表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
7/9

第7話 この世界、思ったより文明進んでるんだけど

第7話です。

異世界といえば旅!

異世界といえば街道!

異世界といえば王都!

……ということで出発します。

 リナの家の前は、薄く白い霧が残っていた。ケモノに壊された建物も多いけど、煙突からは煙が上がっていて、遠くでは鶏の鳴き声が聞こえる。あれから数日しか立っていないけど、村の人達の生活は力強く続いている。

 ここへ来た直後は何もかも異世界だったはずなのに、今ではこの匂いも音も少しだけ日常になってしまっている。懐かしさまで感じられる。

 私はリュックがわりの布袋を抱えながら、家の前に立つリナの顔を見た。昨日までは都市へ行く話を半分冗談みたいに感じていたのに、朝になると急に現実味が増していた。

「ほんとに行っちゃうの?」

リナが小さく唇を尖らせる。

「うっ……そう言われると、なんか急に卒業式みたいな空気になる……」

「まだ卒業には早いわよ」

彩が呆れた声を出した。

それでも彩自身も少し硬い顔をしていた。お爺ちゃんの前へ進み出ると、真面目な顔で頭を下げる。

「短い間でしたけど、本当にお世話になりました。助けてもらったのに、すぐ出ていく形になってしまって……すみません」

「気にすることはないさ」

お爺ちゃんは穏やかに笑った。

「若い者が外を見るのは当然じゃ。わしも若い頃村を飛び出したことがあるんじゃ」

彩はまだ納得しきれていない顔をしていた。

「でも、助けてもらった恩もあります。なのに私たちは、自分たちの事情で――」

「ここはわしらの村じゃ。だから何があっても自分たちで守る。お前たちにはお前たちの帰る場所があるんじゃろう」

 二人のやり取りを聞いていて、私は少し考えた。

帰る方法。

ここ最近は魔法の訓練とか、ケモノ退治とか、村での生活に慣れることに必死で、目的を見失っているような気がする。でも本当は、私たちは旅行に来たわけじゃない。もちろんゲームなんかじゃない。最終的に帰る場所は一つしかない。

 奏が静かに頷く。

「人口が多いほど、記録や知識が蓄積されている可能性は高い。僕たちみたいな前例も、都市なら何か記録されているかもしれない」

「まあ、何もなかったら自分たちが前例になるしかないけどね」

悠が苦笑した。

 おじいちゃんは縁側へ腰を下ろしながら、少しだけ真面目な顔になる。

「都市へ行くなら、覚えておくといい。北の方にいくほどケモノは多くなり、力も強くなる。最近、その勢力が徐々に広がってきているらしい」

「最前線ってやつ?」

悠が聞く。

「ああ。それに対抗するため魔石が大量に投入されているらしいのじゃ。都市は強い魔法使いも多いが、その分、魔石を大量に使う。最近は村に近い街道にも、輸送隊も増えとるらしい」

「戦争特需ってことですね」

奏が反応する。

「なんかきな臭い感じね」

彩が眉をひそめる。

「便利な力ほど、頼りすぎると怖いもんじゃ」

おじいちゃんの声色も暗い。

 リナが突然、私の服の裾を掴んだ。

「また戻ってくる?」

「え?」

「だって、ひなひなたち来てから毎日うるさかったし。いなくなると静かになりすぎるもん」

「それ褒めてる?」

「もちろん」

私は思わず笑った。しゃがみこんで、リナの頭を軽く撫でる。

「方法が見つかったとしても、帰るまえには必ず戻ってくるよ」

リナは少しだけ笑って、それから真面目な顔で頷いた。

朝日が村を照らし始める中、私たちは村を出発した。


     ◇


 村の外へ伸びる道は、今まで歩いていた獣道とはぜんぜん違っていた。いつもは門をでてすぐに森に入って、ケモノを探してたから、意外と知らなかった。地面は踏み固められ、荷車の車輪跡が何本も刻まれている。ところどころには石も敷かれていて、雨でもぬかるみにくそうだった。

