↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
107/291

陽織、ブレ新婚さん

クリスマスイブ。去年のクリスマスイブ、陽織は中学時代の同級生に会って、結局色々と黎人に迷惑をかけてしまった。

今年は、2人でいつもとは違う街に行った。

2人があまり行くことのない青山から神宮周辺。


この近くにある美術館に行ってみようと言うことになり、久しぶりに原宿の駅を降りた。

この辺りは、若いカップルや外国人が多いので、2人の姿が目立つことはない。


たくさんのカップルが腕を組んだり、手を繋いで歩いている。原宿の駅前は苦手だけど、ちょっと東へ抜けると、たくさんの美術館がある。

いつも車だけど、たまには散歩も良いね、と黎人が選んだ。


一つだけ気掛かりなのは、この近くに、都心でも有名な巨大霊園があること。

あれだけたくさんの墓地があれば、一つや二つ、遭遇することはあるだろう。

でも、今日はちょっとくらい悪さをするモノも大目に見てあげよう。


2人であちらこちらの美術館を巡り、カフェでお茶をして、美味しいランチをいただく。

そして地下鉄に乗って、黎人の家に戻った。


陽織は先日父と話し、一月からここに住んで、黎人をサポートすることを伝えた。

年が明けると、学校に登校する日は全部で10日もない。受験生なら、ここは一番忙しい時期だが、大学が決まっている湊人たちは、自動車免許を取りに行ったり、バイトをしている。


陽織はまだ17歳なので、車の免許は取れないし、黎人にバイトをしたいと言うと、良い顔をしないので、やることがないのだ。

ちなみに男子グループは、全員自動車教習所だ。


「その、お式の準備もしなくちゃ、なのでお母様とできる限り、近くにいた方が良いかと。」

そう言うと、黎人が本当に嬉しそうに笑った。

「少し、早いですが、お世話に、なります。」

黎人は嬉しくて陽織をギュッと抱きしめた。


今年のクリスマスプレゼントは、お互い手袋にした。黎人は陽織にファーのケープと揃いの手袋。陽織は黎人に革の手袋を渡す。


これからも、毎年こうやって過ごしていく、そう思うと、すごく嬉しかった。

2人でケーキを食べて、ご馳走をいただき、後片付けをしたあと。

なかなか会えなかったけど、陽織の言葉で一月からはずっと一緒にいられる。


陽織がクスクス笑いながら、黎人に甘えてきた。明日、黎人は仕事なので、朝が早い。だからほんの少しだけ、2人の楽しい時を過ごした。


クリスマスの朝、陽織は目を覚ますと、ベッドから起き出して服を着て、キッチンに立つ。

来月から、ここは正式に陽織の場所になる。そう思うと、嬉しさで、顔がニマニマしてしまう。

昨夜タイマーをかけていたご飯が炊けて、味噌汁と卵焼きに今日は昨日のご馳走の残り、ローストビーフをアレンジしサラダにした。


黎人が起きてきて、陽織におはようのキスを落とす。

2人で先日買った、茶碗やお箸を持って、朝ごはんをいただいた。


暮れは道が混むから、と黎人は地下鉄で出かける。

陽織は玄関にあるクローゼットから、黎人のコートを出して手渡した。


いってらっしゃいのキスをすると、まるで新婚さんみたいだ!と、陽織は照れてしまった。


黎人が出かけたあと、掃除と洗濯をし、母屋に行った。母屋では美咲が招待客のリストを持って、座席の確認をしていた。


「おはようございます。」

陽織が声をかけると、美咲は眼鏡を外して陽織を見た。

「おはよう。ん、少しぽっちゃりしてきたかな?」

普通ならショックを受ける言葉だが、ガリガリだった頃の陽織を思うと、それくらいでちょうど良い。

「明日、ドレスの試着だけど、陽香も行くの?」

と聞かれた。

「あ、え、と。その千織ちゃんたちがみたいと言うので、一緒に行って、良いですか?」

と陽織が聞いた。

「何人?」

「4人、あ、3人です。わたしを入れて4人。」

「自分を入れてどうするの?」

と、美咲に笑われてしまった。

「母は、今回は用があって、行けないと、残念がってました。」


「ん、それくらいの人数なら大丈夫でしょ。なら、わたしも行かないことにしようかな。若い子たちで、楽しんで来なさい。」

美咲は、笑ってそう言ってくれた。


翌朝、早朝から陽織は黎人の家にそっと入って、朝ごはんの支度をした。昨日の朝が、思いがけず楽しかったから。


朝、階下に降りてきた黎人は、陽織の姿に驚き、笑った。

「サプライズです!」

今朝も一緒に、朝ごはんをいただく。

「今日は、ドレスの試着だっけ?」

「はい、千織や羽織ちゃん、美織ちゃんと行ってきます!お母様が、若い人だけで楽しんで来なさいって、言ってくださって!」

「んー、僕も見たかった。」

「ダメです!花嫁衣装は、当日までのお楽しみです!」


また、明日の朝も来る、と言う約束をし、陽織は黎人を見送った。掃除と洗濯をすると、着替えて、みんなとの待ち合わせ場所へ行く。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。