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陽織、子ども部屋を作る(子育て編)

12月に入ると、鷹人の元にたくさんのクリスマスプレゼントが届いた。


元々家を建てる時に、2階には大きな寝室と3部屋の個室を作った。その1部屋が鷹人の部屋になった。


プレゼントの送り主は陽織の祖父母や黎人の祖父母。親族、十神家の当主たち。しかも、陽織にはびっくりの値が張るものばかりだった。


神鬼が贈ってくれたものは、鷹人にというよりも陽織にだろう。可愛いモコモコの、ルームシューズだった。

神嶋は、というと柄にもなく絵本。と、思いきや、なんと子どもに人気の、幽霊退治をする男の子が主人公の絵本だった。

そして、中に

「お待ちしています。」

というカードが。

いったい何歳で依頼をよこすつもりだ!


ベビーカーに子ども用ベッド。子どもが乗って遊ぶ自動車。服に靴に可愛い帽子。人形やぬいぐるみ、おもちゃのピアノや楽器、絵本は当たり前、とにかくプレゼントが部屋に入りきらない。


「黎人さん、一部屋じゃ入らないよ。」

そう陽織が言うと、黎人は真剣に、増築を考えていた。

このまま子どもが増えたらまずい!

真剣に部屋が足りなくなる。

物置部屋が欲しい!

「増築って、そんな簡単にできないよ?ね?」

と、陽織が言うと、

「4階建てに直すか。」

と、言い出した。


自分たちの、あの無駄に広い寝室をどうにかする、と言う考えはないらしい。

だいたい、2人の部屋は、千織に言わせると、千織が住むマンションの一軒分くらいだそうだ。


確かに、普段“寝室“とまとめているが、実際には、その他に勉強机や黎人の仕事机もあり、大きなクローゼットもある。さらに、バスタブ付きのシャワー、洗面所、簡単なキッチンカウンターもあった。ベランダとバルコニーもあり、まるで大きなワンルームマンションだ。現在は、ここにベビーベッドもあるが、それを今度は独立しよう、と考えている。


これを割って違う部屋を作るのは、難しいかもしれない。


とりあえずは、鷹人の部屋に決めたところに、ベッドを設置して、タンスを置き、クローゼットの中におもちゃを入れるためのカラーボックスも設置した。


もらった服や靴などの衣料、絵本、おもちゃ、で仕分けして、食器などは一階に持っていく。プレゼントを贈ってくれたひとには、礼状を書く。


12月はその作業で毎週週末が潰れた。


大晦日。黎人は陽織と鷹人を連れて、神明神社の祖父母のところへ行く。祖父神明将一と祖母奏子にとって、鷹人はひ孫になる。

今年は、去年約束した、家族3人での年越しだ。

鷹人が行くと、黎人の祖母は大歓迎してくれた。結婚式以来の陽織のことも。

「まあ、あのときの可愛いお嫁さんが、もう、お母さんだなんて。」

と。


黎人の叔父夫婦な従弟たちも、抱っこしては写真を撮っている。

祖父母は鷹人を抱くと、境内の参拝客に自慢して見せて回っていた。こんな若い、ひいおじいちゃんやひいおばあちゃん、って、とみんなから驚きの声も上がっていた。


夜、眠っている鷹人を抱いて、陽織と黎人は年越しの参拝客に混じって、列に並んでいた。

「陽織、寒くない?」

と聞かれたので、

「うん、たっくん抱っこしてるから、あったかい。」

と答える。

「今年は、クリスマスのプレゼント交換も、ご馳走も、何もなかったね。」

と、黎人は残念そう。

「でも、その分ツリーを飾って、たっくんといっぱい写真撮れたよ。」 


順番が来ると、2人は礼拝し、祝詞を唱えて柏手を打つ。あっという間に、神社の空気が一気に清浄なものに変わる。

「今年も3人で、幸せな家族でいられますように。」


年が明けて、鷹人の部屋が片付くと、ベビーベッドを卒業して、子ども用のベッドに寝せてみた。

寝返りを覚えた鷹人は、広くなってゴロゴロたくさん転がれるのが、楽しそう。


ベッドの脇には大人用の椅子を2つ。

鷹人の寝顔を2人で眺められるように。


部屋の床は、危なくないように、厚手のクッション材に陽織が縫ったパッチワークのラグマット。

そこには、たくさんのウサギや犬、猫といった動物のアップリケがついている。


部屋はもちろん、土禁どころかスリッパも禁止。

ベッドの下で、鷹人が好きなようにゴロゴロできるようにした。きっともうすぐ、ハイハイをして、ヨチヨチと歩いて、あっという間に大きくなる。


床の上には、鷹人が一番好きな怪獣のぬいぐるみがあった。黎人が面白がって、色々なテレビをみせたところ、一番興味を持ったのが、車や電車、動物でもなく、怪獣が出てくる特撮だった。


どうやら黎人が連れている、小龍に似ているからでは、ということなった。











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