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LEGEND MONSTERS(レジェンド・モンスターズ)-The Extra-  作者: プリンアラモード
LORD SCROLL - 0~3話
147/149

0話 終末文書

 「海神聖典」。それは"終末文書"とも呼ばれる人が神を殺し、その末に自らが次の神となる指針を表すための暗号、その記された文書。その片割れはヴァルハラ宮殿大図書館の奥に保管され、またもう一方は地球のどこかに眠っていることが判明していた。

 しかし、ある日、その片割れがかつて大脱獄を果たした組織「ラグナロク」によりヴァルハラ宮殿から盗み出されるのであった。人々をこらを取り逃がし、しかも文書はバラバラとなって内宇宙に散らばることとなってしまった。

黄昏界と内宇宙、文明派と邪神派、そして人と神。その全てを巻き込み、「海神聖典」を巡る争奪戦が今、始まる!


※後書きには注釈を設けております。本文中に言及のない用語について説明がございますので、「後書き」よりご覧ください。

 ジリリリリリリリリリリ...!

ヴァルハラ宮殿に警報が鳴り響いた。出動する文明派の兵士、彼らから逃げる1人の男。その男の右手にはある巻物が握られており、しかも後ろには「ラグナロク」と名乗る組織の部下を従えていた。男はそこの長で名をロキという。

 「ラグナロク」は神殺しを以て自らが神と化すのを目論む組織。彼らはかつて、アルフヘイム・ヴェルンド監獄より大脱獄を成し、この日まで姿を現さないでいた。しかし、彼らは着実に対人戦の準備を整え、その内にロキの手元の巻物、もっと言えば文書の情報を耳にしたのである。文書の名は『海神聖典』、ニブルヘイムの海底神殿から見つかったその巻物の片割れである。文明派の諜報活動により、もう片方が内宇宙の中、地球のどこかに眠っていることが既に判明していた。

 彼らがそれを求めるのは"終末文書"とも呼ばれるその文書に神殺しと神化の法が暗号で記されているからである。文明派は片割れだけでも解読を進めつつ、地球に調査団をやっていた。その内に転移(トランジション)の能力者・アレックスもいた。無論、彼らは共に神殺しの功績を独占し、自分らのみが神と化すのが目的である。


 「『海神聖典』を盗まれた!『ラグナロク』が再び現れたぞ!ヤツらを追えぇぇぇっっっ!」

そう叫ぶのはヴァルハラ憲兵の長・ベックス。この命にすぐ銃撃隊と魔術隊とが飛び出した。

 ズガァッン!ズガァッン!スガァッン!

鳴り響く銃声、空を交う銃弾、鮮血が散らばり、伴い死体が増える。

「スクロペトゥム!」

「スクロペトゥム!」

「スクロペトゥム!」

と聞こえたかと思えば、また死体が増えていた。

 ズガガガガガガガガガガ...!

「ラグナロク」に強力な銃器はなかったものの粗悪であるがサブマシンガンを持っていた。

「ちっ...!Raptor-13か。安物で精度は悪いが、制圧射撃にはむしろ都合がいいかもな。」

そう言って軍曹は遮蔽物に隠れる指示を出す。すぐに兵士はこらに従うが、やはりその際、数人が怪我を負う。一方、隠れられた兵士は遮蔽の裏から1人ずつ確実に撃っていく。

 だが、その内に巨大樹で落ち合う約束し、「ラグナロク」は散開していたのである。

「やはり、別れたか...。」

憲兵は銃撃戦を制したもののその散開を防ぐことはできなのいのであった。

 ドガガガガガガガガガガ...!