 すぐにもっと大きな道に出る。石畳の、車ならすれ違いもできる幅がある。

私は足元を見ながら感心する。

「うわ、ちゃんと道路だ」

「街道だな」

レオンが前を歩きながら答える。

「この道を通って大きな街と村々が繋がってる。人も食料も、魔石もな」

奏が周囲を見回していた。

「こんな立派な交通インフラがあるってことは、定常的な生産と消費が成立してるんだ」

「星野くん、考えることが小難しい」

彩が即座に切る。

「いやでも重要だよ。一条さん。この道一本維持するだけでも相当な労力が必要なはずだし、警備もいる。つまり都市側に、それを成立させるだけの余剰生産力があるってことだから」

私は途中から半分くらい聞き流していた。

「つまり?」

「おもったより文明レベルが高い」

「ちょっと失礼よ」

彩がたしなめるが、セレーネが小さく笑う。

「でも、奏くんの言うこと少し分かるわ。私たちも辺鄙な村出身だから、初めて街道を通ったときにびっくりすることの連続でしたもの」


 道の途中では、何度か荷車とすれ違った。木箱を積んだものもあれば、布で覆われた樽を運ぶものもある。荷車を引く動物は牛に似ていたけれど、角が妙に大きかった。

「あれはケモノ?」

「いや、普通の動物だ。ケモノのほうが力が強いが、飼いならした例は聞かないな」

レオンが答える。

 荷車の脇には、青白く光る小さな石が金具にはめ込まれていた。近づくと、ほんのり暖かい。

奏が目を細める。

「これも魔石か。照明みたいな使い方もしてるんだ」

「光属性を持っていなくても、光らせることくらいはできるのよ」

セレーネが説明した。

「でもそれはおまけみたいなものよ。この魔石は土属性の人が魔力で、この荷車を軽くする魔法を発動させてるのよ」

「魔法でこの荷車をずっと持ち上げてるってこと!?」

土属性の彩が感嘆する。

「つまり彩でも“配達員”になれるってことね」

「異世界では“置き配”は難しそうだけどね」

悠が冷静に突っ込む。


 夜、街道といってもここは末端らしく、都合の良い宿なんてない。ましてや物価もわからない田舎者で異世界者。野宿で過ごすことになる。レオンとセレーネは金銭的には余裕がありそうだけど、私たちに付き合って野宿してくれた。

「冒険者なら野宿で一ヶ月以上過ごすなんて当たり前さ」

「そうよ。気にしないで」

二人は言ってくれた。

 そして魔石の使い方を教わった。

「魔石からググッと吸い取って、ズバンとやればいいんだ」

「魔石に静かに祈るの。そうすると精霊が私に乗り移って、力を与えてくれるわ」

レオンとセレーネの説明は、異世界人の私にはわかりにくかった。

 最初にできるようになったのは、奏だった。

「簡単に説明すると、魔石には魔力を司るエネルギー、いわば魔力ポテンシャルが蓄えられているんだ。そのエネルギーを活用するにはまず、イメージが大切なんだ。振り子のイメージ。オモリの位置エネルギーが最下点で運動エネルギーに変換され、最下点を過ぎるとまた位置エネルギーに変換される。その振り子のイメージを……」

