7.5章 一道さんによると
一道です。高校生たちがのびのびと學ぶことができるよう、「學び舎」を開催しています。
普段ですか? いろんなバイトをしてますね。警備員とかコンビニ、選挙のお手伝い、イベントのヘルプ、家事代行なんかもしてます。いや、ウーバーはやったことないです。
住まいは古い一軒家を借りています。広いのに家賃が手頃なんですよ。
パン? 好きですねー。3食パンでもいいくらいです。あと、肉も野菜も魚も好きです。米も好きですよ。え? 嫌いなもの? …そういえば、ないかもしれませんね。
みんなのことをどう思うか、ですか。そうですね…
未来さんは、周りをしっかり見ている。そして、いろいろ感じているけれど、表にはなかなか出さない。慎重なんでしょうね。そういう意味で、フットワークの軽いさっちんとはいいコンビだと思います。未来さんは口数こそ少ないけれど、多くを感じ、味わい、吟味し、受け止めている。目を見てればわかるんです。未来さんは自分の感受性の価値を、まだ知らないみたいですけど。
さっちんは自分の直感や気持ちに素直ですね。今どきの子なのに、とても素朴な感じも同時にします。いろんな人をいい意味で巻き込んでいける人です。持ち前の軽やかさを大切にして、のびのび育ってほしいと思います。
ほのかさんは、きっぷのいい子ですね。ああいう子が自分らしくいられると、場が明るくなる。彼女は自分を大切にすることを知っている子ですね。健全な家庭で育ったんだろうなあ、と推測します。だから、と言いますか、自分を大切にできない人がいるのは、まだ少し不思議なのかもしれません。でも、その辺りはこれからいろんな人と出会う中で自然と学んでいくことでしょう。あと、共感力の高い子でもあるから、周りを心地良くしてくれます。彼女の友だちになる子は、幸せだと思います。
吉野くんは…手強いですね。なかなか「底」を見せない。別に底を見たいとかそういうのではないですが、人間、地金が露出してからが勝負というか、それが成長のきっかけになることも多いと思いますから…。吉野くんはまだ厚い鎧をまとって世界に身構えている感じがします。これからの彼に期待しています。
加藤くんは、誠実そうな青年ですね。素直で、まっすぐ。だから、と言いますか、成長過程で何か大切な忘れ物をしてきてしまったような、そんな印象も受けます。とはいえ、彼はきっとその忘れ物たちを取り戻して、男らしく逞しく成長していくことと思いますよ。
浅田くんは、いいですね。変に歪んでいない。少年がそのまま高校生になったような感じがします。もちろん、成長の必要はありますけど、あまり心配にならないタイプですね。環境が良ければ、彼はどんどん伸びていくように思いますから。




