についての知識は取り入れていない受験者も多いのだ。


 他の受験者の様子を見ると、頭を抱えて悩む者が多く、試験の問題の難易度がハッキリと現れている様であった。


 フィリアの席が俺の席の前にあるので、フィリアの様子を伺うと、他の受験者に比べて凛とした姿勢で淡々と問題を解いていた。

 あの様子だと、彼女なら筆記試験は確実に合格するだろうな。


 ……なぜ俺がこうして周りの受験者の様子を眺めているのかって?


 既に数分前に全ての問題を解き終えているので、残り時間が暇なのだ。


 俺にとっては難しい問題は特に無かったが、幅広い内容が故に人間からすれば相当の難易度になるのだろう。

 一時間という試験時間は、俺にとっては長過ぎたのである。


 そういう訳で、俺は時間がゆっくりと過ぎるのを感じながら、黙々と試験の終了を待ち続けたのであった。


  ......................................................



 筆記試験が終了し、俺達を含む全員の受験者が休憩室に戻り、試験結果の発表を待っていた。


 合格基準を超えた者のみの名前と点数が通信用魔水晶でのアナウンスによって発表されるらしい。


 教科は魔法理論を除いて六種類だったので、最高点も六百点となる。

 合格点は四百五十点以上で、問題の難易度も相まり、筆記試験だけでも毎年の合格者は少ない様だ。


魔法理論は特別科目なので、魔法理論以外の六科目で四百五十点あれば、魔法理論がゼロ点でも合格するし、逆に六科目が三百五十点で魔法理論が百点の場合は合格とはならない。


合格のみを狙っている受験者にとっては、ただでさえ難しい魔法理論を合格にも関与しないのにわざわざ勉強する必要も無いので、先程(受験中)に述べた通り、端から魔法理論の学習を諦めている者が殆どだ。


 「案外難しかったけれど、私は自信有りね。

 貴方はどうだったかしら?」


 フィリアが休憩室に設けられた椅子に座りながら、俺に問いかけた。


 「俺も結構自信はあるな」


 難しさなど少しも感じなかったが、フィリアや他の受験者にとっては余程難しい問題だったのだろう。

 周りには他の受験者達もいる訳だし、下手に簡単だった等と口走るのは良くないな。


 適度に空気を読み、必要最低限に率直な感想を述べた。


 「ふーん、ただの旅人があの問題を自信有りと言うなんて意外ね。

 私はてっきり、問題を見た途端に諦めるかと思ったわ」


 そりゃあ『ただの旅人』では無いからな。

 優秀な人間よりも遥かに知識があって当然だ。


《合格発表の準備が終了しました。只今から合格者の発表を始めます》


 筆記試験開始の前の様に、連絡用魔水晶から突然のアナウンスが流れた。


 筆記試験開始の時に突然アナウンスが流れた時は何人かの受験者が少し驚いていたが、今回は誰も驚いた者はいなかった。


 フィリアを含むこの場の受験者達が、一斉に連絡用魔水晶に注目する。



  ......................................................



 次々と合格者の名前と点数が発表されていき、現在は数十名の合格者の名前が挙げられていた。

 受験番号順に発表される訳では無いらしく、合格者の中で点数の低い者から順に発表されている様だ。


 「まぁ、たぶん私が一番でしょうから、私の名前が挙げられる前に貴方の名前が無かったら貴方は不合格って事になるわね。

 それにしても、もう何十人も発表されているけれど、それ程貴方の点数が高いのかしら?」


 連絡用魔水晶のアナウンスで合格者の名前が次々と挙げられていく中、フィリアは皮肉めいた余裕の笑みを浮かべて俺を煽る。


 「君もかなりの自身だな。まぁ、君が一番では無い事なんて直ぐにわかるさ」


 皮肉めいた笑を崩し、ムッとした表情でフィリアが俺を睨みつける。

 しかし、結果が出た後に言い返す方が俺に反論されにくいだろうとでも考えたのか、特に何も言わずに連絡用魔水晶に目線を戻した。


《……次、受験番号百十番、フィリア=ランベリー! 点数は五百八十! 特別科目『魔法理論』、点数は六十!》


 「フィリア?