奏の説明はもっとわからなかった。

「わかんない」

「星野くんらしいけど…」

「お前、それ説明しているつもりか?」

みんなから総ツッコミされた。

 夕食後、寝る前の時間と、昼間は歩きながら、あーでもないこーでもないやっているときに、悠が、

「接触している方が良いって、スマホを充電しているみたいだな」

と言った。私はワイヤレス充電器の上におかれたスマホになったイメージで魔石を手に乗せた。

「なっ、何かを感じる!」

頭の中、視界の右上に、電池マークと稲妻マークが表示された感じ。体が熱くなる。湧き上がってくる力。

「やーっ!」

近くの立ち木に熱を放つ。立ち木は炎に包まれた。街道の通行人が驚く。私たちはコソコソと逃げ出した。

 このイメージを伝えると、彩も悠もすぐにできるようになった。


 私たちは第二段階魔法使いとなった。


     ◇


 街道の峠は森が近かった。葉の隙間から差し込む細い光が、街道の石畳を彩る。鳥の鳴き声に混じって、時々、低い唸り声のようなものが聞こえた。

レオンが急に歩みを止める。

「来るみたいだな」

レオンはそれほど緊張していないようだけど、私は村を襲ってきた巨大トカゲ型を思い出し、身構えた。愛剣『ビームサーベル』を引き抜く。

 次の瞬間、森の奥から灰色の小型ケモノが飛び出してきた。犬に似ているけれど、目だけが異様に赤い。

三体、四体、奥にはもっといそうな気配。

「群れよ!」

彩が叫ぶ。

レオンの腕輪にはめた魔石が淡く光った。

地面が爆発したみたいに盛り上がった。

「ギャワン!?」

突き上がった土塊がケモノをまとめて吹き飛ばす。しかもレオン本人は息一つ乱していない。

続けてセレーネが静かに手を振る。細い青い線が空気を裂いた。森の木の幹が水平に切断され、その奥にいたケモノたちもまとめて倒れる。

「レーザーカッター……」

奏が呟いた。

ケモノの残りがこちらへ向かってくる。

「ひなひな!」

彩の声に反応し、私は地面を蹴った。

セレーネにもらった魔石。まだ腕輪にも指輪にもしてないから、左手で直接握り込む。今までと違う感覚。体の奥から無理やり力を引っ張る感覚が薄い。代わりに、外部から熱い流れが腕を通ってくる。

「えーい!」

私は勢いのまま剣を振る。

いつもよりも強く輝いた『ライトセーバー』は、なんの抵抗もなく、ケモノを両断した。勢い余ってバランスを崩す。

「すご……!」

「油断しない!」

彩が銃を構えて、杭を発射した。杭はケモノを2、3匹貫通した後、木の幹にあたって爆発した。唖然とする彩。以前より威力が爆上がりしている。

ケモノの群れは全滅した。

「俺にも獲物を残しておいてくれよ……」

悠がぼやいた。


 夕方の野営地には、焚き火の煙が細く立ち上っていた。空は赤く染まり始め、遠くの山影が黒く沈んでいく。火のそばに座ると、昼間の疲労が一気に身体へ戻ってきた。

私は干し肉をかじりながら空を見上げる。

「冒険者の旅って感じしてきた……」

「ゲーム感覚になりすぎないように」

彩が釘を刺した。

「えー。でもさ、街道あって、荷車あって、魔法アイテムあって、最初は異世界にしては現実的過ぎるって思ってたけど、だんだんファンタジーになってきた。テンション上がるって」

