虚影録 28話 お掃除日和。
眠いっす。
───旅館までの道───
まだ少し、怪獣達の声が響いている。
奏「はぁ、まだ聞こえるよ……
せっかくの夜が台無しだ…」
虚『まぁまぁ、ちょっと離れりゃ聞こえなくなるさ。
それに少しと言えど、良い夜は過ごせただろ?』
奏「そうだけどさぁ……
まぁいいや…もう疲れたし寝れそうだよ。」
虚『じゃあ旅館に帰って寝るのか。』
奏「明日に備えてそうするよ。」
───旅館内───
虚『やっぱこの廊下もなかなか綺麗だ。
横の窓から照らす月光!最高だわ。』
奏「あ、ぁ?そうだ…ねぇ~…」
虚『滅茶苦茶眠そうじゃん、
早く寝室行かないとぶっ倒れるぞ~』
そう言っていると奏架は寝室に着き、
寝た。
───翌朝───
奏「おはよぅ、ございまぁーす…」ねむねむ
黒「あれ?奏架。
いつの間にその首飾り渡したっけか?」
奏「昨日の夜に外出る時に貰いましたけど?…」
黒「あー、そう言えばー…そうだった…か?
まぁいい、それ貴重品だからなくさないようにな~」
奏「あ、はい。」
黒「それより準備だ。
杉!携帯食を10日4人分で買ってきて来い!」
杉「は~い。」
奏「そう言えばギルド長…」
黒「どうした?」
奏「昨日、外出した時に変態の上位種が現れたんですけど…
あれが何かわかります?」
黒「特徴は?」
奏「赤い仮面を付けた太ったおっさんと、
ニット帽を深くかぶってコートを纏ったケツだけ出したおっさん…
ですね。」
黒「あー、あいつら…また……
そいつらはおそらくA級パーティー所属の
B級冒険者のはずだ…一応この国の最高峰だ。」
奏「あ、あんな奴が…?」
黒「一応、夜以外は真面目なんだがな…
”夜”以外は…」
奏「あ、あぁ~そうなんすね…」
黒「ま、まぁあいつらのことは一旦置いておいて…
奏架、魔族領へ向けての準備をしなさい。」
奏「はーい。」
奏『準備…準備?
僕、荷物なんもないんだけど…』
奏「ギルド長!
僕、まとめる荷物なんもありません!」
黒「じゃあ部屋の片付けしてくれ、
俺は別のことをやってくる。」
奏「はーい。わかりました~。」
そういうと黒嶺はある程度荷物をまとめた後に、
部屋を出て行った。
奏『片付けって何したらいいんだろ…?』
虚『布団だとかゴミ散らかってるんだから、
布団折りたたんだりゴミ集めたり―――』
奏架は虚天にサポートしてもらいながら片付けていき、
荷物をまとめ終えた黒嶺などが帰ってくる頃には…
完璧なまでにピッカピカになっていた。
黒「奏架……
何もここまで綺麗にしなくても良いんだぞ?…」
奏「掃除以外やることないんですもん…」
黒「ま、まぁいいか、
とりあえず準備ができたから行くぞ~。」
奏「は~い!」
それから、
旅館の受付に行き、
お礼やらなんやらをし終え、
馬車を捕まえて魔族領への旅が始まった。
黒「フードマント被ったかー?
魔族は人と近しいがかなり違うからな~
身を隠さないとすぐバレるからな~」
そう黒嶺が言うとみんなぼろい布のような、
フードマントを身にまとう。
奏『これってフードマントって言うのか、
初めて知ったわ。』
伊「そろそろ着きそうですかね?
魔力の密度が高くなってきてますから…」
杉「こんな魔力密度初めて何ですけど…ゴホッゴホ」
黒「そのうち慣れるから大丈夫だ。
それより魔物を警戒しなければ…」
そんな警戒をしていたが…
何事もなく、魔族領との境界までたどり着く。
御者「この度は馬車のご利用あざした~
次のご利用もお待ちしてます~。」
奏「…1万って、ぼったくりじゃないすか?…」
伊「魔族領は大抵の人から見たら危険な場所だから当然さ、
特にこの魔獣がひしめいている森の近くだとね。」
そう、伊月が見るその生きているような森は…
奏架が以前行った死者の森よりも不気味であった……
筋トレしたいなぁ。




