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陽織、再び地下鉄?

久々、ホラー回

夕暮れが迫り、4人は地下鉄で帰ることにした。


師走の銀座。

雑踏の中。

なんで、こんな時に!

そう思うと、慣れてきた4人は大きなため息を吐く。


地下鉄の入り口に入ろうとした途端、周囲の景色が変わった。


やばい!

なんで?

どこ?

真っ黒!


4人は暗闇の中、血の気が引くのを感じた。

引きずられた?

今日、陽織と羽織以外は、攻撃できない。

助け、呼べる?

湊人たちは免許を取るため品川の自動車学校にいる。

和嶺は大学。

黎人は田町のオフィスだ。


一番近いのは?神嶋!?

一番頼りたくない!


話し合いで持っていける相手なら良いが。

4人は顔を合わせて、周りを良く観察した。

「地下鉄、2度目、だね。」

千織が小さな声でつぶやいた。

羽織と陽織は、あー、と思い出した。


美織だけ、キョトンとしている。

「詳しくは後ほど。」

と、羽織が苦笑いした。


今までとは、また違う、真っ黒な空間。ただ、4人の互いの姿だけは見えた。

「なんだろう、ここ。」

「地下鉄の階段、まだ降りてなかったよね。」

「近くのビルの方かな?」

4人は必死で、自分たちが持てるだけの時事問題を思い出す。時事問題、というより、この近くで起きた事件、などなど。


このすぐ近く、怪しい神社仏閣の類は思い出せない。


「有楽稲荷?宝童稲荷?」

「龍光不動尊?」

「あんまり、悪さするようなところ、ないよね。」

「病院も、大きなものはないし。」

んー、と4人は頭を抱えた。


前に体験した、人形の中、ナナちゃんのような気配もない。

「でも、何かの中、ってのは、あってるかも。」

としたら?

その時、グワーッと周りがものすごく揺れ、4人は立っていられない。それぞれが大きく揺れて、座り込む。

「鯨のお腹の中!ピノキオみたい!」

と、千織が叫んだ。

「飲み込まれたってこと?」

「暴れてみようか?」

「くしゃみをさせて、出してもらうってこと?」

「火をたいてみる?」

千織、羽織、陽織がそんな話をしている。

ものは試し、と陽織が火をつけてみた。

ちょっと明るくなった、が、お腹の中ではないらしい。鯨でもない。ここは陸だ。

「広さとかわからないなー。」

陽織が氷を作ると、エイッと前に突き出してみた。

しかし、空を切るだけ。

「結構広いかも。」


その時、

「あれ?美織ちゃんは?」

と千織が言う。

いつのまにか、美織がいない!

3人になっている!

「み、美織ちゃん!」

「美織ーッ!「美織ちゃんー!」

3人が大きな声をだすが、声はただ木霊するだけ。

「どうしよう。」

「なんで、美織ちゃん、が!」

「いなく、なっちゃった?」

3人は、どうして美織が?

と、何回も考える。何か消える要素があったのか?

外へ出られたのなら良いが。


一方、美織も、1人になってしまったことに気づく。苦手な炎を出して、周りを見るも、何もない。ただ真っ暗な空間。

「いや、出して!出たい!陽織ちゃん!千織ちゃん!羽織!誰か!誰かいないの!?」

美織は、足がガクガクして、崩れるように座り込む。

「やだー!やだ出たい!出して!出して!出して!」


美織はしばらく泣き崩れていた。

すると、周囲が急に明るくなり、電灯が見える。

電灯?もう、夕暮れ、じや、ない?

しかも、美織がいるのは、土の上。

土の場所なんて。

どこ?ここは?

そこに、白い影のようなものが、1つ、2つと近づいて来る。

「遊ぼ。」

影が言う。

ひっ!

「遊ぼ。」

美織は、後ろずさりながら、影を見る。

   だめ、目を逸らしちゃ!

   でも。

   1人じゃ、何も、できない!

   和嶺、さま!

   陽織、ちゃん!

さらに、影は3つに増えて、美織の前まで近づいた。

「遊ぼ。」


「わたしたちと、美織ちゃんの違いは、地下鉄の経験があるか、ないか?」

「んー、じゃあ、地下鉄の経験があるのと、ないのでは、どっちが良いんだろう?」

「今、美織が外に出られていれば、ない方が良いってこと?でも、逆なら、美織大丈夫かなー。」

3人は呑気に暗い中で話し合っていた。

「一人ならやっぱり、心配だよ!」


美織は、陽織がいつもやっていることを思い出す。

子どもの霊と話していること。

でも、自分には経験がない。


その時、和嶺の言葉を思い出した。

「陽織は、すぐにアレをやるけど、本当はすごく危険なんだ。逆に霊と話した、さらに連れ込まれてしまうこともあるから。」

そうだった。

特に、問いかけに答えちゃダメって言われた。


美織は、目を瞑って和嶺を思い浮かべる。

そして、自分の力を思い浮かべた。

   そうだ、私は巫女なんだ!

美織は、その景色が浄化するイメージで祈った。






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