レオンが笑う。

「俺も初めて魔石を使ったときは、まじで興奮したよ。まあ最初はみんなそんなもんだ」

奏は焚き火の横で、小さな魔石を光に透かしていた。

「これ、等級とかあるんですか?」

「あるわ」

セレーネが答える。

「大きさだけじゃなくて、どれだけ魔力を蓄えているかで値段が変わるの。質のいいものは小さくても魔力がぎっしり蓄えられているわ」

「バッテリー容量は重要だよね」

悠がつぶやく。

「魔力を使い切ったら、どうやって魔力を込めたらいいんですか?」

「魔石に魔力を込める? そんな事は出来ないさ。使い切ったら黒く濁ってそれで終わり。都市の近くのゴミ捨て場には、黒くなった魔石が山のように積み上がってる」

奏の問いに、レオンが答えた。

「冒険者は稼ぎの半分を魔石に使う。戦うにも移動にも必要だからな」

「つまり消耗品なんだ」

奏が静かにつぶやく。

「そう。強いやつほど大量に使う」

昼の戦闘を思い出した。体力に気を使うことなく魔法を使えるのは魅力的だ。

でも魔石は使い捨て。使えば使うほど消えていく。

奏は考え込むように焚き火を見つめる。

「都市文明って、魔石をエネルギー源にした資源社会なんだな……」

「資源社会?」

「便利なエネルギーがあると文明は発展する。でも、消費量も増える。もし供給が止まったら、社会構造そのものが揺らぐ」

「急に社会学の講義がはじまった」

「あまり得意じゃないけどね」

セレーネは少し不思議そうに奏を見ていた。

「奏くんって、すごいこと考えるんだね」

「え?」

「みんなが“便利”って思うところで、“その先”を考えてる感じ」

奏は少し困ったように笑った。

「単に気になるだけです」

レオンが肩をすくめる。

「難しいことは学者に任せろ。冒険者は戦って飯食えりゃ十分だ」

「レオンさんケモノを探知できるじゃないですか。絶対理屈あるでしょ」

「知らん。勘だ」

「野生のレーダー」

「なんだその言い方」

笑い声が夜の空気へ溶けていく。

 焚き火を反射して、レオンの腕輪の魔石が小さく瞬いていた。

私はその光を見ながら、都市という場所への想像を膨らませていた。もっと大きな光があって、もっと便利で、もっと強い魔法が当たり前に使われている世界。

 そこに行けば、本当に帰る方法も見つかるんだろうか。


 翌日、街道はいっきに賑やかになった。全面石畳になって、しかも緻密で凹凸が少ない。遠くから金属音や動物の鳴き声が響いてくる。

 やがて前方から巨大な輸送隊が現れた。私は思わず立ち止まる。

「でっか……」

鉄製の荷車が十台以上連なっていた。荷車を操る御者の側には巨大な魔石が光ってる。私が持っている魔石がシータの首飾りなら、あれはラピュタを支える巨大飛行石だ。荷車に比べたら小さな牛もどきは、重そうな積荷なのに軽々と引いている。

「魔石の輸送隊だ。山からとれた原石を、街に運んでいる」

レオンが説明する。よく見ると荷車の幌の隙間から形は不揃いだけど、まばらに光る石が見えた。

「ケモノとかに襲われたりしないんですか?」

「ケモノも襲ってくることはあるが、それよりも魔石に魅せられた人間の方が多いかな」

「盗賊? 強盗?」

「そういう事。だから護衛は欠かせない。冒険者の一番多い仕事だな」

 商人らしい男たちは慣れた様子で荷車を誘導している。護衛の冒険者たちは全員、指輪や腕輪に複数の魔石を装備していた。

私はぽかんと眺めた。

「なんかもう、“魔法使い”っていうより“ダンプのドライバー”だね」

「ひなひな、いい表現するじゃん」

悠が笑う。

 奏は魔石を山のように積んだ輸送隊の列を見送りながら、静かに呟いた。

「消費量、相当だろうな……」

「また考え込んでる」


 夕暮れ前、街道は最後の峠を抜けた。風が一気に開ける。

私は前を見て、そのまま言葉を失った。

遠くの平原に、城壁で囲まれた街がひろがっていた。

「……え」

想像よりずっと大きい。ここから見える城壁も、大きなマンションくらいはありそうだった。

その内側には無数の建物が並び、さらに奥には高い塔まで見える。夕闇が近づく中、都市のあちこちで光が灯り始めていた。

青白い光。

金色の光。

赤く揺れる光。

まるで地上に星空が広がっているみたいだった。まだ小さい頃、GWの最終日。渋滞の高速道路からみた東京の夜景を思い出した。山道から突然ひらけた視界にひろがった、光の渦。それと比べても遜色ないように思う。

