↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
152/276

陽織、パーティーデビュー(子育て編)

100周年?

陽織はその言葉にびっくりする。


神代グループ生誕100周年と言うことで、3月に大々的なパーティーが開かれる。確かに100周年なら当然だ。すごい!


ただ、唯一の不安は、それに陽織はもちろん出席しなければいけない、と言うこと。

鷹人は6ヶ月になるがまだまだ手がかかる。しかも最近ハイハイを始めて、目が離せない。


しかも、それを知らされたのはまだ鷹人が2ヶ月の11月のことだった。黎人の隣でまた挨拶をしまくらなければならない。披露宴の恐怖再び?!?


とりあえず、美咲は自分の着物を引っ張り出して、陽織に合うものをさがすが、どうも気に食わないらしい。これも過去振袖の時にあったデジャブ。


陽織は鷹人を抱っこしたまま、美咲の着せ替え人形にされ、結局、お気に召した工房の職人を呼び寄せ、陽織の色留袖を作ることにした。


訪問者?付け下げ?色留袖?

どう、違うの?

毎度のことになると、陽織は考えるのをやめて、美咲の言うことを大人しく聞く。


そして3月。陽織が19歳になって間も無く、そのパーティーの日はやって来た。


ホテルは昨年、散々お世話になった都内の一流ホテル。色々とお世話になった人の中には、黎人と陽織のことを、覚えていた人もいた。


今回は会場に鷹人用のベビーベッドが用意されたが、大人しく中に入ってくれるなんて、期待できない。

陽織は始まる前から不安いっぱいで、とりあえずお腹いっぱいにした鷹人を母の陽香に託した。


今回は外国の取引先、各国の大使。各企業の取引先。全国屈指の病院の事務長や院長、ドラッグストア会社の社長も呼ばれている。

つまり、陽織の父や宏輝の父も招かれていた。

他にも、メディア大手、天神の社長を勤める梓沙の父、食品大手の社長である美織の父の姿もあった。


神代は製薬会社がメイン。しかし、実際には貿易や金融、スポーツ、文化などさまざまな分野にも出資していた。それだけでない。世界には、神代の息がかかったモノはたくさんある。


黎人と蓮也の挨拶と乾杯の後、陽織は黎人の隣に並び挨拶をする。3回目の披露宴以来の人もいて、陽織にも色々話しかけてくれた。


1時間ほど過ぎた頃、陽香が慌てて陽織を手招きしていた。鷹人が起きてぐずっているらしい。


陽織は周りの人に、外すことの礼をし、鷹人の元へ急いだ。その様子を見ていた客の1人が

「もしかして、黎人くんのお子さん?」

と聞いて来た。

黎人は恥ずかしそうに

「はい。」

と答えると、周りの人から、ぜひ見たいと言われ、陽織に連絡を入れる。


陽織はとりあえず、鷹人のおむつを変えて母乳を飲ませ、綺麗にした後、黎人から連絡があった。

   ''みんなに紹介する“

?たぶん子どものことだろう、と思い、抱っこしたまま会場に戻った。


会場に戻ると、

「なんだ、最初から見せてくれればいいのに。」

と、皆が口々に言う。

「そうだよ。せっかくの6代目だろう?」

6代目?

「お、元気そうだなー、男の子か?」

「黎人くん、そっくりじゃないか!」

「神代は安泰だなー。ちゃんと男の子がいて。」

男の子‥。

「いくら男女平等の世の中になっても、この世界は、やっぱり女性が生き抜くのは難しい。蓮也さんもだけど、黎人くんも男の子がいれば、そう言う心配をしなくていいって言うことだよ。」

そう言って、皆、少し離れた場所で談笑する梓沙の父をチラリと見た。


陽織はわかるような気がした。以前京都であった紗香。そして、高嶺の巫女の梓沙。どちらも一人娘だ。

紗香は一人娘というだけで、難しいモノを抱えていた。


鷹人が黎人の方に手を伸ばしたので、陽織から受け取り抱っこをした。黎人が抱くと、鷹人は何が楽しいのか、キャッキャと笑い出した。

たぶん、目線が高くなるのが嬉しいのだろう。


そのまま、鷹人が黎人の胸におでこをつけてムニムニすると、黎人はものすごく幸せそうに笑った。

(うわっ、陽織そっくり!)

その顔が珍しかったのか、周りからどっと湧くような声が上がった。


その後も、鷹人は黎人に抱かれたまま、ずっとご機嫌だった。陽織が手を出しても、戻ろうとしない。

もうすぐお開きになる。

たぶん、最後にも挨拶があるはず。


そう思ったが、黎人も何故か嬉しそうに、あちらこちらに行って、鷹人を見せて歩いていた。

陽織はいつ泣かれてもいいように、チョコチョコ後ろをくっついて行くが、コンパスが違い過ぎて、時々追いつけない。


「たっくん、パパご挨拶があるから、ママの方に戻りましょ。」

と陽織が声をかけたが、黎人も大丈夫と言って、そのままにしていた。

んもうー!


しかも、最後の挨拶を抱いたまま始めてしまった。

マイクに興味を持った鷹人が、涎まみれの手で、マイクを掴み振り回す。黎人は楽しそうにしているが、見ている方は、気が気ではない。

慌てて、ハンカチを差し出して、また鷹人に手を差し出したが、プイッと拒否された。

   なんでー?

   もう、ママは気が気じゃないから、

   とにかく戻って来てー!


2時間のパーティが終わる頃、鷹人は黎人の胸でスヤスヤと眠り始めている。

やっとこれで受け取れる。と思ったのに、何故か黎人が、いたずらっ子のように、しっ、と唇に人差し指を立てた。

そのまま寝せてあげたいというのか?


でも、黎人はもちろん、陽織もお客様の見送りがある。

会場から出る様々な人が、黎人の腕の中で眠る鷹人を覗こうとするが、一向に起きない。

大した大物だ。


帰る人は、黎人だけでなく陽織にも挨拶してくれる。

宏輝の父や、美織の父も。

「陽織さん、宏輝のこともよろしくね。」

と、宏樹の父が。

いえいえ、わたしの方が世話になってます。

「陽織さん、また遊びに来てね。」

と、美織の父も。


最後に

「陽織、いい加減に黎人くんに迷惑をかけるのは、やめなさい!」

と、父に怒られた!














評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。