女みてぇな名前だが…ハッ!?

まさか、あそこにいる嬢ちゃんが!?」


そんな風に、フィリアという名前の人間が俺のすぐ側にいる少女である事に気づいた受験者が声を上げると、


 「おぃおぃ、嘘だろ!?」

 「マジか!可愛い顔してやるじゃねぇか!」

 「何だよその点数!?」


 その声に反応した周りの受験者達も非常に驚いた様子で騒き始めた。


 魔法理論の方も、合格者の中でも五十点を超える者がほぼいない中、六十点を獲得しているのだ。

周りの受験者達の反応は当然のものだろう。


まぁ何度も言っている通り、魔法理論の学習を諦めて合格に関係する教科のみを学習している受験者が多いので、受験者の魔法理論の点数が総じて低いのも当然の事だ。


 俺を除く、周りの受験者の全員が驚愕と感心の心情を叫ぶ中、フィリア本人はその声を気にする事なく、


 「あら、私の名前が呼ばれたわね? って事は、残念ながら貴方は不合ーー」


 自身の名前が呼ばれた所で、俺の不合格を確信したフィリアが嫌味たらしく先ほどの俺の言葉に反論を始めた。


彼女にとっては周りの受験者達の尊敬よりも、俺に対する勝利が最優先されている様だ。


 しかし……彼女がその台詞を言い終える前に、


 《次、受験番号百番、クロト=ルミナ!点数は六百! 特別科目『魔法理論』、点数は百!》


 俺の名前と点数がアナウンスで発表された。


 「「「……はぁっ!?」」」


 俺が特別科目である魔法理論を含み、全ての科目において最高点を取った事に驚いた周りの受験者達が揃って叫んだ。


 フィリアは…と言うと、何やらポカン、とした表情でアナウンスを終えた連絡用魔水晶から目線を離さずに放心している。


 《合格者の発表は以上です。

 午後一時より、筆記試験合格者の実技試験を行います》


 空気を全く読まない突然のアナウンスが、実技試験についての連絡をした。


 「すげぇ……満点合格者とかいるのかよ…」

 「有り得ねぇ……」

 「あの嬢ちゃんもスゲェけど、そいつも何者なんだよ……?」


フィリアの時とはまた違った様子で、周りの受験者が驚愕の心情を語る。


 「嘘……でしょ……? 貴方、本当にただの旅人……?」


 放心していたフィリアも、何とか途切れ途切れに言葉を話す。

一番の座を奪われた事に余程の衝撃を受けたのだろう。


 「まぁ、ただの旅人……では無いな。ただ、人一倍知識には自身があるのさ」


 俺達の会話を聞いた周りの受験者達からは明らかにそんなレベルでは無い…と言いたげである事がよく伝わってくるが、最早突っ込みどころを失った受験者達が特に何も言って来ることは無かった。


 「くうぅ……じ、実技試験では負けないんだから!」


 筆記試験で俺にプライドを傷つけられたフィリアが、今度はビシッと俺を指さしながら苦し紛れに実技試験の勝利を宣言してきた。


 やれやれ、実技試験でもまた彼女のプライドを折る事になりそうだな。


 少し可哀想に見えてきたフィリアに若干の申し訳無さを感じつつ、俺は実技試験の開始を待つのであった。


 ……まぁ、最初に勝負を挑んできたのもフィリア自身なのだが。

筆記試験の内容はかなり適当に考えたものです。

明らかな問題点があってもあまり深くツッコミを入れず、コメント欄で優しく教えて頂けると幸いです!

実技試験まで書くと長すぎるかな?

と思ったので、筆記試験終了まで書いたら思いのほか短くなり過ぎてしまった様に思います…。

次回は実技試験編になります!


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