「うわ……うわぁ……」

私は言葉を失った。

「すご……え、なにこれ……」

さすがの彩も冷静ではいられないみたい。

「王都『アウレリア』だ」

レオンがちょっと誇らしげに言う。田舎者に初めて都会を見せる田舎者、というべきか。

私たちはもっと都会を知っているよ、と言いたいところだけど、いままで生活していた異世界の村とのギャップが大きくて、それどころじゃない。

 工房らしい区画からは白い煙が上がっている。壁沿いには大きな水路も見えた。まだ遠いのに、人の営みの密度が伝わってくる。

 奏がまた学者の目になっていた。

「街が明るい。夕暮れになってもまだ活発に活動している。エネルギー消費が段違い……」

「また始まった」

「いや本当に。もし衛星写真があれば、村のあたりは真っ黒だけど、このあたりはすごく輝いてると思うよ」

奏の声には興奮が混じっていた。

「だから照明がついているってことは、工房稼働時間も長い。生産量も多い。生産するのに必要な物資も多い。だから輸送量も必要になる。そしてエネルギーが必要なんだ」

「つまり、何が言いたいんだ?」

悠が肩をすくめた。

「産業革命だよ。魔力を中心とした別の形の文明が見られるかもしれないんだ」

「奏、今すごく楽しそうだね」

「そりゃ楽しいよ。別世界の文明発展モデルなんて、普通見られないし」

彩は逆に警戒を強めていた。

「人が多いってことは、それだけ危険も増えるってことでしょ」

「正しい」

レオンが頷く。

「都市は便利だが、面倒も多い」


私は街の明かりを見つめ続けた。

怖さもある。でも、それ以上に胸が高鳴っていた。この世界は、私たちが思っていた中世のファンタジーの世界とはまるで違う。

そしてたぶん、その中心があそこにある。


     ◇


 峠を降りたところで最後の野営を済ませて、翌朝、王都『アウレリア』に向かった。街道の人通りはさらに増えていった。商人、旅人、冒険者、兵士らしい集団までいる。耳慣れない言葉も飛び交い、荷車の軋む音が絶えない。

 城壁の前には長い列ができていた。

「入るのに並ぶんだ」

私は少しげんなりした。

「テーマパークかよ……早く中をみせて」

「ファストパスは無さそうだね」

悠が笑う。

 でも列の周囲を見回すだけでも十分楽しめた。冒険者らしい人たちは、ほぼ全員が魔石アクセサリを装備している。腕輪、指輪、首飾り。複数持ちも珍しくない。

「私たちも魔石を買わなくちゃ……お金、いくらかかるのかしら」

彩がオカン目線で呟く。

 列の近くでは、簡単なキッチンを乗せた荷車が止まり、なにやら美味しそうな匂いを漂わせている。

「え、なにあれ。屋台?」

「そう、列に並んでいる人たち目当てにね。火属性の人たちは料理人になることも多いのよ」

セレーネが答える。

「火魔法の熱で、調理するんですね。」

「そう。高火力を売りにする人もいれば、低温じっくりと、という人もいるのよ」

「どうしても家電寄りになるなあ、この異世界は」

悠が苦笑した。

 私だけじゃなかった。四人とも、視線が落ち着かない。今までの村とは、人の数も、音も、光も、全部が違う。


 列がゆっくり進み始めた。巨大な門が近づいてくる。壁の石材は驚くほど巨大で、表面には複雑な紋様が刻まれていた。城壁を貫くトンネルは青白い魔石の光で照らされている。

 城壁を守る兵士たちはゴツい鎧を着込んでいる。中世の甲冑とはぜんぜん違う。

「風魔法が仕込んであって、打撃が加えられると破裂して、攻撃をそらす効果があるんだ」

レオンが小声で教えてくれる。

「……リアクティブアーマー……」

奏がまた理由のわからないことをつぶやく。

ついに私たちの順番が来た。巨大な門の影へ足を踏み入れる。トンネルの壁面を形作る、冷たい石の空気が肌を撫でた。

門の向こうには、光が広がっていた。


私は門の向こうへ、一歩踏み出した。


今回は移動回でした。

次回は王都観光(ただし異世界版)です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