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陽織、結菜の居場所を守る(子育て編)

黎人の元に、天神のパーティーの招待状が来た。

黎人はもちろん、蓮也夫婦に陽織、湊人、鷹人も呼ばれている。悠人のところにも行っているだろう。

面倒だ。


黎人は陽織を大学に迎えに行きながら、近々悠人と湊人に例の計画の話をしたいと連絡を入れた。


夕方遅く、実験が終わった4人は、キャンパスの正門近くまで歩いていた。

正門には、雨宮と2人の薬学部の後輩、宏輝と颯斗がいる。さらに湊人の姿もあった。

陽織は、なんだみんなデートか、と思い、自分の迎えの車を待った。


すると、キャンパスの駐車場に入ってきたのは、笹神ではなく黎人の車だった。

黎人が車から降りると、雨宮と日緒理は心なしか緊張する。元とはいえ、雇い主だ。

大会社の社長。

他のメンバーは、高校生の頃から見慣れていて、特に湊人たちは平常運転だ。


そして、そんなこと気にせず、黎人は陽織を見つけると、ギュッと抱きしめて、キスをする。

「陽織、お疲れ様!」

「黎人さんもお疲れ様!お迎え、ありがとう!」

と、陽織もぎゅーっと抱きつく。

いつもながら、イチャイチャマイペースだ。

そして黎人は、湊人の姿を見つけギョッとする。

「なんで湊人?」

「えーっ、良いじゃん、車乗せてくれたってー。」

黎人は仕方無さそうに、後ろの座席を開くと鷹人が乗っていた。

「じいじい!」

と、鷹人に言われて湊人が怒る。

「あれ?今日のお迎え、みぃちゃんじゃなかったの?」

と陽織が言うと、

「なんで、ババアがみぃちゃんで、俺がじじいなんだ!」

と湊人が怒りながら、車の後部座席に乗った。

「鷹人、俺はニイニだ!」

唖然としている残された6人に、陽織は手を振って車の助手席に乗り込んだ。

「相変わらずの黎人さんだねー。」

羽織が苦笑いすると、初めて見た雨宮はとにかく目が丸くなっている。

「さっき一緒にいたのが、噂の奥様!?」

日緒理に聞く。

「まあ、そうです。奥様っていうのは笑えるけど。」

と、宏樹が代わりに答えた。


車が発進すると

「だって黎兄からメールがあったから、陽織と一緒に帰れば会えるかなーって思って。」

と湊人が言うと、

「近々だ!今日とは言ってない!」

と、黎人が怒っている。

以前、綾人が言っていた、黎人と悠人よりも、黎人と湊人の方が似ている、と言う言葉を思い出し、陽織は笑ってしまった。

本当、2人とも要領が悪くてマイペースだ。

そして

「何?」

「なんだよ?」

と2人同時に陽織を睨む。

本当に似てる!

「な、なんでもない。」

陽織は顔を外に向けて、笑っていた。


土曜日の夜、黎人は悠人、湊人、そして和嶺、高嶺と一緒に、蓮也の部屋にいる。

いよいよ、神次と岡元を追い詰める計画を始める。


今のところ、結菜は元気に生活をしている。

彼女の今の正確な居場所は、神嶋と黎人、陽織しか知らない。そして、それは陽織が思いついた、一番安全で良い場所だった。

この話を結菜にした時、初めはすごく難しい顔をしていた。そこで、陽織は自分が小学生くらいからお世話になっていた家であることを説明した。

ある程度日本語も通じる。

大学に入るまでの間に英語を勉強すれば良い。


ホストファミリーは大学の先生で、小さな子どもがいる安心できる家庭であることも。

そう、今結菜がいるのは、カナダのマギーたちの元だった。そして秋から、結菜はジェフの大学に通っている。

カナダは日本と違って、色々な犯罪被害者や、心の病気をケアする機関やカウンセラー、メンタルケアの専門家がたくさんいる。


陽織もいじめで日本の学校へ行けない、と言うことでお世話になったこともある。

日本のように、蓋をして見ないふりをする、と言うことはない。

だから、結菜に勧めた。

でも、それは羽織たちにさえ言えない。


結菜からの連絡は、まず陽織のもとにマギーたちが手紙をよこす。その中から、結菜の手紙を開封せずに実家に送る。そして、その情報が黎人が付けてるボディガードと神嶋に行く。最後に、陽織のところへ来る。

と言ったものだった。


陽織が知るのは、マギーやジェフからの情報だけで、直接結菜からの連絡を受けることはない。

もし、次に結菜と直接話すことができる日が来るとしたら、それは、神次が逮捕された時だ。

岡元を完全に追い詰めた時だ。


土曜日の夜、前回の対策会議のメンバーは、いよいよ1ヶ月後に迫った、天神家のパーティー、高嶺の二番目の息子のお披露目の日についての話を始めた。











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