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陽織、久々京都へ(子育て編)

今年のGWは、旅行しよう。

そう黎人が言い出した。

??

確かに結婚してから、一度も遠出してない。

鷹人も、家と保育園、陽織の実家以外に、行ったことがない。


ということで、3人で京都へ行くことになった。

「混んでいませんか?」

と聞くと、嵐山にある神代の別荘に泊まって、本当に久しぶりに紗香のところに行くらしい。


「実は、京都の神月家の次期当主、紗香様が一昨年ご結婚され、昨年4月にお子様が産まれたんだ。

そのお子様の一歳のお祝いに招かれている。」

お祝い?

招かれた?

と、陽織が疑問顔になると、

「ウチは、僕が阻止した。もう、本当に何考えてるんだか。年寄りどもは!」

「そう、なの?」


  そうか、紗香さん結婚したんだ。

  お子さんも。

陽織は5年前に会った、優しい紗香のことを思い出す。

「陽織は紗香さん、知ってる?」

と聞かれ

「はい。」

とニコニコ答えた。

「たっくん、初のお出かけ、だよ!」


陽織は自分の着替えや日用品だけでなく、鷹人の用意もしなければならない。

「紙オムツは現地調達でいいんじゃない?食材も。」

そう言われた。なるほど。

それなら荷物はかなり減る。

「日用品も、現地調達できますね。」

そう言って、着替えを中心に用意した。


すると、美咲がやってきて

「お祝いの会は、正装よ。ちゃんと2人とも着物が必要になるわ。」

と、言われた。


「えと、せい、そう?」

と陽織が、嫌な予感を浮かべて言うと、

「着物は別荘の方に送っておくからね。」

と、言われた。

   やっぱり!


黎人は新幹線で行くか、車で行くかを悩んでいた。

別荘だから、車でいいか。

でも、鷹人が疲れないか?

など。

「うん、新幹線で行って、別荘の車を借りよう!」

と、決めた。


土曜日の朝、混雑する新幹線のホームに行く。陽織にとってここまで混雑するのは久しぶりだ。

「GWに出かけるなんて、あの海以来ですね。」

鷹人を抱っこした黎人に、陽織が話しかける。

陽織が溺れた神嶋依頼の時。その翌年は陽織は予備校通いで遊ぶところではなかったし、その翌年は病院から退院したばかり。

去年も、病院だった。

   あれ?わたしGWにロクな思い出ない。

黎人も、それに気づいて、なんとなく気まずい。

特に去年は陽織が誘拐されて、助けて、拒否られて、大喧嘩して、の日々だった。

「今年はいい思い出にしようね。」

と、黎人は苦笑いしながら言った。


一応荷物の大半は、すでに送ったので、軽装で新幹線に乗る。

GWとあってグリーン車も満席だ。特に今日からは5連休。マスコミのカメラも駅にいた。

きっと高速も大渋滞だろう。


グリーン車の中でも、秋に導入されたばかりの個室を用意していた。今までは1人用の個室しかなかったが、今はソファー席と、普通席が向かい合わせの個室がある。普通、幼児は親が抱いて席を取らないのが普通。しかしそれでは鷹人が窮屈でかわいそう、と言うのが黎人の考えだった。


1人なら仕事以外でこんな贅沢はしない。が、滅多にない、本当に初めての家族旅行だし、できる限りの贅沢はしたい。


「たっくん、窓の外、見える?すごいねー。人がいっぱい!」

プライベート個室に入ると、鷹人ははしゃいで椅子に座ったり、窓の外を見たり、扉を開けてキョロキョロしたり。危ないので、黎人がやたらと、鷹人の手を引っぱる。


車内では、初めて、陽織自身も初めての駅弁を食べた。なんか、楽しい。


お昼過ぎに京都に着くと、別荘の管理人が車で迎えに来ていた。


前に京都に来た時は、嵐山には来なかった。

本当なら、凄く素敵な場所なのに、観光客がものすごい。

まともな観光、できるのだろうか。


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