しかも、ここで上から何者かの銃撃。これを前に文明派の軍は次々倒れていく。

「クソッ!誰だっ!?」

兵士が上を向くとそこにいるのは邪神派の軍であった。

「き、貴様ら!何故、俺たちの邪魔をする!貴様らも『海神聖典』がヤツらに渡れば不都合だろうがっ!」

と言うと、機関銃を構える邪神派の兵は、

「フッ...。お前らのような軍事力も兵力も併せ持ったのが未だ手中に納めている方が数十倍は厄介だ。むしろ、お前らの手元から離れた今が好機なのだよ。安心しろ、お前らの任務は俺たち邪神軍が引き継ぐ。それ故、撃ち落とす!」

ドガガガガガガガガガガ...!

そう返して再び機関銃の雨を降らす。この銃撃で兵がさらに減る。

 「こんにゃろっ...!」

そこで1人の兵士が機関銃の方へ飛び出す。

「何する気だ、お前!」

「お前たちは行けぇぇぇっっっ!ここは俺が...」

ドガガガガガ...!

軍曹に言われるも、その兵士は覚悟を決めた表情でヤツを睨み付けて言い、心臓を撃たれる。

「ぐぁぁぁぁぁっっっ...!い、行けぇぇぇぇぇっっっっっ!」

それでも叫びながら、彼はそこに立ち続ける。

 「親ぶぅぅぅっっっんっ!」

兵士は勝手に彼を親分呼ばわりで叫び、

「くっ...!感謝する!」

と軍曹も言い、続いて邪神軍による全滅だけは防がねばと散陣の指示を出す。これに従い文明派の軍は散らばっていった。途中、「ラグナロク」や邪神軍が現れ、仲間を殺られようとも別の仲間が反撃する。失敗もあったが、それらは成功とはまた違った牽制となる。


 そして、三度に渡る機関銃の全弾命中を受け、身を庇った兵士はついに倒れた。しかし、その頃にはもう文明派の軍の姿はない。

「ふぃ~...。死を恐れぬ兵士こそ戦場で最も恐ろしい...。ありゃ、まさにそれだな。」

機関銃の兵士が言う。

「あぁ。だが、ヤツの飛んでもなところはそれだけじゃない。見ろ、機関銃の乱射を受けても頭だけはどこにも傷はない。」

これに他の兵士が返して見てみると、確かに頭に傷跡はない。

「ヤツが立っていられたのはただの執念だと思っていたが、違ったな...。ホントに恐ろしい...。」

と兵士も驚かずにはいられなかった。

 ジリリリリリ...!

と、突如、鳴り響くベルの音。

「何の音だ!?」

「気をつけろ、きっと何かのシグナルだ!音はあそこの男から出ている...!」

「あの男...!まだ、生きて...!?」

ズパァッン!

驚く暇もない。まずは1人、機関銃の兵を倒した。そうなれば量か質か、そのいずれか、あるいは両方のより勝る方が必然的に強くなる。

 先の庇いの兵士や今の狙撃手が属する組織がまさにそれである。狙撃で殺られたのはただ1人。他は隠れて一先ずは凌いでいた。だが、その組織の攻撃はそれだけでは終わらない。

 ズガァァァッッン!ザグンッ、ザグンッ!

後ろからの銃撃、さらに一閃。そこの邪神軍の一隊は成す術なく全滅。文明派の主力軍・反乱軍のお出ましである。

「よくやった、ルーク。お前の手柄だぞ。」

反乱軍の者の1人、リゼはしゃがんで死体となった兵士に言ってやりおもむろに立ち上がった。


 一方、未だ「海神聖典」を手にしたままのロキ、彼の率いる一分隊。彼らはやはり兵士たちに追われていた。その行く先に飛空艇(グングニル)が見え、

「あれだ!あれで逃げる!」

とロキは言う。これに仲間は頷き、剣を抜く。そして、そのままタックルで斬り捨てる。

 ズガァッン!ズガァッン!ズガァッン!

