虚影録 32話 希望の音。
木とかの植物って大体中ボス多いよね~
次の日私は、
違和感に気が付いた。
背中から何かが伸びている。
そんな感触がした。
そして私は家の中にある、
鏡で自分の背中を確認した。
するとそこには”木の枝”のようなモノが生えていた。
私は少し諦めていた。
昨日、伊月に大丈夫と言ったが、
本当はもう刺された時点でダメだと、
理解はしていた。
だけどこんなにも早く、
世界樹の苗が発芽するなんて思いもしなかった。
ただ、なぜか栄養を取られているはずなのに、
私の体はいつにも増して活性化していた。
そして自分に魔力が満ちているのも分かった。
私は気分を変える為に、
外へ出た。
そこには違和感しかなかった。
いつもであれば兎や鳥とかの動物が戯れているのに、
今日はジーっと私の事をずっと見つめていた。
いや睨みつけていた。
そして私の森は、
自分の森じゃないかのような、
そんな違和感を感じた。
私の不安は一気にこみ上げた。
毎日のように戯れていた動物や木々が、
まるで私を部外者かのように睨め付けているのだから…
私はそれでも動物と関わろうと近づく、
だが動物達は恐怖したかのように、
鳴いたり唸り声を発しながら威嚇し、
逃げて行った。
その時私は、
私が私じゃなくなってきていることに気づいた。
そして私が寝ている間に成長をしていたから、
できるだけ、寝ずにそこからは過ごしていった。
できるだけ光合成をし、
できるだけ背中の木を切った。
ただ、それはその木に誘導された行動だった。
光合成で植物が成長するのは知っていた、
だがこの木は夜に成長していた。
てっきり朝や昼が苦手なのかと思っていた。
だがある日私がいつものように、
庭園の真ん中で日の光を浴びていた時の事……
ソレは急激に成長を始めた。
もはや切り刻まれ木がほぼ無いに等しい状況だったが、
根に溜め込んでいた栄養を全て成長に回し、
一瞬にしてソレは大木となった。
そんな時だった。
私の意識がまだあるその時。
伊月が私の庭園へ入ってきた。
伊月は不思議そうな顔をした後に、
ソレに攻撃をされた。
ただ当たっても少し吹き飛ばされただけで無傷だった。
伊月は今は無理と判断してか、
その場を去っていった。
私は絶望した。
今の私は伊月でも、
逃げる選択しかできない化け物になってしまったこと。
そしてこのままこの木の一部として、
今後を歩んでいくことに……
その時私の意識は途切れた。
次に意識が戻ると、
私は琥珀の中に居た。
庭園が少し見えるが、
その奥には森が少し見えただけで、
それ以外は見えなかった。
ただ不思議とその森は、
自分の森だと違和感なく思えた。
そして私はまた眠りについた……
それから幾年たっただろうか…
自分の耳に轟音が鳴り響く。
誰かがこの琥珀を殴っているようだ……
自分でも逃げれないか試したが、
動こうとするだけで痛むレベルの頑丈さ、
人が割れるのだろうか…
私は少しだけ、ほんの少しだけ期待を胸に、
割れる時を待った。
だが、その人間は樹木の根で吹き飛ばされ、
後ろにいた後衛は植物に侵され悲惨な状態になっていた。
期待するだけ無駄であった。
それから私は期待するのを辞めた。
それからまた幾年もの月日が経ち、
また私の耳に轟音が鳴り響く…
以前に聞いた音と比べようにならないほどの
轟音を。
目を開けるだけ開け、見ると、
そこには数百年は経っているはずなのに、
伊月と瓜二つな人間と筋肉が発達してる男がいた。
琥珀にひびが入った。
ただ後ろの後衛に攻撃が迫っていた。
私は後衛が崩れるたら終わりだろう、
と思い、どうせ勝てないだろうと、
また眠りに着こうとした……
だが、その時だった。
なぜだか知らないが琥珀の硬さが少しだけ、
柔らかくなった!
その次の瞬間!
バリッボゴンッ!
ドゴァン!
と先ほどよりも大きな、それは大きな
轟音が鳴り響く。
琥珀が砕け散り、割れた。
すると聞き覚えのある声が聞こえた。
伊月の声だった。
ただ、外に出た瞬間に私の意識は落ちた……
気圧さやばそう




