虚影録 33話 森の女王。
なんか、やっぱり回想上手いかも、
今回、回想じゃないけど
───バウム・フシオンの庭園───
伊「どうにか…ハァ…なりましたね……」
奏『伊月さんが疲れてるの始めて見たかも』
伊「とりあえず、
バウムが起きてから情報を話して、
協力を仰ぎましょう。
彼女はかなりの戦力になる、はずです。」
黒「裏切ったりしねぇのか?」
伊「随分と年月が経ったから、
性格が変わってなければいいんですが……
変わっていなければ最低でも支援はしてくれます。」
黒「というか、伊月、さっきから呼び捨てているが、
友人かなんかか?やけに詳しいし。」
伊「えぇ、300年ほど前にスパイとして潜入してもらっていた時に、
話してそのまま友人に…
もしかして黒嶺ギルド長、まさか私を疑ってます?
あーあ、これは休日を2倍…いや3倍にしてもらわないとな~~ッ?」
黒「……分かったそこまで言うなら信じよう……
流石にそんなに休まれるとギルドの依頼が滞る…」
そう伊月と黒嶺が話していると……
森の動物達が駆家寄ってくる。
どうやらバウム・フシオンを心配しているようだ。
動物達がバウム・フシオンの事を舐めたりしていると、
突然動物達が舐めるのを止め、
少し喜んでいるように聞こえる鳴き声を発し始める。
伊「バウム~?バウム~?
起きろ~」
バ「んん…い、伊月~?」
伊「やぁバウム、
久しぶり。」
バ「久しぶ……なんであの時助けてくれなかったの!?」
伊「あ…えーと…それはだねぇ…
私の能力と持ち合わせの技能だと無理と判断して~…
すまない……助ける気だったんだが、思っていた以上に強大で…」
バ「まぁ良いけど!
それよりも、
伊月、助けてくれて、ありがとう…」
バウムはそう少し涙ぐみながら感謝を伝えた。
バ「ところで今どういう状態?
魔王は封印されたの?
というか後ろの人達は?」
伊「魔王は…
今封印を解除しに行くところかな。
で、後ろの人は……」
黒「俺はとある町でギルド長をしている黒嶺だ。
よろしく頼む。」
杉「私はこの子の教育役の座小杉です。
よろしくお願いします。」
ノ「僕は勇者の祖先です。
よろしくお願いします。」
奏「僕は奏架です。
よろしくお願いします。」
虚『何の説明もないの草。
まぁ実際話すことないしなw』
奏『何の取柄もないって遠回しに言ってる?…』
バ「よろ、しく?
それで私を救い出したのには理由があると思うのだけど、
何か用事があるの?
……ん、あれ?魔王の封印の解除??」
伊「あれから大体300年経ってね。
あの後封印は成功したものの、
今封印が緩んできていてね。
わざと解除して弱ってるうちに叩こうって話さ。」
バ「あれ?私の記憶が正しければ、
伊月が言ってた彼が魔王は”不死身”って暴いたんじゃ?
封印以外意味ないんじゃないの?」
伊「それが、この勇者さんが居れば魔王を倒せる可能性があるんだよ。
退魔の剣と勇者さんの技で不死身関係ないらしい。」
バ「そうなの…?
まぁ対魔王用の技があるのは分かったけど、
その、失礼なんだけど見た感じその子弱くない?…」
伊「……」
バ「忘れてちょうだい、
今のは失言だったわ。
それで私への要件は?」
伊「私達をできるだけバレずに魔族領内部に入れてほしい、
入った後は私達でどうにかするから。」
バ「一応聞くけど、
国民には手を出さないよね?」
伊「国民には手を出さない、
約束する。
倒すのは残り3人の四天王だけ。」
バ「分かったわ、着いてきて。」
するとバウムは歩き出し、
魔族領の壁がある方へと進んで行く。
進んだ道は動物も、
植物すらも道を開け、
まるで王が通る道のようであった。
そして所々倒れている木があった。
それは本体を失った元々世界樹の継ぎ木の根から、
生えていた木だった。
だが、次の瞬間その木々は黄色い破片となり、
空を飛んでどこかを目指すように飛んで行った。
奏「なにあれ…まるでゲームみたい。」
伊「あれは世界樹に戻って行ってますね、
正直消しておきたいところですが、先を急ぎましょう。」
すると奏架達はペースを上げ、
走って行った。
そうして魔族領の大きな壁に着いた。
上には巡回兵……
だが、バウムには秘策があった。
バ「魔族領の中へ繋がってる穴があります。
皆さんはそこを通ってください。」
バウムがそう言うと植物で覆われていた穴が、
植物がどき、露になる。
奏「わお、植物が言う事聞いてる。」
ノ「祖先に聞いてた森の女王ってあなたの事だったんですか…」
伊「あれ?バウムって勇者と面識合ったっけ?」
バ「一応一回だけあるよ。
あとそれとこの地下道の先は、
私の知り合いのバーに繋がってるから、
一応連絡手段があるから連絡しとくよ。」
黒「それはありがたい。」
バ「それじゃあ、
私は戦うのは無理だからまた後で。」
伊「またお茶会しよ~!」
そう言いながら伊月達は穴の中へと潜って行った。
古き良き友。