そこへ追い付いた憲兵が銃を放つ。これで仲間3人が倒れる。ロキはすぐさま近くにいた生きた文明派の兵士を無理矢理、持ってきて盾とする。無論、まず撃ち抜かれたのはその盾で、それでまロキの肩に貫通した弾が中途半端に入り込んできた。

 その後、邪神軍の乱入でそれ以上彼らの追撃を受けることはなかったが傷を追ったままロキはユグドラシルへ向かうこととなる。

 だが、それでも文明派は追跡を諦めない。目の前に現れたのはユグドラシルにいた飛空艇(グングニル)の一隊。それを見るなり、ロキの隣にいたガルドが扉を開けて飛び出し、次々にあちらの兵士を倒していった。

 この隙にロキたちはユグドラシルへと入り込み、森を抜けて巨大樹の根本に辿り着く。既にそこには数十人「ラグナロク」の仲間がいて、しばらく待てばその数は100人近くとなる。しかし、これは当初の1/5程度である。皆、文明派や邪神派、あるいはユグドラシルに住むアーミーウッドゴーレムにやられたのであった。

 まだ、増える可能性はあったものの、追っ手が見えたきたためにロキはここで見切りを着ける。彼は、「海神聖典」を地面に起き、

「セクト!」

そう唱えて100個程度に斬り裂く。

「いいか、1人でも多くあちらの世界に行け。おそらく行き先は疎らになるだろうが、会えさえすれば俺たちは絶対分かる。」

そう言うとこれらをそれぞれに手渡し、それぞれがそれら受け取る。ロキの言葉を信じて、巻物の切れ端を手に次々、内宇宙へ繋がる黒き穴へと落ちていった。

 そして、文明派や邪神派の軍が来る頃には50人以上もあった数は既に十数人程になっていた。

 こうして、内宇宙に散らばる「海神聖典」ちょうど50片。取り残された文明派と邪神派の軍は再び撃ち合いとなり、両者ともに全滅して銃撃戦が終わったのであった。

《黄昏界》

火炎惑星「ムスペル」、巨獣惑星「ユミル」、砂漠惑星「アルフヘイム」、樹海惑星「ユグドラシル」、山岳惑星「ヘルヘイム」、科学惑星「ウトガルド」、海洋惑星「ニブルヘイム」なる常に薄暗い世界。ユグドラシルを除く全ての惑星は、ユグドラシルの周りを公転していて、全て自転はしていない。ドュンケルという神が造り出した。

《ヴァルハラ宮殿》

ウトガルドにある巨大な宮殿。その中には巨大な図書館があり、その奥に「海神聖典」の片割れが眠っていた。

《内宇宙》

黄昏界から見た地球などがある方の宇宙の呼び名。ユグドラシルの核として巨大樹の根元に佇んでいることに由来する。反対に7つの惑星の外側にある宇宙は「外宇宙」と呼ばれる。

《文明派》

クロスサイドのこと。科学・魔術を併用することで科学力はもちろん、強大な軍事力と兵力も併せ持っている。邪神派とも呼ばれるドュンケルサイドとは対立関係にある。

《ヴァルハラ憲兵》

文明派に属する軍の内、ヴァルハラ宮殿を警備する兵団。魔術を扱える者には魔術の訓練をさせ、扱えない者には銃の訓練をさせている。

《反乱軍》

文明派が属する軍の中で最も大規模な軍隊。多機能型の飛空艇・グングニルや光線を放つ大電磁砲(レールガン)など様々な兵器を多く有している。

《邪神派》

ドュンケルサイドのこと。黄昏界の創造神・ドュンケルによる加護の元、魔術によって対立する文明派に勝るとも劣らない軍事力と兵力を持っている。

《邪神軍》

武装した木の巨人・アーミーウッドゴーレムや巨大な虫形巨獣類・凶虫(ブルータル)など兵種も多く、その分、反乱軍よりも規模の大きな邪神派唯一の軍隊。

《転移(トランジション)》

かつて9つに分裂した邪神の力の1つ。座標を指定することで、同じ世界であればどこにでも瞬間移動ができる。ただし、転移を跳ね返す細工なども可能である。また、分裂したと言ってもそれは断片に過ぎず、未だドュンケルは9つの能力を誰よりも上手く扱える。今はアレックスと呼ばれる男が有している。

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