虚影録 39話 とある神の名。
クトゥルフ神話を調べていたら、
旧神ってのがいるらしいね。
伊「……
眩しい…」
ノ「目が……
痛い…」
虚『なんでこんな光発してるんだよ…
不良品じゃねぇか…』
奏『目隠して正解だったぁ…
危ない、危ない』
伊「勇者さん……
鞘は無いんですか…?」
ノ「家から持ってきてますが……
まともに見えない……」
奏「これですか!?」
ノ「よく見えないですけど、
金と白ベースの鞘です!」
カポッ
ノ「光が…収まった?」
伊「奏架君、ありがとう。
君が居なければ目が使えなくなるところだった。」
奏「もう、眠いので寝てきます。」
ノ「じゃあ私も。」
伊「今日は寝て休みましょうか…」
奏架達は…
寝た!
───翌日───
伊「では、旧魔王城の偵察に行ってきます。」
そう言うと伊月はヨ・サンオーbarを出ていった。
───魔族の国住宅街───
ご近所同士で話し合い、
物を交換し合ったりしており、
途轍もなく活気に溢れている。
伊『なんとなくで住宅街に来たものの、
視界は悪いし人が多いな…
あそこの高めの塔からなら見渡せるかな。』
伊月は走り出し、
少し経ったところで塔に着いた。
伊『兵が多いな…
魔族の重要なところか、
それか何か起きたのか…
まぁ、兵から私は見えないから、
このまま突っ切るか。』
伊月は兵を無視し、
塔を登り始める。
兵もまた伊月を無視していた。
まるで伊月が兵の目に”表示”されてないかの如く。
伊『階段まで兵だらけだったが、
ぶつからなくて良かった…
それでそれで、あれが旧魔王城か。』
伊月が見るその城は、
禍々しくもない、
ただの城であった。
基本的な色は白と青で構成され、
魔の者が住んでいるとは到底思えなかった。
伊『魔王城なら魔王城らしく、
黒と紫の配色にしてほしいですが、
まあどうでもいいでしょう。
それよりも……』
伊月はバッグから望遠鏡を取り出す。
伊『えーっと、
あれが入り口だったかな?
以前の戦いの後は修復されてないと…
ただ一斉に数百人程度は渡っても崩れなそうですね。
兵は20程度と、入り口はざらですね。』
旧魔王城の入り口は、
城を囲む堀と繋げる橋が渡されていた。
伊『流石に近づかなければ四天王は見れなそうですね…
だけど、見た感じ結界が張られてそうかな…
結界のギリギリまで近づくか。』
そう思うと伊月は、
塔の頂上から飛び降り、
着地の瞬間完璧な受け身をとり、
ほぼ無音で着地した。
伊『旧魔王城の結界付近はあそこかな?』
伊月は走り、
結界ギリギリまで近づく。
伊『んー…
結界も弱いな、
やろうと思えば誰でも入れそうだ。
まぁ流石に侵入者の検知用かな。
ここらに高台は……
なさそうかな。
外を見てる感じ兵は中に集めてる感じか…
まぁ検知用の結界なら無視できるから入るか…』
伊月は結界に認識されない…
いや表示されていないかの様に結界の内側へ、
入っていく。
伊『やはり、検知用の結界でしたか、
四天王は相当自分の実力に自信があるようですね。
正面から行きましょうか…』
伊月は兵を無視して旧魔王城の中へと…
入っていった。
伊『人の王国の城の内装とかなり似てますね。
色も人のメジャーな色……
魔王は人に執着でもしていたのか?
いや、いまはどうでもいい…
今は兵の配置と数を…』
伊月は兵の配置と数を、
メモ帳に書き記しながら旧魔王城を走って行く。
その音や風圧は兵達には届いていないようだった。
やがて伊月は全部の廊下を回りきり、
魔王の玉座へと着く。
伊『ハァ、ハァ、
ここも以前と変わりなしですか……
違うとしたら魔王の玉座の下に四天王専用の席があるぐらいか…』
魔王の玉座の間は、
依然として人の城と同じように、
椅子は金と赤。
部屋の周りには何かを表したような、
異形を形どったステンドガラス。
その異形は外からの光が差し、
伊月に光が伸びるように指していた。
それは恐怖心を煽るような姿だが、
綺麗で美しく、どこか神々しかった。
そしてそこには兵も、四天王も何も居らず。
今この瞬間だけ伊月だけがいた。
伊『気分が悪い……
姿を消しているはずなのに、
何かに見られているような感覚がする…
視線は…あのステンドガラスの異形か……
まぁいいや、早くこの場を離れよう…』
そう伊月が思い、
伊月が去っていった。
ダッダッダッ……
誰かが伊月も居なくなった、
玉座の間へ近づき……
玉座までの階段の一番下で、
何かを唱え始める。
???「イア!イア!ナイ………」
途切れてナイなっちゃったね




