↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
273/279

陽織、産休?育休?(神様の娘編)

姫花が家で生活を始めてもうすぐ10日、本来なら予定日だった日になった。黎人は自分と同じ、5月生まれの娘をいたく可愛がっている。

毎日、頬擦りにほっぺにチューに、と忙しい。

鷹人の時とは、また違う可愛がり方だ。

「黎人さん、お仕事はどうするの?陽織は産後休暇が7月のはじめまで無くなっちゃったから、6月末くらいから出動しなくちゃだよねー。」

黎人は陽織の言葉を聞いて、ギョッとなった。


「え?陽織、本当に仕事続けるの?育児休暇は?申請してないの?」

「だって、まだ陽織は入社したばかりの新人さんだよ?産休だってイレギュラーでもらったのに、育休なんて言えないよ!」

それを聞いて、黎人は頭が痛くなる。

そんな話が両親に知られたら、絶対に怒られる!

高樹だって同じだ!

また、土下座案件になる!

レイリーだって1歳児未満の入園は断っている。

本来なら、陽織は家にいてしっかり子育て、が両親の考えだ。それが、まだ生まれて半年にもならない子どもを誰かに預けて仕事に行く、なんて!

当然、美咲は劣化の如く怒るに違いない!


たしかあの時、陽織の中絶話を止めるために、慌てて神橋を説得した。産休の申請だけはした記憶がある。しかし、たしか秘書課長は育休明け云々と言う話をしていた記憶があるが‥。

「ちょっと待って、とりあえず会社に確認してみる。慌てて、余計なことしちゃダメだよ。」

余計なこと?

と、陽織は考えて、ちょっと怒った。

「陽織、そんなことしないもん!」


黎人は慌てて神橋とやりとりをしていたら、結局両親にバレた。いくら大手のグループ会社、子会社、がたくさんあっても、同じ会社にいれば大事な情報は筒抜けになるのは、当然だ。


「で?黎人はどうするつもりだったの?」

いきなり父親に呼び出され、母親に迫られて、今正座している。

「えと、その、陽織が、諦めるかなーと、なんとなく思って。」

その答えに、蓮也は呆れてため息をつく。

「もう、何年一緒にいるんだ。そう言う子じゃないことくらい、お前もわかってるだろう。」

「そうよ!いい加減に産休取ればいい、なんて説得するからそうなるのよ!」

「だいたい、神橋くんだって、当てにしてないだろう。」

「それが、社長もなんですが、現場の総務部長が乗り気で、早く戻っていただけるならありがたいと。」

「はあー?何言ってんのよ!世の中育児休暇一年以上が常識よ!それに、うちはお金に困ってるわけでも、働いて欲しいわけでもないんだから!!!」

美咲に怒鳴られて、黎人は流石に耳を塞いだ。

やっぱり劣化の如く怒られた!


「とにかく、家事育児第一!高樹さんにも言われてたでしょう?ただでさえ、陽織ちゃんは体力ないんだから!6月末から仕事なんて再開したら、すぐに寝込むに決まってるじゃない!!!」

たしかに、陽織は父親からも就職を反対されていた。


「で、でもそれは、僕だけの責任ではないと、思い、ます。その、父上だって、とりあえず、内定を許可しちゃったじゃないですか!!」

「あの時は、あーでもしなかったら、公務員試験とか受けられてたぞ!彼女なら国家公務員だって合格する可能性はある!省庁とかに入庁されたら、こっちだって手は出せないところもあるんだ!」

神嶋からもwelcomeだったとのこと。

「だいたい、陽織ちゃんの就活を許した黎人が悪いんでしょ!最初から、絶対にダメだ!って命じればよかったじゃない!」

「そんなことできないでしょう?それじゃ、僕は暴君になっちゃう!」


陽織はその頃、鷹人と姫花を寝かせて、黎人が両親に呼び出されて戻るのを待っていた。


そして、親子3人が言いあってるところに、湊人が帰ってきた。

「また、何喧嘩してんの?兄上が正座してるってことは、どうせ陽織のことなんだろう?」

湊人は、黎人を見下ろし、睨みつけて言う。


3人は三様に話をかいつまんで説明した。

「あのさー、まず母上は古過ぎ!昭和じゃないんだから、何それ?今、良家のお嬢様だって働く時代だぜ!

千織にそんなこと言ったら、親子の縁、切るからな!それに、兄上も最初に労働者の権利って言ったなら最後まで、それ貫いて陽織に育休取らせればいいじゃん!あと、今時リモートの仕事がない会社って少ないぜ!実際兄上だって、リモートで仕事してたじゃん。陽織が仕事したい、つーんだったら、リモートでできる部署に、ぶっ込んでやればいいじゃん!」


湊人が一気に話した。

美咲だけは、それでも文句ありありな顔をしていたが、黎人は味方を得た!とばかりに、立ち上がると、湊人の両手をギュッと握る。

「ありがとう!さすが俺の弟だ!」

いや、何?それ!嫌なんだけど!

と、湊人は嫌そーな顔をした。


「たしかに。どの会社にもリモートでの仕事を利用している社員はいる。元々、彼女の内定を出したいと言い出したのは神橋くんだし、内心出したかったと、神北くんも言ってたんだ。他に行ってほしくない、という理由で。それに、先日神橋くんからは、できれば、育休明けたら戻れないか、と言う相談は受けている。」

と、蓮也が言い出した。

「なら、最初にそれを!」

と、黎人が言うと

「だいたい、どうしてわたしに相談があって、お前に相談がないのか、考えろ!」

と、怒鳴られた。

それだけ、神橋からの信用がまだない、と言うことなのだろう。それを突きつけられて、黎人は俯く。

「なんでも、先日会社の懇親会で、数週間しかいなかった、陽織さんの噂が絶えなかったようだ。とにかく戻ってきて欲しい。一緒に仕事してみたい。びっくり箱のようで楽しかった、と。特に若手の男性社員の多くから。」

最後の一言で、一気に黎人は嫌な顔をする。

「だから、お前に相談をしなかったんだ!どうせ、そんな話しを聞いたら、頭ごなしに反対するだろう!」


あ、わかる。

と湊人はぼそっと言うと、キッチンに行って自分の夕飯を食べ始めた。


2時間ほどして、黎人が戻ってきた。

「おかえりなさい?」

なぜか複雑そうな顔をしている。

「あの、何かお義父さまに言われた、のですか?」

と聞くと、

「んー、明日もう一度神橋さんと話して、決まったら話すね。」

と言われた。

やっぱり陽織の仕事のことだったようだ。

「やっぱり、わたし解雇、ですか?」

陽織は下を向いてしょんぼりする。

「イヤイヤ、逆逆!とりあえず育児休暇が取れそうだから、心配はしないで、大丈夫。」

と黎人が言って、陽織をギュッとした。

「あの、いいんですか?」







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。