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陽織、経費の落とし方?を知る

住宅地を抜けると一軒のスーパーがあった。

3人はバーベキューに足したい食材と飲み物を調達する。

「お酒は?お酒、いらないの?」

「湊人、僕たちの中で20歳以上は何人でしょう?」

「高嶺さん、だけです!」

「だめ!帰りの運転手いなくなる!」

そんな感じで、お茶にジュース、焼きそば、に、また肉?と野菜。を買った。


コテージに戻ると、すでに神嶋さんが来て、今回の話をしていた。

やはり陽織の予想通り、あの病院ではドナーチルドレンを育てて、必要に応じて臓器の売買をしていた、ということだ。


ただ、ある日院長が何者かに殺害され、その後廃業となった恐ろしい病院だった。

院長は死んでもなお、あの中で人を殺していたのかもしれない。


あまりにも気持ち悪い話しの後、すぐにバーベキューという気分になれなかった。


しかし、その空気を一新したのが、高嶺の非情な声だった。

「では神嶋さん、コレが今回かかった経費です!」

高嶺は、コテージ代、ガソリン代、高速代、そしてここでの飲み食いに、持って来たシリアルバーや飲み物のレシート、しめて10万円近くの領収書を神嶋に渡す。


「え?君たち、コレ何買ってんの?」

領収書の束を見ながら、神嶋が眉を寄せる。

「焼きそば?プロテインドリンク?テント何コレ?」

「だから、この件で僕たちが必要とした物、全てです!全て使いました!」

え?テント?


「テントは助けた女性たちを救急車が来るまでの間、休ませるために使いました。」

おー!そうだったのか!


神嶋さんが渋っていても、さすがに今回は誰も折れない。いや、ほんとにいいのか?


そういえば、スーパーで黎人が言っていた。お菓子売り場で

「大丈夫、大丈夫!コレ全部経費だから!」

神様が、そんな不正をして良いの?


「チョコレートやお菓子、ジュースは?」

と、聞かれ、

「糖分は、僕たちの霊力回復に必要です!」

黎人も負けてない。


「肉ないと動けないしなー。」

と湊人。それはあなただけだろう!

「リップクリーム?洗顔フォーム?」

「昨日の現場で、もう汚れちゃったの落とすの、すっごく大変だったんです!なんならエステと美容院も行っていいですか?髪がボロボロで〜。」


最後は、陽織にまで泣きつかれ、諦めた。


五人に畳み掛けられるように、説得された神嶋は、高嶺と悠人が作った書類、大量の領収書を持って、東京に帰って行った。


「まあ、今回の案件は、その前の事件を県警が隠していた責任もあるのだろう。」

そう高嶺が締めくくり、バーベキューで気分転換をすることにした。


「知ってる?もうすぐお盆だから、火をつけて邪気を祓うのは大切なことなんだよ。」

黎人が薪に火をつけながら言う。


五人は薪が燃えるのを見上げたあと、静かに黙祷をした。


あれから東京に帰り、陽織たちの日常が始まった。

まだ、陽織は相変わらず、神様の花嫁は、絶対イヤ!

と言い張っている。


その割には、よく黎人と一緒に案件を受けに行くようになった。






気がつくと、街路樹は葉を落として街は冬支度に入っている。テレビのニュースでは、冬季五輪のメンバーが発表されていた。


陽織は今日も美織や千織、羽織と一緒に図書館で勉強をしている。

いつか、違う夢を見つけられることを信じて。

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