陽織、湊人の矜持を抉る?
朝起きて、ご飯を食べようとダイニングに行ったら、なぜか陽織が、兄とご飯を食べていた。
なぜだ!?
そういえば、昨日の夜、黎兄が陽織の勉強を見てあげている、と母が言っていた。
もしかしたら、徹夜で勉強?と思ったが、その割に元気だ。
黎兄が学校まで送ってくれる、と言うので、2人で車に乗った。
そこで、陽織が黎兄の部屋に泊まったと言うことを知った。最近、この2人はおかしい!
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黎人の形代が飛んできて、SOSを告げる。
また、何かあったのか?と思って黎人の家に行ったら、陽織ちゃんが風呂の中で寝て起きない、と言う。
「あらあら。」
と、黎人と2人で外に出して服を着せ、髪を乾かしたけれど、全く起きない。
仕方ないので、黎人のベッドに寝かせて、陽香に電話した。
「ごめんなさい、夜分遅く。」
と切り出すと、あちらも予想がついていたのか、申し訳ない、申し訳ないと、謝罪をするばかりだった。
「本当に、あの子寝ちゃうと、何しても起きないの。絶対に大地震で命落とすタイプよ!」
と母親なのに、物騒なことを言う。
朝、6時に目が覚めたらしく、黎人と2人元気に朝ごはんを食べて、学校へ行った。
本当に可愛くて、面白い。
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春季講習後半も終わり、いよいよ新学年が始まる。
講習の後半は数学と物理だったので、特に問題はなかった。
始業式の日、新しい時間割をもらったが、選択科目が多すぎてよくわからない。
仕方ないので、毎回羽織の後について行こう、と思った。
土曜日は去年と同じ、Sクラスの特別授業。
陽織はお正月に、神様の花嫁であることを、十神家全部に知られたので、新一年生の注目度が高い。
「うー、やりにくいよー。」
と湊人に言うと
「はあ?俺の方がもっとやりにくいんだけと!」
と、なぜかお怒りモードだった。
以前から陽織に当たりがキツイが、最近は更にキツくなっている。
とは言うものの、2人はこの一年で、現場をかなり経験したため上達はしている。
他の高校生と比較しても、段違いにはなっていた。
特に、陽織はずっとボランティアと称して、神嶋にご指名されていた。
「やっぱり、ダントツで陽織は上手くなっているよな。」
大神が感心したように言う。
「一年生は基本、現場の経験はさせないのですが、彼女は神嶋さんからのご指名が多いですからね。」
「やっぱり、現場経験は成長させますよね。」
3人の教員の話し声が、嫌でも湊人の耳に入る。
湊人も何回か、兄たちに連れて行ってもらったが、陽織に比べたら、半分だ。
「くそっ。」
元々負けず嫌いな湊人にとって、その差がどうしても納得できなかった。陽織にプライドを削られた気分だ。
ただでさえ桁違いな力を持つ陽織と比較されたら、たまったもんじゃない。それでも、負けることは矜持が許さなかった。
焦っても、どうしようもないのに。
そんな湊人の姿が大神の目にもあからさまだったのか、注意されることが増える。
途中から、一年生に色々な種類別の特徴を説明することになった。
湊人は神林先生が張った結界に対して、最大限の炎を放つよう言われ、一年生から感嘆と、称賛の声を受けた。
そのあと、土が得意な宏輝が何もないところから土壁を作ったり、陽織が部屋を冷凍庫にした時は、先生が4人がかりで焦って、術を解除していた。
他にも、巫女候補の一年生に、美織、千織、羽織、陽織が様々な結界を見せる。
相手の術を跳ね返す、霧散させる、無効力化、取り込んでしまう、など。
最後に湊人が銀龍を出して、一年生にも使役するものを作るよう説明して、初めの授業は終わった。
陽織たちが帰りの支度をしていると、在校生で唯一龍を使役する湊人のところに、一年生が集まっていた。
湊人が偉そうに?説明しているところを横目に、陽織たちは教室を出た。




